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福士蒼汰インタビュー『坂元裕二 朗読劇2021「忘れえぬ、忘れえぬ」、「初恋」と「不倫」』「舞台の魅力は、始まったら役者主導になっていくところ」  

INTERVIEW

――山崎育三郎さんとのYouTubeドライブ企画でも「板の上が好き」とおっしゃっていましたが、福士さんが感じる“舞台の魅力”についてうかがえますでしょうか。

舞台は、始まったら役者主導になっていくところがとても好きです。稽古中は厳しい指導も受けながら、とにかく食らいついていくのですが、本番が始まったら役者にすべてが託されているような感覚になります。セリフを間違えても、ミスをしても、止まることなく物語が進んでいく。もちろん稽古を積み重ねてきたからこそできることなのですが、それが人生と似ていて楽しいです。

映像は、監督が「カット!」と言ったらカットがかかって、その場で細かく微調整ができます。舞台の場合はそういうわけにはいかない代わりに、敷かれているレールをあえて自分からはみ出してもそれが味になったりする。舞台のそういうところは本当に自由な感じがして、面白いと感じます。

――公演期間中は、客席の空気感などで演技を変えていく部分もありましたか?

ありました。自分も生き生きやりたいなと思うし、慣れてくるとあまりドキドキしなくなってしまうので。ちょっと自分にちょっと自分に負荷をかけると言いますか、この場面で「今日は何か一個やる」みたいな。そうすることによってめちゃくちゃ緊張するんですよ(笑)。でも、それが面白かったりもしました。

――朗読劇では、日によって何かアプローチを変えてみたり、ということも考えていますか?

今回の朗読劇は、僕は慣れちゃいけないと思っています。なので、あまり台本を読み込まないようにしています。それこそ、大きくコンセプトだけ押さえて、細かいポイントを決めすぎず、毎回変わるような感じでできたらいいなと意識はしています。

――今回は、あえて台本を読み込まないようにされているんですね。

そうですね。敷かれたレールを毎回同じように歩くのではなく、少しだけ自由に動いてみるのがいいかなと思っています。もし何回も見に来てくださる方がいらっしゃれば、そういうちょっとした変化も含めて楽しんでいただきたいです。

――お稽古自体は、そんなに回数はやられていないのでしょうか?

今回稽古をしたのは一回だけだったのですが、それが逆によかったと僕は思っています。もし、何回も稽古を重ねていたら、もっと台本を読み込もうとしていたかもしれないですけど、その時のその場の感情で演じるためには、作り込みすぎないほうがいい気がしたんです。

――お稽古自体は小芝さんとお二人のみで、他の出演者の方々とお会いする機会はなかったのでしょうか?

そうです。ほかの出演者にお会いする機会はなかったですし、あえて他の回は観ないようにしようとは思っています。

――特に他の組を意識するというよりは、あえて観ないということなんですね。

同じ演目で他の出演者の回を観て、比べて楽しむ人もいると思うんです。その感想は気になります! それから、ご自身で書かれた作品をいろんな役者が演じるということで、坂元さんにも感想を聞いてみたいです(笑)。

――稽古のときは、坂元さんからなにかアドバイスはありましたか?

大きく言われたのは、「自由にやってほしい」ということだけです。朗読劇なので、手紙だったりメールだったり、書いたものを読んでいくという形ではあるけれど、あまり「読んでいる」という感じにはしなくていいと。いつものようにお芝居をするときの感じでやってほしいと言われました。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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