東山光明、大沢健、池田有希子インタビュー Dramatico-musical「BLUE RAIN」「自分の中で生きる意味を見つけていただけたらすごく嬉しい」(後編)
――本作にかけた質問もさせていただきたいのですが、本作は兄と弟の憎しみと深い因縁を暴き出すというストーリーですが、あの時ああしておけばよかったと、今も後悔が残っているエピソードってありますか?
大沢:それこそ本当に身近なことで思ったのは、(池田)有希子ちゃんが三味線を習っていると聞いて、僕もやっておけばよかったなと思いました。舞台で新派の方とご一緒することがあるのですが、新派の方って役者でもあり三味線も弾けるわけですよ。芸者の方だとそういうシーンが多いのでカッコいいなと思って。
僕は鼓を習っているのですが、三味線もやっていればよかったなって。民謡の方ですが、実はうちのおじいちゃんが三味線を教えていたんですよ。だからやろうと思えばやれていたのに、それにも関わらずやっていなかったので後悔していて。
なので、やっぱり何にでも興味を持ってとにかく飛び込むことが大事だと感じました。そういう意味では有希子ちゃんは興味を持ったらすぐに実戦するもんね。
池田:でも、健ちゃんもミュージカルやってるから!
大沢:今さらちょっと遅ればせながら。最近やっと何でもやるべきだなと思うようになりましたね。
池田:本当、後悔だらけですよ! もっと若いときに頭が良かったらなって思いますし。今作についても初演のときの後悔もあるし。私初演のときに、すごく欧米的な脚本の読み方をしていて。最初に「ユタ州スプリングデールで起きた殺人事件~」というところから始まるんですけど「いつどこでだれが~」という5W1Hってあるじゃないですか。
アメリカ的な読み方だと、とにかく物語の設定が「いつどこで」というのがとても大事なんです。人間が究極の状況でどのように感情を発露してどう行動するかというテーマは国/文化問わず脚本で大事にされますが、アメリカ戯曲だと「いつどこで」ということが前情報として登場人物の行動や思考にものすごく影響するので、そのような読み方をしてしまっていた後悔があります。
東山:そういう意味だと僕は、本当に英語を勉強しておけばよかったなと思いました。海外のミュージカル作品に出させていただくときに、英語で喋れる人たちが結構な頻度で、「ハッハー!」って笑ってるんですけど、僕は全然笑えなくて……(苦笑)。
でも、僕だけわからない感じで聞き直すのもあれだし。海外の方ってすごくユーモアを入れながら喋るじゃないですか。演出に関係のないところでみんなが笑っていたりすると、後で「何で笑ってたの?」と聞いたりしています(笑)。
池田:今からでも遅くないよ!
東山:ですよね。励まされました、ありがとうございます。