東山光明、大沢健、池田有希子インタビュー Dramatico-musical「BLUE RAIN」「自分の中で生きる意味を見つけていただけたらすごく嬉しい」(後編)
2022年1月13日より東京・博品館劇場にてDramatico-musical「BLUE RAIN」が上演されます。
本作は、2020年最初の緊急事態宣言後、ミュージカルとしては早い段階での上演となった話題作で、今回は2年ぶりの日本版再演となります。
物語はドストエフスキーの名作『カラマーゾフの兄弟』をベースに、舞台を1990年後半のアメリカ西部に移し変えたもの。ひとつの殺人事件の真相を追ううちに、ある家族――父と息子たち、兄と弟の憎しみと深い因縁を暴き出し、さらに一家を超え人間といういきものの根源的な業を描き出していく、サスペンフルでありながら文学的な叙情性を持つミュージカルです。
日本版演出は美しく繊細な演出で知られる名匠・荻田浩一氏が手掛け、東山光明さん、彩乃かなみさん、石井雅登さん、染谷洸太さん、伊藤広祥さん、大沢健さん、池田有希子さん、今 拓哉さんなど多彩な出演者が揃います。
THEATER GIRL編集部は、ルーク役の東山光明さん、テオ役の大沢健さん、エマ役の池田有希子さんにインタビューを敢行。インタビュー後編では、それぞれの役柄の見どころや本作にかけて、今も後悔が残っているエピソードなどをうかがいました。
一緒に「BLUE RAIN」の世界に連れていってあげるのが役目
――既に稽古も始まっているとのことですが、改めてご自身の役柄の見どころについてうかがえますでしょうか。
大沢:今作の役作りで大事にしているのは、テオはあまり親の愛情を受けずに育ってきたという人間なので、そういう人間特有の物悲しさを表現したいと思っています。悲しそうな表情をしている訳ではないけれど、逆に明るく振る舞った後でもそこに残る物悲しいオーラみたいなものを作っていけたらいいなと。この役を作るにあたって、そこを大事にしたいなと思いますね。
東山:僕が演じるルークという役は、歌やストーリーの説明も含めて、この物語の中でも狂言回しのような役割を持っているんです。なので、お客様に僕の発する言葉やセリフでどれだけ情報を伝えられるかというのは今回の勝負というか、しっかり伝えていかないといけない部分だなと感じています。
すごく長いセリフもあったりするのですが、自分の感情ではなく、お客様にちゃんと理解してもらって、一緒に「BLUE RAIN」の世界に連れていってあげるのが僕の役目かなと思っています。
池田:私が演じるエマという役は、唯一宗教感が一番色濃く出ている役なんです。弱くて大変な立場にいるからこそすがっている部分も当然あるのですが、ある意味人生における正義が宗教という意味では一番わかりやすくすっきりしているなと。
でも、荻ちゃん(演出の荻田さん)からは、ガツンとした正義というよりは揺らいでいる方がいい、自分の正義を疑ってもいいんだよと言われて。そういうところがすごく今っぽい感じがするんですよね。なので、自分の正義を押し付けるのではなく、そこを大事にしたいなと思います。