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武田真治×相葉裕樹インタビュー ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』「時代を越えるメッセージがある作品」(後編)

INTERVIEW

12月7日(水)より東京・日生劇場にてミュージカル『スクルージ~クリスマス・キャロル~』が上演されます。

本作は、英国の国民的作家チャールズ・ディケンズの名作『クリスマス・キャロル』を原作にした、心温まる作品。舞台は19世紀半ばのロンドン。主人公・スクルージは人嫌いのけちで意地悪な金貸しの老人だが、どこか滑稽で、愛嬌がある。クリスマスイブの晩、亡くなったかつての親友・マーレイの亡霊とクリスマスの精霊たちが現れた。彼らはスクルージを過去、現在、未来の旅へと連れていく。泣いたり笑ったり感動したり、スクルージは一夜の夢の中でその心根と運命を変えていく。

全編に息づくあたたかなクリスマスの情景も魅力の1つ。舞台となる19世紀のロンドンで、年齢や身分は関係なく誰もが心を躍らせて、年に一度のクリスマスを祝う中で展開する、愛すべき人々の物語です。

本作は1994年に日本で初演され、この公演で主演を務めた市村正親さんは、以降97年、99年、リニューアルした2013年、2015年、 2019年と再演を重ね、2022年は3年振り7度目の出演となります。

2022年版のメンバーには、2013年よりボブ・クラチットを演じている武田真治さん、ハリーと若き日のスクルージ役には舞台・そして声優と大活躍の相葉裕樹さん。ハリーの妻・イザベル役には実咲凜音さん、かつての相棒・ジェイコブ・マーレイ役は安崎 求さんが演じます。

THEATER GIRLは、武田真治さんと相葉裕樹さんにインタビュー。後編では、お二人が思う本作の魅力や作品にちなんで、お二人にとってのクリスマスのような、特別な記念日についてうかがいました。

インタビュー前編はこちら

スクルージは「世界中のどの人種・どの宗教の方にも響く人間物語」

――お二人が思うミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』という作品の魅力について聞かせていただけますでしょうか。

武田:クリスマスというと一つの宗教をベースに作られている物語と思われがちですが、この作品は、出来事が起きた日がクリスマスだったというだけで、あまり宗教的なメッセージはないようにも思えます。世界中のどの人種、どの宗教の方にも響く「人間物語」なので、その辺りを感じていただけたら。

この作品の見どころは自分の演技!と言いたいのですが、やはりなんと言っても主演の市村さんのパフォーマンスでしょう。出ずっぱりで、フライングなんかもありますし。ミュージカルという、一瞬でもタイミングを逃すと台無しになりかねない過酷なノルマを軽々と超えて、キャラクターを演じている、そういった市村さんの奇跡の演技が最大の魅力だと思います。

相葉:一幕はスクルージが本当に嫌なおじいちゃんとして登場するんです。ただ、何でそういう風になってしまったのか、僕が若き日のスクルージを演じることでそれが解明されていきます。そういうスクルージの闇や弱さ、未熟な部分を過去・現在・未来と見ていく中で出てくるセリフが、僕にはすごく刺さって。

あの時こうしておけば、と後悔することって誰しもあると思うんです。例えば大事な人を大事にできなかったときとか。でもこの作品を通して観たときに、いくつからでも変われるし、大切な人をより大切にしようと思えるんじゃないかと思います。楽曲もすごく楽しい雰囲気なので、お客様も一緒に楽しんでいただけるものになるんじゃないかと思います。僕自身も早くその世界観に飛び込めるように準備したいです。

お仕事をしているときって幸せなんだと、改めて感じます

――本作のタイトルにちなみまして、お二人にとってクリスマスのように、特別な記念日はありますか。

武田:クリスマスに変わる特別な日ってなかなかないですね。すごく贅沢で暖かで。冬ってクリスマスを過ぎると、いくつになっても寂しくならないですか? やっぱりクリスマスは自分なりに大切にしたいなと思います。あと、こう言っておかないと。僕、誕生日が12月18日なので、何かと一緒にされちゃうんです。だからクリスマスとは別だって言っておきます(笑)。

相葉:僕はお正月を大事にしていますね。毎年必ず実家には帰るようにしているのですが、地元の仲間に会える回数は限られているので、集まれることはすごく幸せだなと感じます。仲間や家族と過ごす一瞬一瞬を大事にしていきたいです。

――お二人が朝起きて必ずやる、ルーティンのようなものはありますか。

武田:ウチにはワンちゃんが二匹いるのですが、毎朝、お腹が空いたという感じで、僕の顔の上にのっかって起こしてくるんですよ(笑)餌をあげてから用事がない時はそこからもう一度寝たりしますね。

相葉:僕も起きてからすぐカーテンを開けてちょっとベッドを直します。あとはヤクルトを飲みますね(笑)。舞台稽古中は、さらにストレッチをしたり、発声をしたりしています。 舞台稽古中の方が生活リズムが整って健康的になるんですよね。やっぱりお仕事をしているときって幸せなんだなと、改めて感じます。

素晴らしい楽曲と演出で「我々が全身全霊で演じます」

――最後に本作を楽しみにしている方に、メッセージをお願いします。

相葉:僕は初めて参加させていただくのですが、1からこの作品を作りながら、自分自身も楽しめるところまで本番までに持っていけたらと思います。そして本番はさらに楽しんで、皆さんと素敵な時間を共有できたら。ぜひ日生劇場に遊びに来てください、お待ちしています。

武田:『クリスマス・キャロル』という原作をなんとなく知っている方でも、どんな物語なのか詳しくは知らないという方も多いと思うんです。素晴らしい楽曲と演出で、我々が全身全霊で演じます。ぜひ大切な方とご自身のために、クリスマスプレゼントだと思ってご観劇いただけたら嬉しいです。劇場でお待ちしています。

取材・文:THEATER GIRL編集部

インタビュー前編はこちら

公演概要

ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』

2022/12/7(水)~12/25(日)
日生劇場

原作:チャールズ・ディケンズ
脚本・作曲・作詞:レスリー・ブリカッス
演出:井上尊晶

出演:
スクルージ:市村正親
ボブ・クラチット:武田真治
ハリー/若き日のスクルージ:相葉裕樹
ヘレン/イザベル:実咲凜音 
ジェイコブ・マーレイ:安崎 求
クラチット夫人/過去のクリスマスの精霊:愛原実花
フェジウィッグ夫人:今 陽子
現在のクリスマスの精霊:今井清隆

ほか

ストーリー

19世紀半ばのロンドン。クリスマス・イブを迎えた街は賛美歌が流れ、陽気な賑わいを見せていた。しかし、金貸しを営むスクルージはひたすら不機嫌だ。クリスマスなんか大嫌い。金、金、金!ドケチな彼は今宵も借金の取り立てに勤しみ、献金を拒み、人々に嫌われるばかり。
そんな彼のもとに深夜、かつての親友の亡霊とクリスマスの精霊たちが現れた。彼らはスクルージを過去、現在、未来の旅へと連れていく。幼い頃の楽しかったクリスマス、愛する人との幸せな日々と別れ、身近な人々の慎ましい暮らし、そして思いもよらない未来の自分…。
クリスマスの朝、スクルージは新たなスタートを決心する。
夢と希望、愛を胸に街へ向かい、おもちゃや七面鳥、「借金帳消し」のクリスマスプレゼントを人々に贈る。大切な人と心からクリスマスを祝うスクルージは、幸せな笑顔に満ちていた。

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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