新原泰佑インタビュー ミュージカル 『梨泰院クラス』「この世界の一員になれることがうれしい」(後編)
2025年6月9日(月)より東京建物Brillia Hallを皮切りに、ミュージカル『梨泰院クラス』が上演されます。
日本でも大ブームを巻き起こした「梨泰院クラス」。この度、チョ・グァンジン氏の原作(韓国・カカオウェブトゥーン配信)を基に、世界初ミュージカル化が実現しました。
主人公パク・セロイを、歌・演技共に高い評価を受け『ザ・ビューティフル・ゲーム』『DEATH TAKES A HOLIDAY』などミュージカル出演が続く小瀧 望さんが演じます。共演には、 和希そらさん・saraさん、梅澤美波さん・川口ゆりなさん、新原泰佑さん、土井ケイトさん、吉田広大さん、秋沢健太朗さん、浅野雅博さん、佐戸井けん太さんと実力派キャストが名を連ねました。
クリエイター陣も多彩な顔触れが揃い、脚本は、『四月は君の嘘』をはじめとした演劇のみならず映画「かぐや姫の物語」(共同脚本)など映像でも活躍する坂口理子氏、歌詞と構成は、『ダーウィン・ヤング 悪の起源』など日本でも話題を呼んだ作品をはじめヒット作を多数手掛けるイ・ヒジュン氏、音楽は、ニューヨークを拠点に活動しリチャード・ロジャース賞を受賞、2023 年にはアジア系女性として初めてトニー賞オリジナル楽曲賞にノミネートされた韓国系アメリカ人のヘレン・パーク氏、そして演出は読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し、硬軟広く話題作を担当し注目を集める小山ゆうな氏が担います。さらに振付を世界で広く活躍するコレオグラファーのカイル・ハナガミ氏が担当します。
THEATER GIRLは、チャン・グンス役の新原泰佑さんにインタビュー。後編では、主演の小瀧望さんをはじめとした共演者の印象や本作にちなみ昔目指していた夢や、これから目指したい夢についてうかがいました。
小瀧さんは杉村春子賞の先輩
――主演の小瀧望さんをはじめとした共演者の方々の印象や共演するにあたって楽しみなことはありますか?
小瀧望さんは以前、読売演劇大賞で杉村春子賞を受賞されている先輩です。saraさんと土井ケイトさんは、お二人が出演されていた『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』を、舞台『ロミオとジュリエット』で共演した田中亨さんが出演していたのもあって観に行かせていただきました。その作品では田中さんとsaraさんが恋に落ちる役だったので「友達とこの後僕が恋する人が恋に落ちてる」と、ちょっと複雑な感情になりました(笑)。
土井ケイトさんは、僕も以前出演した舞台「ラビット・ホール」という作品に別の機会で出演されていて、どういうお芝居をされる方なのか目に焼き付いているので、今回共演することができてうれしいです。
梅澤(美波)さんに関しては、TBS『THE TIME, 』という朝の情報番組で、僕は火曜日レギュラーをしていて、梅澤さんは月曜日レギュラーを務められていたんです。だから同じレギュラーだけど曜日が違って全然お会いできない方だったので、今回やっとお会いすることができます。

新原さんが目指していた夢とは……⁉
――本作で、セロイは梨泰院で飲食店を開き、仲間たちと成功を目指し駆け上がっていきますが、新原さんが昔目指していた夢や、これから目指したい夢について聞かせてください。
小さい頃は宇宙飛行士になりたいと思っていました。それより前だと、「黄色いスポーツカーに乗る」と短冊に書いていたのを鮮明に覚えています。

――宇宙飛行士の夢は途中で諦めてしまったのでしょうか?
目が悪くなってしまったのと、僕、数学が苦手なので、ちょっと無理だなと諦めました。それで、母が美容師をしていたので、「美容師になる」と言ったら、「あなたが思う以上に美容師は厳しいんだよ」と。それには母親の信念や情熱もあったと思いますが。なので早々に諦めました。
それからご縁があって役者の仕事を始めることになって。ずっと「ダンスのお仕事をしたい」というのが漠然とあったのですが、習い事の一つとしか思っていなかったんです。小さい頃は仕事としてやろうとは思っていなかったのですが、高校生の頃にそういったことを思い始めて。
今までダンスしかやってこなかったので、やっぱり自分にはダンスしかないなと。振付師やインストラクターになろうとも思いましたが、結局お芝居の魅力に惹かれて役者をやることになりました。でも、今役者をやっていて、ダンスをやっていたことが活きる職業なので、よかったなと思います。
今は、映像と舞台を両方やっていきたいと思っています。小さい頃から積み重ねてきたものがすべて無駄にならずに、この職業ができていることが素直にうれしいなと思います。

――昔からの夢がいろいろと繋がっているんですね。
そうですね。もしかしたら今後の役で「黄色いスポーツカー」にも乗れるかもしれないですし(笑)。そしたら小さい頃の夢も叶いますね。
――先日は、読売演劇大賞で杉村春子賞を受賞され、舞台『球体の球体』では舞台初主演も務められるなど、舞台でも素晴らしい活躍をされていますが、舞台での夢はすでに叶えられているのでしょうか?
夢が叶っているというよりは、“やりたいことをやらせてもらっている”という感覚が強いです。「これをやりたい」と言った時にやらせてくれるカンパニーだったり、「こういうふうに思っています」と言った時に、「一回見せてみて」と、羽ばたかせてくれるようなカンパニーに恵まれていて、試行錯誤ができているからこそ実現できていると思っています。

――では最後に、本作を楽しみにされている皆様にメッセージをお願いします。
「梨泰院クラス」という爆発的な人気のある作品の世界初のミュージカル化ということで、多分皆さんもどうやって音楽にするのか、どうやって3次元に起こすのかまだ想像が出来ない状況だと思います。僕もまだまだ未知な部分がたくさんあります。
そんな中で、こうしてスペシャルなクリエイター陣が集結したこの座組だからこそできる、日本での素晴らしい「梨泰院クラス」が出来上がると僕は信じていますし、その確信もあるので、ぜひ観に来ていただけたらうれしいです。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:梁瀬玉実
公演概要

ミュージカル『梨泰院クラス』
原作: チョ・グァンジン「梨泰院クラス」(KAKAO WEBTOON Studio)
脚本: 坂口理子
歌詞・構成: イ・ヒジュン
音楽: ヘレン・パーク
演出: 小山ゆうな
振付:カイル・ハナガミ
キャスト:
パク・セロイ 小瀧 望
チョ・イソ(Wキャスト) 和希そら/sara
オ・スア(Wキャスト) 梅澤美波/川口ゆりな
チャン・グンス 新原泰佑
マ・ヒョニ 土井ケイト
チェ・スングォン 吉田広大
チャン・グンウォン 秋沢健太朗
パク・ソンヨル 浅野雅博
チャン・デヒ 佐戸井けん太
篠山輝信 塚本 直 長谷川開
大久保芽依 岡田治己 小熊 綸 KATSUHIRO(5IN) 加藤翔多郎 川本アレクサンダー
永松樹 西尾真由子 yume RIO 木暮真一郎(スウィング)
【東京公演】
公演日程:2025年6月9日(月)~30日(月) 東京建物Brillia Hall
チケット一般前売開始:5月11日(日)
料金(全席指定・税込):S席16,000円 A席11,000円 B席6,000円
【大阪公演】7月6日(日)~11日(金) 箕面市立文化芸能劇場 大ホール
【愛知公演】7月18日(金)~21日(月祝) アイプラザ豊橋
