蒼木陣が感じた役者としての変化「数年前に比べると、自分がしたいことに向かう力は強くなった」【シアダンvol.15】(前編)
――中学1年のときからブレイクダンス、アクロバットをされているとのことですが、蒼木さんにとってダンスとはどんな存在ですか? やはり役者としてご自身の武器だと感じているのでしょうか。
そうですね。大きな武器の一つだと思っています。僕、じつはけっこう飽き性で、短期集中型というか。先日も、写真を撮るのが趣味なので、撮影した写真をTシャツにプリントしてオリジナルTシャツを作ったんですけど、2週間でTシャツを6着くらい作って、それっきりで終わりました(笑)。
これまでも好きなものに短期的にのめり込んで、刺激がなくなったら次に行くみたいなことが結構多くて。ダンスって、そんな飽き性な中で唯一続けて来られたものの一つなんですよね。現場に行っても「ここでアクロバットやって」と入れてもらうことも多いですし。やっぱり培ったものなので、どの現場でも通用する信頼できる武器だと思ってます。
――やっぱり、これからもいろいろな現場で活かしていきたいものなんですね。
活かしていきたいですね。ずっと動ける役者でいたいな。40歳になってもブレイクダンスしていたいです(笑)。
――今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、舞台業界も活動を停止し大きな影響を受けました。自粛期間を経て、舞台やお芝居への思いに変化はありましたか?
自粛中は、自粛前と比べると圧倒的に人と交わる機会がなくなったので寂しかったですけど。その分、自分と向き合う期間が長かったことは大きかったですね。モチベーションを保つのって結構難しいことだと思うんですよ。自粛前だったら、例えば、仲の良い友達や先輩とご飯に行って芝居の話や、その人の人生観みたいなものを聞いて自分のモチベーションを維持できていたんですけど。
自粛期間に入ってから、外でご飯を食べることができなくなってしまったので、なおさら「自分がやりたいことはなんだろう」と考えたり、役者だけに限らず、先ほどのTシャツの話もそうですけど、バンクシー展や美術館に行ってみたり、これまで踏み込めなかったジャンルに踏み込めたという意味では、自粛中もいい過ごし方ができたのかなと思います。