志田こはくインタビュー 『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』「ギャップをしっかり作っていけたら」(後編)
6月12日(金)より東京・EX THEATER ARIAKEを皮切りに、福岡、大阪にて、2026 年劇団☆新感線46周年興行・夏公演 SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』が上演されます。
昨年、45 周年という大きな節目でこれ以上ない集大成を飾った劇団☆新感線。46 周年となる次なる公演はこれまでの王道物とはひと味違う新作を届けるべく、外部の作家としては 4 人目となる福原充則氏を新たに迎えます。主宰・いのうえひでのり氏がこれまで書き下ろしてきた“ネタもの”のエッセンスを福原氏独自の解釈で取り入れた、生バンドの演奏で上演する“Rシリーズ”の新作が上演されます。
物語は、大正浪漫を感じる時代設定と江戸川乱歩が描いたようなほの暗い匂いが漂うスチームパンクの世界。これまでの新感線とは一風変わったアングラの色も滲ませつつ、生バンドの演奏で、歌あり、踊りあり、アクションありのレヴュー・スチームパンク(RSP)なドタバタ音楽活劇ミステリーを、 4 月に開業した有明の新劇場で上演します。
タイトルロールのアケチコ役を務めるのは、22年の『神州無頼街』以来、新感線3度目の登場となる宮野真守さん。そして、アケチコとともに事件に挑む探偵には 16 年の『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』以来 10 年振りの凱旋となるWEST.の神山智洋さん。
さらに、石田ニコルさんが2度目の出演、浜田信也さん、志田こはくさんが新感線に初参加!そんなゲスト俳優の顔ぶれに並んで、粟根まことさんをはじめとする劇団員たちはもちろん、看板俳優古田新太さんががっぷり支え、東京⇒福岡⇒大阪と長い公演期間を全速力で駆け抜けます。
THEATER GIRLは、志田こはくさんにインタビュー。後編では、劇団☆新感線ならではの稽古場の印象や、歌・ダンスを含めた舞台づくりへの挑戦、助手林鳩美役として感じている課題についてお聞きしました。さらに、舞台ならではの魅力やコメディ芝居への思い、これまでの経験を通して感じたご自身の成長についてもたっぷり語っていただきました。
セリフから動きまで一つひとつ丁寧に作り上げていく
――現在、絶賛稽古中とのことですが(取材時)、劇団☆新感線ならではだと感じる稽古の雰囲気や特徴はありますか?
劇団☆新感線ならではの稽古の進め方があるようで、まず、演出のいのうえさんにご指導いただきながら、セリフの言い回しから振り、動きまで一つひとつ丁寧に作り上げていくんです。「自由にやっていい」というよりも、一から積み上げていくスタイルで、そこがこれまでの舞台とは違うと感じました。
――フィギュアスケートの経験があるとのことで、振り付けを教わりながら表現を作っていくという過程は似ている部分もありますか?
その点では似ていると思います。ただ、セリフがまだ体に馴染んでいない状態で、教えていただいた振りをしながらセリフを言うのはまだまだ慣れていなくて。これから劇団☆新感線さんのスタイルを体に馴染ませていけたらと思っています。

――現時点で感じている課題や、これからさらに伸ばしていきたい部分はありますか?
語り部としての長ゼリフが多いのですが、どうしても可愛らしい口調で話してしまうんです。いのうえさんから「語り部らしく、少し企みのある低めのトーンで」とご指導いただいているのですが、まだ体に馴染んでいなくて、繰り返し練習しているところです。
ただ、語り部なので自分自身の感情を入れるのも違うし、淡々と話すのも違う。宮野さんからも、「想像しながら言うといいよ」とアドバイスをいただきました。そのバランスをつかむのが今の課題です。
――本作は生バンドの演奏で歌や踊りもある“Rシリーズ”になりますが、歌唱シーンについてはいかがでしょうか。
歌稽古もすでに始まっています。自分では歌に自信があると思っているのですが、マネージャーさんには「あまり自分で言うほどじゃないよ」と言われてしまって(笑)。ただ、指導してくださる方から「音感がいいね」「リズム感があるね」と言っていただいているので、歌についても期待していただけたらと思います(笑)。
でも、ただ歌うだけでなく振り付けもきっとあると思いますし、動きながら歌うことになると思うので、しっかり体力をつけて、お腹から声を出せるようにしていきたいです。フィギュアで培った姿勢や体幹も、ぜひ生かしていきたいと思っています。

後半はものすごいドタバタ劇
――本作は、“ドタバタ音楽活劇ミステリー”ということですが、ストーリーの印象はいかがでしょうか?
ミステリーではありますが、特に後半はものすごいドタバタ劇で、本読みをしながら演じていても「あれ、どういうこと?」となるくらい(笑)。後半に向けてどんどん展開が複雑になっていきます。ミステリーの要素もありながら音楽劇としてのコメディ感もとても強いので、終始楽しめる作品だと思います。
――以前、『ミナト町純情オセロ~月がとっても慕情篇~』と『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』 をご覧になったとのことですが、劇団☆新感線の公演をご覧になった印象はいかがですか?
アクション、歌、ダンスとあらゆるジャンルを網羅した舞台だなと感じました。ステージをダイナミックに使っていて、何より出演者の皆さんがとにかく楽しそうにお芝居されているのがとても印象的でした。

初舞台では「しっかり基礎を仕込んでいただいた」
――志田さんは、舞台『六番目の小夜子』で俳優デビューされましたが、初舞台ではどんな思い出がありますか?
初舞台ではたくさんご指導いただきました。当時演出を担当されていた井上テテさんは、『ロボコォォォン!-ROBOT COOONTEST!-』でもご一緒させていただいたのですが、発声の基礎から丁寧に教えていただいて、他のキャストの皆さんの稽古が始まる1時間ほど前から一緒に練習していた思い出があります。あの経験でしっかり基礎を仕込んでいただきました。
――その後、『ロボコォォォン!-ROBOT COOONTEST!-』で再び井上さんとご一緒された際、成長を見せることはできましたか?
デビュー作はホラー系の少し変わった女の子の役だったのですが、『ロボコォォォン!-ROBOT COOONTEST!-』ではコメディ感の強い役どころでした。コメディはもともと得意だったので、「さすがだね」と言っていただけて。そういった部分では成長できたのかなと思っています。

――コメディ演技の適性を、ご自身でも感じる部分はありますか?
ファンの方から「表情が豊かだね」とよく言ってもらえるので、明るくてちょっとお茶目な役の方が得意なのかもしれないです。人を笑わせるのも好きで、日常で面白いことができるかというと全然そうではないのですが、舞台の上で面白いことをするのは大好きです。
――今回も個性豊かなキャラクターが揃っていますね。
そうなんです。皆さんとても個性的なキャラクターで、助手林鳩美は比較的冷静でまともな役なのですが、その中でもどこか癖の強いところを出せたらいいなと思っています。
――志田さんは映像作品にも数多く出演されていますが、舞台ならではの魅力をどんなところに感じていらっしゃいますか?
舞台はナマモノなので、毎回お芝居の形が違うところがやっぱり楽しいです。お客さまの前で表現するという点ではフィギュアスケートと似ていて、観ていただきながら演じることの楽しさは舞台ならではだと感じています。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:遥南 碧
ヘアメイク/竹下あゆみ
スタイリング/二見綾子
衣装:
JUSTINE CLENQUET
ジュスティーヌ クランケ
公演概要
2026年劇団☆新感線46周年興行・夏公演
SHINKANSEN☆RSP 怪奇骨董音楽劇
『アケチコ!~蒸気の黒ダイヤ、あるいは狂気の島~』
作:福原充則
演出:いのうえひでのり
出演:
宮野真守 神山智洋 / 石田ニコル 浜田信也 志田こはく 粟根まこと / 古田新太
右近健一 河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 インディ高橋
礒野慎吾 吉田メタル 中谷さとみ 保坂エマ
村木 仁 川原正嗣 武田浩二
藤家 剛 川島弘之 菊地雄人 あきつ来野良 藤田修平 北川裕貴
米花剛史 武市悠資 井上真由子 本田桜子 髙橋優香 今中美里 一條雪乃 吉田美緒 古見時夢
岡崎 司(Guitars) 松﨑雄一(Keyboards) 福井ビン(Bass) 松田 翔(Drums)
山田智之(Percussion) 雨宮彩葉(Keyboards)
【東京公演】
EX THEATER ARIAKE OPENING LINEUP
2026年6月12日(金)~7月12日(日)
EX THEATER ARIAKE(東京ドリームパーク内)
【福岡公演】
2026年7月24日(金)~8月8日(土)
キャナルシティ劇場
【大阪公演】
2026年8月20日(木)~30日(日)
フェスティバルホール
企画・製作:ヴィレッヂ 劇団☆新感線
