植田圭輔×佐々木喜英インタビュー舞台『文豪ストレイドッグス STORM BRINGER』「作品やキャラクターの良さを伝えたい気持ちは変わらない」(後編)

2022.06.23

INTERVIEW

――コロナ禍を経て、演劇を含むエンタメにおいて変わったと思うことはありますでしょうか。

佐々木：舞台以外にライブなどの音楽活動を毎年やっていたので、歓声がないのは寂しかったです。早く声を出せるようになってほしいなとも思います。ただ、より大きな拍手でのリアクションや応援グッズなどで応援してくれていて、コロナ禍前以上に温かみを感じてもいます。早くもとの世界に戻れるといいですね。

植田：変わったことはチケット代が高くなったことと、どうしても遠方から来づらくなってしまったことです。家庭の事情や周りの目を気にして”行かない”という判断をせざるを得なくなっているという方はたくさんいますし。もともとは自分に好きな気持ちがあって、お金を払って、娯楽を楽しんでいたはずなのに。もっとパーソナルな問題に食い込んで、判断をしないといけない。舞台を観にいくということは、普段から少し腰が重かったものが、さらに腰が重くなってしまったのかなという印象はあります。

――逆に、少しずつ有観客での開催に戻ってきた今、コロナ禍前と変わらないと思う部分はありますでしょうか。

植田：作り手としては、表現には妥協しないということですね。お客様としては、より熱量が増して、作品やキャラクター・役者に対する想いはいい意味で変わらずに、より濃い空間を作れていると思います。

――それでは最後に、本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

植田：僕らはいろんなところで取り上げていただいて、作品や自身のPＲの機会が増えたと感じています。もっと多くの方に舞台を観てもらいたいという気持ちが強いので、もしよかったら、少し一歩踏み出して行動範囲を広げて、劇場に足を運んでくれたら嬉しいです。あと、最近の舞台配信の技術はすごいです。よかったら、それぞれの場所で配信という形でも楽しんでいただけたらと思います。

佐々木：今回の作品においては、動いているキャラクターの映像がなかったり、声優さんがいなかったりで、あまり2.5次元っぽくないと思っています。ゼロから作っているので、普段と違うお芝居の領域までいけたらいいなと。そして、イメージに縛られない自由な演技方法で、新しいものをみなさんに見せられたらいいなと思っています。配信もあると思うので、観ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。