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吉本実憂×木戸大聖インタビュー 音楽朗読劇『星の王子さま Le Petit Prince~きみとぼく~』「僕らの年齢だからこそ出せるメッセージ性を出したい」(後編)

INTERVIEW

2023年 1月26日(木)より、南青山・BAROOMにて音楽朗読劇『星の王子さま Le Petit Prince~きみとぼく~』が上演されます。

演出はラジオドラマを多数手がけている小見山佳典さん。朗読×音楽の力を最大限に生かし、シンプルな演出と耳馴染みのある音楽で、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる永遠の名作『星の王子さま』を日替わりキャスト2名が表現します。円形劇場ならではの臨場感、非日常を感じる空間は同作の世界観にもぴったりです。

THEATER GIRLでは、1月28日(土)に出演する吉本実憂さん、木戸大聖さんにインタビュー。後編では、会場の様子やお互いの印象などについて語っていただきました。ストーリーにちなみ、お二人にとっての「目には見えない大切なもの」についてもうかがったのでお楽しみに。

インタビュー前編はこちら

客席との距離が「近いからこそ、嘘がバレちゃう」

――今回の撮影と取材は実際の公演会場『BAROOM』で行っていますが、会場の印象はいかがですか? 重厚感がある雰囲気の中で、お客さまともかなり近い距離になるかと思いますが。

木戸:普通の舞台だったらこんな近さはないですよね。

吉本:しかも円形というのも新鮮だね。

木戸:ほぼ360度、いろんな角度から見られちゃうね。でも今回こうやって初めて会場を見させていただいて、距離が近いからといって簡単に伝わるということでもなさそうだな、と感じました。

吉本:近いからこそ、嘘がバレちゃうというかね。

木戸:そうだね。

吉本:絶対、嘘つかない。(決心したように)

木戸:(笑)。芝居していく中でちょっと素の表情になっちゃうとき、遠かったら気づかれない部分もあると思うのですが、ここだとバレますからね。

吉本:この近さは、やっぱり緊張しそう……。木戸くんは緊張するタイプ?

木戸:いや……(少し考えて)、すると思う。最近お仕事であまり緊張しなくなってきたのですが、この前あるイベントに出演したときお客さまとの距離が結構近くて。そのときは、久しぶりに緊張しました。だから今回もまたその気持ちを味わうのかな。

吉本:私は朗読劇自体が初めてで、しかも今回は音楽朗読劇ということで歌もある……。かなり緊張しそうだなあ。

木戸:でも今日実憂ちゃんと会って共演できるということで、楽しさのほうが勝っている感じはありますね。

吉本:そうだね。公演は1日のみで2回だけだから、楽しまないと損だなと思いました。

「一つのことに熱意を持ってガーッと集中できる部分は、僕も同じタイプ」

――今日お話ししてみて、お互いの印象はいかがでしたか?

吉本:木戸くんは純粋そうな方だと思いました。何というか、今から言うことはもちろん悪い意味じゃないのですが……。

木戸:あ、何でも言えちゃうその「枕詞」ね(笑)。

吉本:(笑)。写真で見たとき、若々しいお顔だなと思ったので、同い年だと思わなかったんですよ。年下なのかな、って。だから、性格もきっと若々しいんだろうと思っていました。でも今日実際に会ってお話ししてみて、勝手ながら空気感が合うなと思って。真面目なお話も一緒にできそうな気がしたので、印象が変わりました。

木戸:嬉しいです。もともと、僕の事務所の先輩の福山翔大くんと共通の知り合いということは知っていたので、二人が番組の中で話している様子を見て、お会いする前から性格が合うかもと思っていました。翔大くんは熱くてまっすぐな方で、僕も翔大くんとご飯に行くと真剣に芝居の話をしたりするのですが、それと同じような雰囲気で話されていたので、今日実際に話してみて「やっぱその通りだ」と思いました。

一つのことに熱意を持ってガーッと集中できる部分は、多分僕も同じタイプ。どちらかというと飛行士はみんなが持つ疑問を抱えていると思いますが、王子さまは独特な感性を持っているので、実際の実憂ちゃんのキャラクターとリンクしそうで楽しみだな、と。

今回の台本でも王子さまが納得できずに「そうじゃない!」となるシーンがあるのですが、飛行士役の僕が戸惑って「え、こういうこと? こっちじゃないの?」となるところに対して「いや、違う違う!」みたいな。実憂ちゃんだからできる王子さまの表現があるんじゃないかなと、勝手ながらワクワクしてます。

吉本:そんなそんな(嬉しそうに)! 勝手だなぁ(笑)。いやー、頑張らなきゃ。

木戸:勝手にハードル上げちゃった(笑)。2人しか出演者がいないしね。

吉本:そうだね。何より2人のバランスが大事だと思うので、それが合いそうな感じがしてとても安心しました。

「好き」を原動力に正直に生きることで、自分に負担がなくなった

――作品のストーリーにちなんだ質問をさせてください。物語の中で、王子さまはキツネから「本当に大切なものは目に見えないよ」と教わりますが、お二人にとって「目には見えない大切なもの」は何か教えていただけますか?

木戸:目には見えない大切なものか……。やっぱり人間が関わってくるところ、関係性のようなものにはなってくると思いますよね。信頼とか。

僕がお芝居をする上でも、信頼ってすごく大切な部分だなと思っていて。形として目には見えないし、言葉で「信頼してるよ」と言われても、逆に信頼できなかったりする。生きていく中で、役者としても一人の人間としても、自分が本当に信頼している人がいるかどうかというのは大切なことだと思いますね。その分、やっぱり助けてもらえたり、悩みを吐けたりもするので。

吉本:なんだか聞き入っちゃった。

木戸:恥ずかしいね……(笑)。

吉本:難しい。目には見えない大切なもの……何だろう。

木戸:考えてみると、いっぱいあるしね。

吉本:そうですね。私は「好きさ」かな、と思いました。自分に正直な性格というのもあって、小さいときから好きなことはできるけれど、好きじゃないことは全くできない。身体も気持ちも動かないんです。

でもこのお仕事をしてきて、ちょっとずつ隠すことが上手くなってしまった時期があって。そのとき自分では「隠すことも大切なことだ」と思ってはいたんですけれど、そうするにつれて毎日が辛くなってしまったことがありました。それからはやっぱり正直に生きたいなと思ったんです。自分がきちんと熱を持ってできる仕事をさせていただくようになってからは、毎日が楽しく明るく前向きになれたので、自分にとって「どれくらい好きか」というのは原動力として関わってきますね。

――前編のお話でもあった、直感の部分と通ずる部分がありそうですね。

吉本:そうですね。もう最近は一番に浮かんだものを選ぶようにしています。

――それはどのタイミングで意識されたのですか?

吉本:15歳からこのお仕事をやっていてずっと髪を伸ばしていたのですが、自分の性格的に「ロングヘアじゃない気が」とずっと思っていて。皆さんから「似合ってるよ」と言っていただきましたが、自分では実はしっくり来ていなかったんです。けれど、心のどこかでロングヘアー=クールというイメージがあったので「大人っぽくならなきゃいけない」と思って過ごしていました。

それが20歳のとき、作品のためにバッサリと髪を30センチ切ってから、やっぱり自然体が一番いいんだなと気づきました。自分にも負担がないし、素の自分でいられる。今に繋がっているのは、そのときくらいからですね。

『星の王子さま』を通して、僕らの年齢だからこそ出せるメッセージ性を

――最後に、本作の意気込みをお願いいたします。

吉本:今日でチームワークはかなりできたと思うので、もう変な技術は使わずまっすぐに伝えられたらいいな、と。観た方にとって、世界にある一つ一つの生命への思い、大切な人への思いが、少しでも良い方向に向かっていける作品にできればと思っています。

木戸:僕も先ほど言った「信頼」という部分では、不安な気持ちが全くないです。時間を共有するにつれて、二人で演じられるワクワクがどんどん大きくなっています。今回のキャストの中では若いペアになりますが、そうはいっても僕らももう26歳。一般社会では、部下を持っている人たちも多い年齢です。しっかり僕らの年齢だからこそ出せるメッセージ性を、この『星の王子さま』を通して表現していければと思っています。

「先入観で大事だと感じるものだけでなく、目には見えないものも本当は大切だよね」なんてことを、僕らの公演を観たあと会話しながら帰っていただけるような公演にできたらいいですね。

取材・文:矢内あや
撮影:MANAMI

インタビュー前編はこちら

公演概要

音楽朗読劇「星の王子さま Le Petit Prince ~きみとぼく~」

スケジュール:
2023年1月26日(木)~1月29日(日)
2023年2月2日(木)~2月5日(日)
※各日14:00開演/19:00開演の2公演。
※開場時間は開演45分前。

キャスト(王子 × 飛行士):
【1月26日(木)】小倉 久寛 × 水 夏希
【1月27日(金)】戸田 恵子 × 植木 豪
【1月28日(土)】吉本 実憂 × 木戸 大聖
【1月29日(日)】新谷 ゆづみ × 阿部 よしつぐ

【2月2日(木)】島田 歌穂 × 戸井 勝海
【2月3日(金)】佐久間 レイ ×上原 理生
【2月4日(土)】平野 綾 × 須藤 理彩
【2月5日(日)】彩乃 かなみ × 市毛 良枝

スタッフ:
演   出:小見山佳典
脚本・作詞:樋口ミユ
音楽・演奏:滝澤みのり
ヘアメイク:松元未絵
歌唱指導協力:堂ノ脇恭子

主  催:株式会社フェイス
製作協力:株式会社アミューズ
協  賛:森川健康堂株式会社

チケット
HALL TICKET 8,500円(全席指定)
※未就学児入場不可

会場:BAROOM
https://baroom.tokyo/

チケットは下記URLよりお買い求めください。

★カンフェティ
http://confetti-web.com/lepetitprince23/

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https://lepetitprince23.peatix.com

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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