宇野結也×丘山晴己インタビュー 舞台「パタリロ!」〜ファントム〜 「令和の時代に舞台化できるのは、ある意味で解放」(後編)
――次に、最近のマイブームや、仕事の息抜きにしていることがあったら聞かせてください。
丘山:宇野ちゃん、こだわったらこだわりそうだよね。
宇野:僕、こだわりはあるんですけど。こだわってる部分とこだわらない部分の差がすごくて。
丘山;筋トレとかは?
宇野:あー、たしかに! 身体作りというか、運動はしてます。でもね、はるちゃんに言われて、器具を使った筋トレはやめたんですよ。そう思うと、はるちゃんから言われて参考にしたこと、けっこうあるな。影響受けてる。
丘山:本当すみません(笑)。 正しかったらいいんだけど。
宇野:前は筋トレを器具を使ってやってたんです。それをやめて、自重や有酸素のトレーニングや、ボクシングに変えたんですよ。そうしたら身体の調子がかなり良くなりました。僕の身体に合ってたのかな。
丘山:ちなみに、サプリとかお茶とか、食べ物系でこだわってるものはある?
宇野:カフェインはあんまり摂らないかもです。
丘山:逆に摂ってるものは?
宇野:摂ってるのは……プロテインくらいかな。
丘山:いいプロテイン見つけた?
宇野:いや全然。おいしいやつだけです。そういうとこは雑なんですよね……。
丘山:あはは! でも分かる。続かないんだよね。
宇野:そう、続けられるところが大事なので。最近で言ったら……「パタリロ!」でバンコランが所属しているMI6って、もう007的な存在なわけじゃないですか。例えば、殺し屋の人が殺し屋を演じてても、なんかそそられないんですけど。普通の人間がそういう秘密情報部の人間を演じるために、いろいろやってみるのが大事だなと思って。それで僕は格闘技やシラット(=東南アジアの伝統武術)を今やってるんですよ。「パタリロ!」も一見するとギャグなんだけど、その側面にちょっとガチな戦闘シーンがあったりして、格闘家の人から見ても「あいつ何かやってるな」っていう部分が一瞬でも見えると、この作品に深みが出ると思うんです。そういうところを本当に大切にしたいなっていうのが、最近のマイブームですかね。わりとずっと、仕事がマイブームみたいな感じはあります(笑)。
丘山:ね。演じることが大好きなんですよ。
宇野:うん、大好きですね。
丘山:本当にすてき。それは絶対大事にしてね。
宇野:はるちゃんのマイブームは何ですか?
丘山:そんなすてきな話の後に、いいの?
宇野:僕ははるちゃんのプライベートな話、聞きたい。
丘山:マイブーム、本当にあるんですけど……教えたくないくらいすごくマイブームなのが、お箸です。
一同:お箸!
丘山:先端が触ったら痛いくらい、極端に細いお箸を買ったんですよ。これが意外と高いの。すごく高いし、すっごく細い。もう、針くらいの細さ!
宇野:えぇ!?
丘山:でもそれで食べるご飯は、びっくりするぐらいおいしい。なぜか、って聞いてください。
一同:なぜですか?
丘山:口に入れるでしょ? お箸って、先端がこう(太く、丸く)なってるのよ。これが唇だとすると、このトーンってなった時に、食感が全て一瞬失われるの。(ジェスチャーを交えつつ)
――箸が口元を離れる時に、歯や唇に箸の先端が当たって、触覚がその硬い感触を優先して拾ってしまう、ということでしょうか。
宇野:なるほどね!
丘山:それが、箸が細いと……食べます、「あれ?知らないうちにご飯が口の中にある」。だから口に集中できるんですよ。
宇野:あ、面白い!
――箸が細いと、先がすっと抜けていくから、気がそがれずにご飯を味わえるんですね。
丘山:だから、白米を細い箸で食べるとめちゃくちゃうまい。知らないうちに口の中に添えられちゃうんだもん。
宇野:米粒の形もちゃんとしたまま食べられそうですよね。割り箸とかだと潰れちゃうけど。
丘山:そうそう、めちゃくちゃいい。何と言っても「口に運んだ後を考えたことが、みなさんこれまでにありますか?」っていうところですね。
――初めて考えました(笑)。
宇野:ちょっと僕も細い箸、探してみます。
丘山:意外とするけど、頑張って買って。で、硬くていい木じゃないと先っぽが折れちゃうから。鉄じゃダメ。お箸でこんなにちがうんだってびっくりすると思う。
宇野:そんなに!? 楽しみだな。普通に売ってるんですか?
丘山:売ってる、売ってる。お箸屋さんに。
宇野:自分もこういう話欲しいんだよなぁ、本当に(笑)。いつも面白みのない話をしちゃう。
丘山:いやいや、そんなことないよ!