笹本玲奈インタビュー ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』 「舞台に立つ原動力は“新しい自分を見つけられる期待感”」
5月17日(月)より東京公演を皮切りに、ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』~あの頃の僕たち~が上演されます。
本作は、大女優マリア・フリードマンが、2014年に初演出として手がけ、ローレンス・オリビエ賞リバイバル作品賞をはじめ数々の賞を受賞した話題作。さらに、現代ミュージカル界の巨星・スティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲を手掛けています。かつて”親友だった”メインキャストの3人を、全員が同い年の平方元基さん、ウエンツ瑛士さん、笹本玲奈さんが演じます。
今回お話をうかがったのは、本作でメアリーを演じる「笹本玲奈(ささもと・れな)」さん。出演が決まった時の心境や今作の楽曲について、笹本さんが歌う際に心掛けていることなど、たっぷりとお話をうかがいました。
先の出来事を知っているからこそ、切なくなる
――今作の出演が決まった時の気持ちはいかがでしたか?
まず、キャストがすごく面白そうだなという印象でした。平方(元基)さんもウエンツ(瑛士)さんも共演したことはないのですが、平方さんは同じ事務所で、お互いの出演作を観る機会もありましたし、今回初共演できることがすごく嬉しいです。ウエンツさんは、留学もされていたので、演劇について最新のウエストエンドの状況なども知っている方だと思うので、いろいろとお話を聞きたいなと思います。
――今回、3人とも同い年ということで、役柄とリンクするような部分もありますね。
そうですね。とてもやりやすいと思います。
――今作は、人生を『逆再生』で描くミュージカルとなっていますが、台本を読んだ印象はいかがでしょうか?
2013年に上演されていた宮本亞門さんの演出版も拝見したのですが、最初は年齢がわからなくて、シーンごとに年代が変わっているのに、しばらく気づかなかったんです。台本を読んでいても、どうやって年齢を示していけばいいか、とても難しい作品だと感じたのですが、読んでいるうちに登場人物の発言が、どんどん若くてエネルギッシュになっている感じがしたんですよね。それが、より今を切なくさせているなと感じました。
難しいやり方ではあるのですが、お客様に「あなたはどういう風に考えますか?」と今の状況を提示するには、逆再生の方が、より切なさや人生の分岐点での考え方が浮き彫りになってくると思いますし、すごく素敵な作品だと思いました。
――具体的に年齢が明示されている訳ではなく、ストーリーの中から年代が見えてくるような感じなんですね。
実際にどういう演出になるかはわからないのですが、台本にはきっちりと年代が書かれているんです。初めに結末をお客様に提示して、お客様はその結末を知っているからこそ、「ここでこんなことがあったから、今はこうなんだ」ということがわかるし、先の出来事を知っているからこそ、より切なくなるんだと思います。