上田堪大インタビュー 映画『コネクション』「舞台の上とはまた違う、自分自身を知ってもらえたら」(後編)
2022年2月25日より池袋シネマ・ロサを皮切りに全国にて映画『コネクション』が上映されます。
本作は、井川楊枝監督と大勝ミサプロデューサーによる『裏社会お仕事ドラマ』。女性ルポライター役を元E-girlsメンバーの杉枝真結さん、相棒のカメラマン役を、様々な舞台で活躍し、2020年10月にはメジャーCDデビューも果たした上田堪大さんが演じます。
THEATER GIRLは、本作でW主演を務める上田堪大さんにインタビューを敢行。インタビュー後編では、映像と舞台で使い分けていることや役者としての今年の意気込みなどを、お話しいただきました。
自分に足りてないものに関しては、どんどん意見を聞くようにしている
――映像作品と舞台で意識して使い分けていることはありますか?
2.5次元舞台とそうでない作品では、けっこう変えたりしているんですけど、映像になってくると、この画角の中でどう動くかとか、目線一つで意味合いがすごく変わってきたりすると思うんです。
目線のパッと気付くみたいな動きも、舞台のときはそのまま自然にやっていますけど、映像ではさらに意識しないといけないので、そういう部分はけっこう気をつけていますね。
それから、マネージャーさんに言われて気付けたこともあります。やっぱり僕よりも現場で見ている数が多いので、そういうアドバイスや自分に足りてないものに関しては、どんどん意見を聞くようにしていますね。
――先ほどお話に挙がった2.5次元舞台のときと、それ以外の作品で使い分けていることというのはどんなことなのでしょうか。
例えば、2.5次元でもアプリ原作のものと漫画原作のもの、漫画からアニメになったものがあると思うんです。アプリっていうのは、命を吹き込んでいる声優さんがいらっしゃるんですよね。
演出家さんにもよるかもしれないですが、アプリやアニメ原作だとそのイメージが付いているので、やっぱり意識はするんですよ。ただ、漫画原作の場合だと、例えば僕自身がめちゃくちゃ好きな漫画があったとして、それがアニメ化されたときに、このキャラクターってこういう声だよなって自分の中で勝手に想像するじゃないですか。
そのときに、恐れ多いですけど、「ちょっと想像していた声と違うな」みたいに思うときもあるかもしれない 。そういう意味では、漫画原作のものに関しては、寄せすぎないように意識したいなとは思っていて。この間までやっていた、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』のときに、特にそれを思いました。
『北斗の拳』とだけ聞くと、2.5次元と思われるかもしれないですけど、やっぱりグランドミュージカルであって。演出の石丸さんや共演者の方々も、世紀末を生きたことはないけど、その中でリアルにもがいている人たちであったり、強い男たちを演じたりすることに関しては、何一つ寄せるという作業はしていなかったですね。
そういう作品も経験できたからこそ、これから出演する作品に対して、どういう風に向き合っていこうかなという楽しみがあります。
――ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』のときは、また新しい感覚でやられていた感じなんですね。
そうですね。なので、原作は読みましたが、アニメはほぼ観ていないですね。
――確かにアプリやアニメ原作の場合は、より、声を寄せていく作業が必要だったりしそうですね。
そうですね。雪白東に関しては、声質がちょっと近しいものもありますが。でも、アプリやアニメ原作のものに関しては、リスペクトした上で演じるというのが、やっぱり前提としてはありますね。