前島亜美インタビュー『ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-』「大好きな翻訳もの、ストレートプレイの作品に出演する喜び」(後編)
INTERVIEW
――尊敬している役者さんを挙げるとしたら、どなたかいらっしゃいますか?
いっぱいいます! すごくたくさんいらして……。私、本当に舞台の現場や稽古が大好きなんです。本番ももちろん楽しいんですけど、やっぱり稽古で「一番最初にどんなお芝居を持ってくるか」に、その人の熱量や作品との向き合い方みたいなものが表れる気がして。演出家の一言でガラリと変わることもありますし、それを間近の特等席で見させていただけることは本当に贅沢なことだと感じています。もちろん自分も頑張らないといけないんですが、私にとっては学ばせていただける場所なんです。
現場ごとに出会う先輩方との出会いが私は大好きなので、憧れている役者さんは、すごくたくさんいます。毎現場、毎現場で「この人すごく素敵だな」って思うと、その方の何かを盗めるように、話しかけに行ったり、いろいろ聞いたりしますし。そうやって吸収したいと毎回思っていますね。
――舞台に立つ瞬間も素晴らしいけど、やっぱり稽古の時間というものが好きなんですね。
稽古、好きですね。以前、和ものの作品をやったときに、みんなで浴衣を着て稽古をしていたのですが、中でもとても所作が綺麗な俳優さんがいらして。「どうしてそんなに動きがお綺麗なんですか?」と聞いたら「日本舞踊を20年やっている」とおっしゃっていて。そのまま「私もやりたいです」とお願いして、日本舞踊を始めたこともあります。
本当に役者のみなさんって、常日頃から芸を磨こうと何かしらされていたり、独自の考え方を持っていたりと、人としてすごく魅力的な方が多いので、いろんな素敵な方との出会いがとても楽しいお仕事だと感じています。