市村正親インタビュー ミュージカル『生きる』 「公演1回1回の渡辺勘治を丁寧に、深いものにしたい」

――ミュージカル『生きる』のタイトルにかけて、市村さんの生活の中で一番「イキイキできる瞬間」はどんな時でしょうか。

やっぱり今は、子どもに関することが一番イキイキするかな。最近でいうと、下の子が“あまり算”をやってるんですよ。たとえば「15÷4＝3 余り3」とかね。そういう問題がしっかり解けているのを見ると、「おー、わかってるじゃん！ いいね、いいね」って（笑）。お兄ちゃんならタップが上達しているのを見ると、やっぱり親としてはうれしいですからね。

――子どもの成長は、親のよろこびでもありますからね。今年の『ホリプロタレントスカウトキャラバン』は、「舞台・ミュージカル・映像で輝く次世代のスターを男女ともに発掘するオーディション」として内容が一新されました。市村さんはそのスペシャルアンバサダーを務められますが、次世代を担う若者に期待していることなどあれば伺えますか？

僕は役者という職業を選んで本当によかったと思ってるんです。だけど、最初の入口は自分で切り開かなきゃならない。僕だって劇団四季の『イエス・キリスト＝スーパースター』のオーディションを24歳で受けて、群衆とへロデという役をつかみましたから。ただ、この舞台に出て、人様の前で役を生きることの楽しさを実感したんですよね。

これからミュージカル俳優になりたいと思っている子たちが、僕と同じような気持ちでこの世界に入ってきてくれたらいいなと期待しています。文句を言わず、とにかく前向きに地道に、訓練・稽古・勉強をして、なにより人間に興味を持ってよく観察してほしい。そうすると、初めて出会った役柄やセリフが愛おしくなる。役者は、そこからスタートするんです。

いい役と出会うことで自分を磨いていってほしいし、自分を磨くことでいい役と出会ってほしい。着実に前進しながら、いい俳優人生を次世代の人たちにも送ってほしいと思っています。その中で、観客によろこびと幸せを撒き散らしてほしいですね。

取材・文：鈴木旭
Photo：比留川義一

公演概要

ミュージカル『生きる』

作曲・編曲：ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞：高橋知伽江　
演出：宮本亞門

［出演］
市村正親・鹿賀丈史（ダブルキャスト）
村井良大
新納慎也・小西遼生（ダブルキャスト）
May’n ・唯月ふうか（ダブルキャスト）
山西 惇
ほか

【東京公演】
日程：2020年10月9日（金）～2020年10月28日（水）
会場：日生劇場

【富山公演】
日程：2020年11月2日(月)～2020年11月3日（火・祝）
会場：オーバードホール

【兵庫公演】
日程：2020年11月13日(金)～2020年11月14日(土)　
会場：兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール

【福岡公演】
日程：2020年11月21日(土)～2020年11月22日(日)　
会場：久留米シティプラザ ザ・グランドホール

【名古屋公演】
日程：2020年11月28日(土)～2020年11月30日(月)
会場：御園座

公式サイト
http://www.ikiru-musical.com/

第44回ホリプロタレントスカウトキャラバン　エントリー受付中

今年のテーマは「ミュージカル次世代スターオーディション」
詳しくはホリプロホームページへ
www.horipro.co.jp/tsc2020/
エントリー期間：2020年9月1日（火）10時00分～9月30日（水）23時59分