橋本さとしインタビュー 『キオスク』 「自分自身そこに携わる人間として“エンターテインメント”というものを信じている」
INTERVIEW
――役作りで今から準備されていることはありますか?
まずは、髪を伸ばしていこうかなと思っています。あんまり小綺麗な男ではないし、マメに散髪する人でもないだろうし。なので、内面が出る外見にしていきたいなと。でも、石丸さち子さんの演出やヘアメイクさんたちのプランにもよるので、柔軟に対応できるようどんな風にもできる状態にしておきたいですね。
役柄というのは、自分の“生き様”というフィルターを通して自然と生まれてくると思うので、あとは自分に委ねようと思っています。結局は、“自分”という引き出しの中にある、記憶や体験をチョイスしていくしか方法はないと思うんです。
今回は、演出が石丸さち子さんで、石丸さんの演出にどれだけ自分が寄り添っていけるか。そこで変に、「俺はこう思う」みたいな抵抗や抗うことはあまりしたくないんです。演出家が作るカラーが役者にとっては全てだと思うので、信頼してもらえるように頑張りたいと思います。
――石丸さち子さんの演出に期待されるのは、どんなことでしょうか?
女性の演出家は本当に繊細に創られますし、それと女性は嘘を見抜くのが上手いんですよ(笑)。役者が自分の感情にない動きを入れていると、すぐに見抜くんです。繊細かつ大胆なんですよね。だから、そういう意味では石丸さんの世界観の中にバーンとぶつかっていこうかなと。
嘘はつかずに、かつ飛び込むときは高いところからでも低いところからでもジャンプして臨んでいこうかなと思っています。そしたら、うまくディスカッションしていけるんじゃないかなって。僕を信じていただけるかどうかは、稽古が始まってみないとわからないですけどね(笑)。