アダム・クーパー インタビュー「劇場にいる3時間だけでも幸せを感じてもらえたら」『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』(前編)
ミュージカル『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』が、2022年1月22日(土)から東京・東急シアターオーブにて、2022年2月18日(金)から大阪・オリックス劇場にて開幕します。
本作は、ミュージカル映画の傑作と言えるジーン・ケリー主演『雨に唄えば』を元に、2011年に英国のチチェスター・フェスティバル劇場で上演されました。主人公ドン・ロックウッド役を演じたのは、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』の出演でも知られるアダム・クーパーさん。その後の2014年、2017年の日本公演でも魅力あふれるドンを演じ、会場を熱気の渦に巻き込みました。
今回THEATER GIRLでは、アダム・クーパーさんにインタビューを敢行。前編では、公演が決まったときの気持ち、どしゃぶりの雨の中で歌い踊るあのシーンはどんな心境で演じていらっしゃるのか、過去行った日本公演のときの印象などたっぷりと語っていただきました。
上演できると決まったときは安心感と嬉しさがあった
――本来であれば2020年に行われていた本公演ですが、中止になってしまったときはどのような心境でしたか? また、中止を乗り越え2021年の公演が決定したときの気持ちについても教えてください。
中止を知ったときはとてもショックでした。2017年に来日したとき、2020年の公演の話が始まって、3年間かけて進めてきたのでとても動揺しました。コロナ禍という状況で公演中止は避けられないだろうと思ってはいたのですが、それでも希望を持つように「なんとかなるよ、大丈夫だよ」と言い聞かせていたので本当に悲しかったです。
元々どの作品でも日本に行くのは大好きでしたが、特にこの作品は日本で人気があるので、これを持っていくのはとても楽しみなことでした。そのため2022年1月から上演できると決まったときは、本当に安心しましたし、とてもワクワクしました。日本では劇場を確保するのが難しいと聞いていたので、1年の延期で上演できると決まってとても嬉しかったです。行けるのがすでに待ちきれません。
日本のファンとは「古い友人に会いに行くような感覚」
――本作は2014年、2017年と過去に2度日本公演を行っていますが、そのとき感じた日本のミュージカルファンの印象について教えてください。
初めて日本で上演したとき、お客さんの反応には本当に驚きました。とっても嬉しい驚きでした。というのも、その前に他の作品で日本へ行ったことはあるのですが、日本のお客さんは上演中にあまり声を上げることがなく、礼儀正しい印象だったんです。
ですが、この作品に関しては舞台上にいても聞こえるくらい積極的に声を上げて楽しんでくださっているのが分かって、日本のファンの皆さんがそうしてくださることに驚きましたし、とても嬉しかったです。だからこの作品を日本でやるのが大好きなんですね。
日本のファンの方は本当に皆さん素晴らしい方々ばかりで、僕のことを長くサポートし続けてくださっています。 かれこれ30年前から日本に行き続けているのですが、30年前からファンでいてくださる方もいらっしゃって。なんといいますか……ファンの方に会うというよりは、古い友人に会いに行くような感覚があります。