新木宏典主演、舞台『モノノ怪~座敷童子~』東京公演が開幕!「目がいくつあっても足りない! 舞台ならではの“生”の魅力をぜひお楽しみください」
舞台『モノノ怪~座敷童子~』が2024年3月21日(木)に東京・IMM THEATERにて開幕した。
原作アニメ『モノノ怪』は、2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送され、「ノイタミナ」15周年企画のファン投票で数十作品の中で上位となった人気作品。
その舞台化第2弾となる本作は、2007年に放送されたアニメ「モノノ怪」の一幕目となるエピソードの舞台化で、アニメでは描かれなかったオリジナル内容が追加され、重要キャラクター達の過去が描かれるなど、原作ファンも楽しめる内容となっている。
ゲネプロ前に行われた会見には、薬売り役の新木宏典、志乃役の岡田夢以、徳次役の西銘駿、少年徳次役の大平峻也と演出・映像のヨリコジュン氏、アニメ監督の中村健治氏が登壇。
本作の見どころや稽古場でのエピソード、初日に向けての意気込みを語った。
会見の冒頭、今作への意気込みを聞かれ、
新木「今回は旅公演ということで、前回(2023年上演・第1弾舞台「モノノ怪~化猫~」)はまだ東京公演のみの公演だったんですけど、今回は大阪にも行けるということで、よりたくさんの人に舞台『モノノ怪~座敷童子』を見せられるように精一杯務めてまいります」
岡田「第二弾という事で、いろんなドキドキがあるのですが、『モノノ怪』の世界観と志乃さんのキャラクターと役割を大事に、全19公演を駆け抜けていけたらいいなと思っております」
西銘「『モノノ怪』の世界観をじっくり味わってもらえるよう、頑張っていきたいなと思っております!」
大平「今回は少年徳治っていう役なのですが、そもそも徳治という役が原作ではそこまで深く描かれていないんですけど、その抽象的なところを少しだけ具体的に描いていただいたので、宿側の人物がどういった人物なのかっていうところも楽しんでいただけたらと思います。しっかりと役を全うしていきたいと思います。よろしくお願いします」
と、それぞれコメント。
今作の見どころについて演出のヨリコが「中田監督がこの物語が60分以上あったら何を描いたんだろうと思いながら、登場人物の過去などを僕は見たいなという感覚で今作を作らせていただきました。その辺も楽しんでいただけたらありがたいなと思います」と語ると、中村監督は「アニメーションでは描けなかったことがたくさんあったんです。アニメを観た方だと分かるかもしれないんですが、“子供たち”の描写が1人ひとり深掘りされていて、情報もすごく増えているので、そういうところも見ていただけると僕もうれしいです」と言葉を続ける。
「第一弾の『~化け猫~』からパワーアップした点は?」との質問に「チームワークでしょうか」と新木。
「というのも、2.5次元と呼ばれる作品はキャストの変更がすごく多い。それは役に合ったイメージに沿って1人1役演じていくことが大前提にあるので、出演するキャラクターが変わればキャストも変わっていくということがよくあることなんですが、今回は前回とは違う役で出てくれたメンバーがいて、さらに今回初で参加してくれるキャストも入るっていう人数的なパワーアップもあります。今回のスタートを切るときに一定数のメンバーが前回から変わってないので、そこでの団結力があります。今回から参加するキャストを引っ張っていけるような空気感を自然に作れたというのがシリーズ2作品目を作るにあたってプラスに働いている部分なんじゃないかなと個人的に思っています」と語った。
岡田は「個人的には第1弾より客席を使った演出が増えているなという印象です。私たち演者はもちろん、観てくださる皆さんのところにキャラクターが行くとより作品への没入感が高まるなと思いますし、さらに作品に入っていっていただけるんじゃないかと思います。よりお客様との距離が近くなっているのが見どころです」とコメント。
大平も「(前作より)全部がパワーアップしています。美術的なこともそうですし、新たなキャストが入ってくれたのもそうですし、本当にいろいろパワーアップしています! 稽古場で最後のシーンを見ていると何回観ても心が打たれるんですよ。それぐらい役者が真摯に向き合っていますし、演じていてめちゃめちゃ心が動かされるので、観てくださる皆さんにも劇中のような体験はしたことがなくても“何か”持って帰ってもらえるものがあるんじゃないかと思います。何より、前回東京だけだったのが今回は大阪にも行けるって、すごいんですよ! 本当にパワーアップしていないとできないことなので、今回は初日が明けてからも楽しみです」と、ひときわ大きな声でアピール。
今回『モノノ怪』カンパニー初参加で、白又敦とWキャストで徳次役を演じる西銘は、徳次の見どころを聞かれ「徳次は原作のアニメにものすごく出てくるキャラクターではないので、僕が思う徳次っていうものを全力で演じたいと思っています」と意気込む。
役作りについて「僕、普段は“おバカ”なんですけど……」と語り始めたところに新木が「自覚あるんだ(笑)」とツッコミを入れ取材陣の笑いを誘うと「はい! 自分、おバカだなと思う瞬間がたくさんあるので、そこをうまくトレースしてより徳治を面白く、そして見てくださる人たちから愛される徳次に仕上がっていると思います!」と、徳治役への自信を覗かせた。
舞台第2弾の制作が決定したときの感想を問われた演出のヨリコは「まず、新木さんと会って「シリーズの第2弾って難しいよね」と話しながら、演出方法も新木さんの薬売りの居方も……細かい計算じゃないですけど、『座敷童子』っていう作品にあった見せ方=「じゃあ、第2弾はこういう風に見せていこう」みたいな話はしっかりして稽古場に入りました。そうしたら中村監督が稽古3日目ぐらいに来て「いや、3日目で来たよ!」と思ったんですけど(苦笑)。でも監督が優しいなと思ったのが、「いや、俺はこれがやりたかったんだよ」みたいなことをボソっとおっしゃったんです。それを僕は聞き逃さなかったんですけど、うれしかったですね。新木さんとも「これで合っているのかもね」と話して、今作に自信が持てました」と振り返った。
このコメントを受けて中村監督は「第1弾を見て、これがここ(第一弾)で終わるのはもったいなさすぎと感じたし、それで第2弾をやる……しかも基本的にキャストの皆さんが続投でやっていただけるという話をセットで聞いたので、それはすごく良いことだなぁという感じで、納得と同時にうれしかったというのがありました。稽古場に行かせていただいた時の感想は、もともと舞台を見てアニメの演出をちょっと勉強していた時期に作った作品が『モノノ怪』なので、前作の『~化け猫~』の時にも同じことを言ったんですけど、“(舞台から)いただいたもの”が戻っていくみたいな……。“先祖がえり”というか、元々の形に戻っていく感じがしましたね。あと稽古3日目に行ったのにもかかわらず、めちゃくちゃ完成度が高くてビックリしました! 明らかにテンポ感も速くなっていて迷いも減っいてる気がしました。見ていて稽古なのに本番の芝居を観ているような感じがあってウキウキと観れたので「コレは絶対面白くなる!」とテンションの上がった感想を口走ってしまいました(笑)」と期待を寄せる。
続いて取材陣からの「稽古場での何か印象的な出来事はありましたか?」という質問に、新木が「徳治役が今回Wキャストということで、もう一人が初演にも出ていた白又 敦なんですけど、西銘くんが稽古をしている時に前回出演していた子(=白又)が全体を見て感想を言ってくれるっていうのは、Wキャストだからこそ出来る部分なのかなって稽古をしていても感じましたし……。西銘くんが今回初参戦という事で、現場での居方とか探るのかなと思っていたら、まぁ敦とすごく仲がいいっていうのもあるんでしょうけど、話し込んで二人で役を作っていってる。初演に出ていた子(=白又)と初参戦の子(=西銘)が仲良く高め合っている姿をカンパニーのみんなが見ることによって、今回初参戦の他のキャストの皆さんも迷いなく、前回を経験したキャストが初参加のキャストをうまく導けるようにアドバイスや気遣いをしている場面がすごく多かったんですね。引っ張れるところは引っ張って、続投メンバーは経験者としての責任を持って稽古場に来てくれていたのがすごくプラスに働いている感じがしました」と稽古場での様子を語ると、西銘も「僕自身、そもそもWキャストが初めてだったので緊張や不安もあったんですけど、本当に皆さんが優しくて。敦くんと徳治というキャラをどう見せていくか、毎日一緒に歩いて帰りながら台本をすり合わせたりとかして、すごく切磋琢磨できたなと思います。前回経験された皆さんも、僕がお芝居をしている時にすごく笑ってくださったり反応をしてくださったので、稽古の中盤ぐらいからはもうどんどんチャレンジしていこうという気持ちになれたので、本当にありがたかったなと思います」と振り返った。
また、「アニメ版とは違う、ここが演劇ならではの見どころだと思う点を教えてください」との質問には、
「アニメーションだと“カット割り”があるので、フューチャーしたいキャラクターを絞って、さらに表情や心境であったりが汲み取りやすいようにアップになっていたりするんですけど、舞台の場合はそれが効かないので、その空間にいる全てのキャストが心を繋いで、全ての出来事に対して反応している姿というのはアニメーションでは絶対に見られない部分だと思います。なので、薬売りがどう感じているかも常に感じられるような演出になっていますし、薬売りが何かを話している時にリアクションを取っているキャラクター以外の、その言葉を聞いている他のキャラクターたちのリアクションを見ることができるのは舞台ならではだと思います。目がいくつあっても足りなくなるような部分が演劇を何度も見たいと思ってもらえるお客様が生まれる要因なのかなと思いますし、演劇の魅力の一つになるんじゃないかなと思いますね」と考察。
岡田も「やっぱり舞台は客席によって見る風景も距離感も違いますし、『モノノ怪』は演出で客席を使うので、会場全体が作品のフィールドというのがやっぱり舞台の強みかなと思います。あと各公演の“生”だからこそ起きる言葉のキャッチボールが、0.何コンマとか違う日があったりもするので、その日の“ヒリヒリ感”といいますか(笑)。アニメーションだと仕上げられたものが放映されますが、生の舞台だからこそ感じられるキャスト・スタッフの皆さんの、いい意味での緊張感を一緒に感じていただけるのが舞台の強みかなと思います」と笑顔を見せていた。
舞台『モノノ怪~座敷童子~』東京公演は3月24日(日)までIMM THEATERで上演。その後、大阪公演が3月29日(金)から3月31日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、東京凱旋公演が4月4日(木)から4月7日(日)までIMM THEATERで上演される。
舞台写真
文・撮影:近藤明子
公演概要
舞台『モノノ怪~座敷童子~』
【東京公演】2024年3月21日(木)~3月24日(日)/IMM THEATER
【大阪公演】2024年3月29日(金)~3月31日(日)/COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
【東京凱旋公演】2024年4月4日(木)~4月7日(日)/IMM THEATER
【原作】モノノ怪「座敷童子」
【脚本】高橋 郁子
【演出・映像】ヨリコ ジュン
【出演】
薬売り役:新木宏典
志乃:岡田夢以
徳次:西銘 駿/白又 敦 ※Wキャスト
少年徳次:大平峻也
久代:新原ミナミ
フク:加藤里保菜
ボボ:中村哲人
ステ:田上真里奈
トメ吉:西 洋亮
イチ/直助:高山孟久
若き久代:井筒しま
ヤス:波多野⽐奈
フジ:藤原ひとみ
モト:⻑島 静莉奈
【公式サイト】
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