• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 平野良インタビュー 『忠臣蔵 討入・る祭』 「観ている人に生きていることを実感してもらう、それが俳優のやりどころ」

平野良インタビュー 『忠臣蔵 討入・る祭』 「観ている人に生きていることを実感してもらう、それが俳優のやりどころ」

INTERVIEW

12月28日より明治座にて、チャオ!明治座祭10周年記念特別公演『忠臣蔵 討入・る祭』が上演されます。2011年より始まった、る・ひまわり×明治座による年末恒例の“祭”シリーズも今年で10周年。お芝居とショーの二部構成でのステージとなっており、第一部のお芝居では毎回、歴史上の有名な人物や物語を主題に「もし、あの時こんなことがあったら……」という歴史上の「もしも」を織り込んだストーリーが上演されています。

今作の演目は、年末の風物詩とも言われた「忠臣蔵」。討入り浪士の中で唯一生き残ったとされる寺坂吉右衛門と、赤穂浪士のリーダー・大石内蔵助を主人公に「背負う男たちの物語」が描かれます。また第二部のショーはシリーズ初の公開オーディション(!?)となっており、ゲスト審査員に選ばれたメンバーのみがラストを飾ることができる、日替わりエンディング形式とのこと。

今回取材に伺ったのは、同作に寺坂吉右衛門役で出演される「平野 良(ひらの・りょう)」さん。ミュージカル『憂国のモリアーティ』や舞台『文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌』など、数々の作品で主演を務めてきた彼に、今作への意気込みや、自粛期間を経ての思いを語っていただきました。第二部用だというカラフルな衣裳も必見です。

感じたプレッシャー「ご縁が背中を押してくれた」

――昨年末の『明治座の変~麒麟にの・る~』に引き続いての“祭”シリーズでの主演となりますが、出演が決まった時の気持ちはいかがでしたか?

まずは、この年末の公演をやるのかどうかというスタートから、やると決まって、さらにまた呼んでいただけた……嬉しさと同時に責任も感じましたね。10周年記念公演ですし、2年連続での主演も初めてだそうで。さらに、いろいろあったこの2020年の締めくくりとして立たせていただくので、そのプレッシャーはやはりありました。

でも、W座長としていっしょに戦ってくれる小林且弥さん(大石内蔵助役)とは、今年一発目の舞台(『ウエアハウス-double-』)でも二人芝居をさせてもらっていたり、そもそもの出会いも、この“祭”シリーズの元となった「戦国鍋TV」のドラマパートだったんですよね。そういったご縁が、背中を押してくれた気がします。

――お相手として心強いですよね。では平野さんは、今回の公演をやるかどうかという時点から、お話を伺われていたんでしょうか?

そうですね。僕自身も「どうするんだろう」と思ってましたし。今年の3月あたりから、急激にこういった(コロナ禍の)状況になってしまって、年末に限らず今年全部が「どうなるのかな?」という不安がありました。

それでも6月、7月あたりから、また少しずつ演劇が息を吹き返してきて。さまざまなことがありながらも、前を向いて一歩ずつやっていけているこの現状を喜ばしく思いつつ、きっと今が重要な時期なんだろうと感じています。ここで気を抜いたり、油断したりしてしまうと、演劇の今後に対する信頼が担保されなくなっちゃう気がして。だから、やるからにはいろいろなことに目を配りながらやらなきゃいけないなとは思っていますね。

次のページ:シリーズ2度目の「忠臣蔵」という巡り合わせ

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧