中村守里インタビュー「新しいタイプの役柄に挑戦している自分を見てほしい」

2020.08.17

INTERVIEW

――具体的には、どんなところを意識して稽古に励んでいますか？

今は腹式呼吸を頑張っています。もともと“強く声を張る”のが苦手で、今回ご一緒する演出家さんからも指摘を受けたんです。それから、ミュージカル経験のある共演者さんに、声の出し方を教えてもらって徐々にお腹から出るようになってきました。

プライベートでも声が大きくなってるみたいです。この前、お母さんと外で歩きながらしゃべっていたら、「すごい響いてるよ？大きい声出さないで」って言われて（笑）。電車の中でも、1人だけ大きな声出しちゃったりとかして。稽古の感覚が残って、耳がおかしくなっちゃったんでしょうね。

――日常でも引きずっていると（笑）。そのほか稽古中のエピソードがあれば教えてください。

稽古中にクーラーのききすぎで寒かった時があったんです。それで私が電源を切ったら、5分後にまた寒くなって。「あれ？また電源ついてる」と思って切ったら、また10分後ぐらいに寒くなる。パッて見たら近くに演出家の方がいて、お互い知らずに闘ってたんだと気づいて（笑）。

寒暖の差でエアコンの周りにミストみたいなモヤモヤが出てるし、「まぁいいっか」と思って最終的には私が折れました。

自粛期間中、ホスト界の帝王・ローランドにハマった

――リモコン合戦に負けてしまったんですね（笑）。中村さんは『ラストアイドル』のセカンドユニット「Love Cocchi（ラブコッチ）」のメンバーでもあります。アイドルの活動は、女優業にも活きていると感じますか？

もともと自分の気持ちを出すのが苦手だったから、『ラストアイドル』のおかげで表現できるようになったのはあります。

以前、音楽プロデューサーのつんく♂さんのアドバイスを受けて、1人で路上ライブをやったことがあるんです。最初は、「これからやるので見てください」って街中の人に声をかけること自体に気後れしていたんですけど、やり終えてから人に届けることの大切さを学びました。

気持ちを込めれば届くんだなって実感したし、なによりも度胸がついたというか。演技も伝えることが重要なので、そこは活きてるんじゃないかなと思います。

――『アルプススタンドのはしの方』『LOCK DOWN』と、どちらも「閉じたイメージ」を持つタイトルですが、緊急事態宣言が解除されるまでの自粛期間中にハマったものがあれば伺えますか？

自粛期間中は、料理と読書にハマりました。料理はぜんぜんできなかったんですけど、ずっとやってたら「これ1人暮らしできるんじゃない？」ぐらいに上達して。「この料理ってこの具材が入ってるんだ」っていうのもわかったし、苦手意識もなくなりましたね。家族にも「センスある」って言われたので、ちょっと自信持ってます。得意料理は、親子丼とみそ汁です！

読書については、ホストで実業家のローランドさんの本「俺か、俺以外か。ローランドという生き方」がすごく面白くて。印象に残った名言は、「反骨心が俺の恩人であり相棒さ」。ローランドさんが大人になって苦しんでいた時期、学生時代にやっていたサッカーの反骨心が助けになったってところからきてるみたいです。

私も小学生の時に新体操を頑張っていたので、けっこうメンタルは強いほうだと思うんですよ。だから、私も反骨心を大事にしていこうと。自粛期間中は考えることも多くなってマイナス思考になりがちだったんですけど、ローランドさんに助けられましたね。

取材・文：鈴木旭
Photo：比留川義一

プロフィール

中村守里(なかむらしゅり)
2003年6月14日生まれ、東京都出身。
ミスセブンティーン2018ファイナリスト。テレビ朝日『ラストアイドル』から誕生したラストアイドルファミリーの最後の派生ユニット『Love Cocchi』（ラブコッチ）のメンバーとして2017年12月20日にデビュー。
映画『書くが、まま』主演松木ひなの役、映画『アルプススタンドのはしの方』宮下恵役などに出演。
8月22日より舞台『LOCK DOWN』への出演を控える。