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水田航生インタビュー ロック☆オペラ『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー ~The Pandemonium Rock Show~』「お客さまの反応を生で感じたとき、役者をやっていてよかったと思う」

INTERVIEW

――河原さんのお話もありましたが、実際に演出を受けられてみてどんな印象ですか?

河原さんでなければこの作品はできなかったかもしれないと思うほど、稽古場をポジティブにしてくださいます。みんなで一緒に笑いながら、楽しみながら作り上げているカンパニーの雰囲気は、間違いなく河原さんが作ってくださったので、自分も河原さんの言うことを信じてやっていくだけだなと。

また、河原さんは「今のシーンどう思う?」とか、「どっちの方がいいと思う?」など役者やいろんな人に問いかけてくれるんです。それに対して自分が思うことを「こうだと思います」と言うと、真剣に聞いてくださるので、ボスというよりはリーダーというイメージがありますね。

――演出家との距離が近い現場なんですね。

そうですね。チーム一丸となってやっています。

どの楽曲もシーンに必要な音楽がぴったりとはまっている

――今回、楽曲プロデュースを森雪之丞さん、音楽を亀田誠治さんが手がけられていますが、楽曲の印象についてはいかがでしょうか。

楽曲は間違いなく全部かっこいいですね。耳に残るキャッチーなものがあったり、胸が熱くなるものがあったり、血がたぎるものがあったり。このシーンに必要な音楽というものが、ぴったりとはまっていると思います。「この曲もうちょっとこうだったら」とか、「このシーンはもっとこういう曲にしたほうがいいのに」とか、そういった疑問が最初から全く生まれなかったです。そこにあるべくしてあるという感じでした。サントラがすでに欲しいです(笑)。

――全体的にはやはりロックテイストの楽曲がメインなのでしょうか?

そうですね。でも時代が流れていくので、結構いろんなバリエーションがあると思います。各年代によってテイストが異なるので、音楽的にも時代背景をきちんと追っていける感じがするのがより面白いです。

――フォークやロック、さらにアイドルの楽曲など、バラエティー豊かそうですよね。

本当に幅広いですね。逆に、お客さんの中でもその時代の音楽のことを知らない方は勉強になるのではないかなと思います。「60年代はこういう楽曲なのか」とか、「80年代まで行くと確かに聞いたことがあるテイストだな」とか、「フォークといったらこういう感じだよな」というのが、もちろんフィクションの音楽ではありますが、なんとなく分かる気がする、聞いたことある気がすると感じていただけるかと。

昭和に対して「生きたことはないのに懐かしさを感じることがある」

―― 改めて水田さんが感じる昭和とはどんなイメージでしょうか?

元々昭和の世界観はとても好きでして、生きたことはないのに懐かしさを感じることがありました。やはり激動の時代なんですよね、昭和って。その時代に生き抜いた人たちが、一瞬一瞬を生きている熱さみたいなものを感じます。時を経た今、昭和を振り返るとノスタルジックになるといいますか。その熱さがあったからこそ、昭和が終わってしまったと思うと少し寂しいなと。なんとなく昭和には、喪失感を感じてしまいますね。生きたことないのに(笑)。

――水田さんにとって、なぜか懐かしいというか、切なくなるような感じもあるのでしょうか?

実はこの作品の最後、少しうるっとしてしまうんですよね。雪之丞さんのインタビューを先日拝見したとき、「この作品は遺書のつもり」とおっしゃっていて。その思いを知ったことも相まって、雪之丞さんが青春を過ごした1960年代から現在にかけての時代の流れや、そこで生きた人たちは何を感じて何を得て何を失ったか、など考えながら感情移入してしまいます。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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