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「あなたの観劇はどこから?」舞台にハマったきっかけ、聞いてみました

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劇場へ足を運び、その日その時にだけ出会えるステージ上の輝きを目に焼き付ける――。観劇の楽しさに一度目覚めてしまうと「またナマの空気感を味わいたい」「この作品も観てみたい!」と、ついつい気になる作品が増えてしまいますよね。

そうして劇場通いを始めた観劇女子たちの、きっかけとなった作品って気になりませんか? 彼女たちに“初めてお芝居を観に行く”というハードルを乗り越えさせ、さらに「また観に来たい!」と思わせたのは、どんな物語だったのか。そこで、THEATER GIRLたちに「あなたの観劇はどこから?」というアンケートを実施。思い出のエピソードと共に語ってもらいました!

劇団四季オリジナルミュージカル『夢から醒めた夢』

高校1年生の夏、所属していた合唱部で文化祭にミュージカルを上演することになったので、同じ部活の友人と観劇に行きました。

最寄駅から徒歩5分の道のりをわくわくしながら向かうと、横断歩道越しに見えた劇場では、ピエロや足長おじさん、パペットを操る老紳士など、たくさんの出迎えが! このサーカス、実は本物の役者さんたちで、開演前に劇場前の広場でパフォーマンスをしていたんです。幕が上がる前からお芝居の世界に誘われ、素晴らしい歌声にも心を打たれて、すごく感動しました。

作品も生死を扱うテーマながら笑いあり涙ありの筋書きで、あっという間に過ぎてしまい、まるで夢のような時間。終幕後の余韻に浸りながら「人生最高の経験をした!」と感じたのを覚えています。

(30代・接客業)

NODA・ MAP『贋作 罪と罰』

2005年にあった公演を観に行きました。それより前に映像作品で野田秀樹さんの舞台を観たことがあって「いつか野田さんの作る世界観をナマで目にしたい」とずっと思っていたんです。

上演中は観客がみんな物語に引き込まれて、役者さんと同じタイミングで呼吸していたのが強く印象に残っています。箱の中で反響する音、声の余韻は、舞台でしか味わえないもので、この板の上に世界の全てがあるのだなと、その時感じました。

(30代・会社員)

ミュージカル『刀剣乱舞』~つはものどもがゆめのあと~

原作ゲームで好きなキャラクターが出演すると知って足を運びました。ゲームにはストーリーがないので、自分の推しキャラがどう描かれるのかが楽しみだったんです。それにコスプレが趣味なので、キャラの衣裳などをプロがどのように三次元で表現するのかも楽しみにしていたポイントだったんですが、動きやシルエットをきれいに見せる工夫のひとつひとつや「2次元にいるはずの存在が3次元にいる」という感覚に、感動のようなものを覚えました。

それに、使われている曲が書き下ろし曲で、第二部はライブというのも、歌も踊りもきれいだし新鮮でよかったです。キャストの役者さんのお芝居の進化や、役が馴染んでくる様子が分かると「この役者さんのいろんな物語がもっと観たい!」と思うようになりました。

(30代・専門職)

宝塚歌劇雪組公演 ミュージカル『ひかりふる路(みち) ~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~』

2017年12月の公演を宝塚ファンの友人に誘われて観に行きました。もともと芸術に触れることが好きだったので、エンターテインメントを楽しみたいという気持ちだったんです。

実際目にしてみると、キャスト全員が女性とは思えないくらいパワフルな舞台に圧倒されました。歌に込められる感情の情報量も多く、その場で生まれた感情やキャラクターの存在を肌で感じられることがとても衝撃的で。客席含めてひとつのカンパニーかのような一体感にも感動を覚えましたし、観劇後も舞台の映像がフラッシュバックして、また観に行きたいと思うようになりました。

(10代・学生)

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」(再演)

原作のコミックスが連載当時から大好きで、ちょうどこの舞台があった時期に別の舞台観劇にハマっていた友人が「『NARUTO』の舞台、再演があるけど行ってみる?」と誘ってくれたのがきっかけになりました。

臨場感あふれる役者さんたちのセリフや動き、表情を観るうちにどんどんストーリーに引き込まれましたね。それに、原作が好きだからこそ、物語が分かりやすくすっきりと纏められた構成に感動しましたし、役者さんたちの熱量がこちらにも強く伝わってきて胸が熱くなり、気付いたら涙していました。

観劇後は感動しすぎて言葉が出ず、「また絶対観に来たい」と強く思った記憶があります。

(30代・接客業)

NODA・ MAP「オイル」

大学時代に、友人がチケットを取ってくれて観に行きました。テンポのよいストーリー展開ながら社会派の深いテーマがそこかしこに覗いていて、上演中いろいろなことを考えていたように思います。観終わった後にもさまざまな余韻が残る舞台でした。

もともとはそこまで興味があったわけではなく、誘われるままについていったのに、劇場で耳にした藤原竜也さんの声があまりに色っぽくてメロメロになってしまって。あれも舞台ならではの臨場感のなせるわざだったんだなと思います。

(30代・専門職)

「ウエスト・サイド・ストーリー」

大学時代にアメリカ留学をしていたのですが、そのカリキュラムの一環としてブロードウェイで観劇しました。それまでにも舞台を観に行ったことはあったのですが、躍動感、演技力、ダンススキル全てにおいてあまりにハイレベルで、今まで観てきたものは何だったのかと思ってしまうくらいに感動しましたね。そういう意味で、私を演劇の魅力に改めて気付かせてくれた作品になったと思います。

演者さんの放つパワーがものすごく、3階席という一番遠い場所から観劇したにも関わらず、まるで1階席の最前列に座っているかのように錯覚するほどでした。気付くとかなり前のめりになって見入っていたのを覚えています。

(20代・会社員)

いかがでしたか。作品のジャンルも動機もさまざまでしたが、みなさんがステージから受け取った一期一会のきらめきが、今も心の中で輝いているのを感じさせられました。こうして思い入れの詰まったエピソードを聞かせてもらうと、もっといろいろなジャンル、これまで観たことのない劇団の舞台にも足を運んでみたくなりますね!

古原孝子

長野県出身。演劇や音楽、インテリアなどについてのインタビューや取材記事のほか、ライブレポートなども書いています。写真を撮ること、散歩、猫と犬が好き。Twit...

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