岡山天音インタビュー 『hana-1970、コザが燃えた日-』「繰り返し同じ台詞を言うこと自体が非日常的な体験」(前編)
――一つの言葉の中にもいろんなことを想像させる感じもあったりするのでしょうか?
もちろんそういう部分もあると思うのですが、それだけではないんですよね。
まず本当にあった出来事として、こういうことがありました。そのときにこう感じました。こういう肌触りでした。と、具体的に言葉にしてしまうのではなく、対象となる出来事があったときに、アキオがその一部分を眺めていたとして、そのときにふと得た感触みたいなものをぼそっと口にする。そんな感じなんです。
アキオが見せた何かの一部分、氷山の一角といいますか。観ている人からすると、どんどん元になる大きなイメージみたいなものが膨らんでいく現象が起きるのではないかなと思っていて。全部を言葉にして語ってしまうような単純な話ではなく、一瞬見えた景色、当人だけが握っている大きなイメージの一部から、お客さんの中で全体像が広がって行くみたいな。観ているお客さん自身の経験値から、それぞれイメージを立ち上げていくことになるんじゃないかなというふうに思っています。
――観る側にとっても、解釈が変わってきそうな?
大いにあると思いますね。
――役者さんにとって、かなり技術力を求められる感じがしますね。
でもそれが役者の醍醐味だと思うので。それすらも楽しめたらいいなと思います。
取材・文:矢内あや
Photo:くさかべまき
ヘアメイク:森下奈央子
スタイリスト:岡村春輝
公演概要
『hana-1970、コザが燃えた日-』
作:畑澤聖悟 演出:栗山民也
キャスト:
松山ケンイチ
岡山天音
神尾 佑
櫻井章喜
金子岳憲
玲央バルトナー
上原千果
余 貴美子
<東京公演>
2022 年 1 月 9 日(日)~1 月 30 日(日) 東京芸術劇場プレイハウス
<大阪公演>
2022 年 2 月 5 日(土)、2 月 6 日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<宮城公演>
2022 年 2 月 10 日(木)、2 月 11 日(金祝) 多賀城市民会館