• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 舞台「脳内ポイズンベリー」出演 市原隼人さん特別インタビュー

舞台「脳内ポイズンベリー」出演 市原隼人さん特別インタビュー

INTERVIEW

漫画「脳内ポイズンベリー」が、市原隼人さん主演で3月に舞台化されます。本作は、携帯小説家・櫻井いちこ(蓮佛美沙子さん)の脳内と現実世界をめぐる新感覚ラブコメディ。脳内で、優柔不断の議長・吉田(市原さん)を中心に擬人化された「ネガティブ思考」「ポジティブ思考」「瞬間の感情」「記憶」が議論を戦わせるストーリーです。

稽古も佳境を迎えた3月上旬。THEATER GIRL編集部は、主演を務める市原隼人さんにインタビューを敢行。上演にあたっての役の見どころや作品の魅力、パーソナルな部分まで、じっくりと語っていただきました。

舞台の魅力は「その場でぜんぶをお客さまに見せられる」こと

――「脳内ポイズンベリー」は、もともと水城せとなさんによる漫画が原作の話題作ですが、舞台版の主演が決まった際の率直なお気持ちを伺えますか?

この作品は漫画原作で、 映画化もされているので、まずは舞台化する理由を自分で探さなきゃいけないと思って。あえてまだどちらも見ずに稽古しています。映像化もされている作品が、なぜこのタイミングで舞台化されるのか。舞台のなかでは、なにを成立させていかなければならないかを考えましたね。

最初に原作や映像の印象があると、先入観でそこを補ったり追ってしまうことがあると思うんですが、 舞台をやるからには、「それ以上のものを生み出さなければならない」という使命感がどこかにあって。エンターテインメントとして、もっと出口を広げたりとか、原作のよさを残しつつ新たな作品の表情を見せられたりするはずなので、まずは稽古に没頭しないとって思いました。

――ミュージカル『生きる』から約1年半ぶりの舞台です。市原さんにとって、映画やテレビドラマとは違う、舞台ならではのやりがいや面白さはどんなところにありますか?

単純に何度も稽古できる贅沢さですね(笑)。デビューして少し経った頃まではワンシーンに2日かけたりして、何度もリハーサルして臨むってスタンスがあったんですけど、ここ最近ではそれもできないような状況が続いていたりもするので。

映像の最大のよさは、最大瞬間風速だと思うんです。ワンカットのために、1時間でも感情をつくって出せる。1つの表情を見ている人に伝えるために、照明を当てて、音楽をつけたりもできる総合芸術ですよね。

ただ、舞台は頭から最後まで、その場でぜんぶをお客さまに見ていただける。その喜びは特別なものがあります。もちろん、なにがあっても役者が最後まで背負ってかなきゃいけない緊張感はありますけど、それだけにありがたみを感じるというか。それって役者の一番の醍醐味だと思うんですよね。

お客さまに楽しんでもらうために、この職業があるんだってことを学べるというか。この作品を見ていただく理由とか、なにを届けたくて、なにを持って帰っていただきたいっていうのも、1つ1つ考えられるものが舞台だと思います。

リアルに「女は上書き保存、男は別名保存」ってことかなと

――いよいよ稽古も佳境に入ってきたと思いますが、現場の雰囲気はいかがですか?

緊張感も出てきて、本番のテンションに向かっているところです。この作品ってけっこう特殊だと思うんですよ。だって僕、蓮ちゃん(蓮佛美沙子さん)と芝居しないですもん(笑)。いちこの脳内と現実世界だから、そこで完全に分かれてしまっていたりとか、ちょっと違うところでリンクさせていたりとか。だから、演じるうえでちょっと感覚が難しいんですよね。

あくまで脳内での世界ですけど、それによって現実世界が変わっていきますし、現実世界によってもこっちが変わってきますし。「難しいな……けど、面白いな」と思いながら。でも、まだまだお客さまに楽しんでいただける箇所が増えると信じて、最後までブラッシュアップしていけたらと思ってます。

――切磋琢磨している稽古の風景が浮かぶようです(笑)。本作で、市原さんは脳内会議の議長・吉田役を務められます。優柔不断のリーダーという設定ですが、役づくりにあたって「ここを見てほしい」というポイントがあれば伺えますか?

やっぱり、女の子の恋の美しさ、弱さ、怖さ、恐ろしさ。一歩踏み出す勇気、過去のものと比べてしまう葛藤とか……そういうものをひっくるめて、「精一杯生きてる」っていうところを、僕らが演じる脳内のメンバーで感じていただけると嬉しいです。

1つの物事であっても、ポジティブに考える思考もあるし、ネガティブな思考もあるし、 ついポロッと言葉を言ってしまうようなところもある。「女は上書き保存、男は別名保存」って言うけど、リアルにこういうことなのかなと(笑)。優柔不断の議長(市原さんの役)はアワアワしてますよ、周りに翻弄されて小っちゃくなっちゃって。

けど、核心をつくような言葉が自分のなかには明確にあるので、見ているみなさんにそれを持って帰っていただきたいなと思いますね。

次のページ:本番が近づくにつれて「それぞれ違うスイッチが入ってきた」

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧