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木村達成主演。KERA CROSS第四弾『SLAPSTICKS』東京凱旋公演が開幕! 「舞台に立てる喜びと感謝を胸に、生きた証を刻みます!」

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劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の戯曲の中から選りすぐりの名作を、才気溢れる演出家たちが異なる味わいで新たに創りあげる連続上演シリーズ“KERA CROSS(ケラクロス)“。

2019年の第一弾『フローズン・ビーチ』(演出:鈴木裕美)、2020年の第二弾『グッドバイ』(演出:生瀬勝久)、2021年の第三弾『カメレオンズ・リップ』(演出:河原雅彦)と上演を重ね、シリーズ第四弾となる今回は、幅広い世代から支持を得る最注目の若手クリエイター・三浦直之(ロロ)がKERAの描く極上のロマンチック・コメディ『SLAPSTICKS』に挑む!

既に昨年12月25日にシアター1010で幕を開けた本作は、その大阪、福岡、愛知を巡り、2月3日より最終公演の地・シアタークリエ公演を迎えることとなった。

ゲネプロの前に行われた囲み取材には、主人公ビリー・ハーロック役の木村達成、アリス・ターナー役の桜井玲香、中年のビリー役を演じる小西遼生、メーベル・ノーマンド役の壮 一帆、ロスコー・アーバックル役の金田 哲(はんにゃ)、マック・セネット役のマギーが登壇し、地方公演を通じて感じた手ごたえやキャスト同士の舞台裏での親交エピソード、そして改めて作品にかける意気込みを語った。

まずは主演の木村達成が「最初にシアター1010でやって、大阪・博多・名古屋に行き、新型コロナの感染が拡大している中、こうして東京に帰ってくることができて本当にうれしいです。この作品は時代によって変わって来る作品だと演出の三浦さんがおっしゃっていたんですけど、本当にそうだなと思って・・・・・・。お客様がビリーというフィルターを通して1920年代にタイムスリップしていただければと思います」とコメント。

続いて桜井が「こうして今日、シアタークリエに立てて気持ちが引き締まるというか、こうした状況の中で今日開幕できることが本当にありがたく思います。1公演1公演全力でやることを心にとどめながら演じたいです。去年の末から本番がはじまっていますが、回を重ねるごとにまったく違う作品に進化しているなと感じているので、試行錯誤をした末のシアタークリエということで、完成に近づいていくこの作品を少しでも多くの方に観ていただけるように頑張りたいと思います」と瞳を輝かせる。

小西は「地方公演が始まったのが12月なので、かなり長い事この作品をやっているような気がして・・・・・・。今、改めて意気込みとかを聞かれると、初日のような緊張感はなくリラックスした状態で迎えることができていますし、お客様もリラックスして観ていただければいいなと思っております。地方では大きな劇場が多かったけど、クリエは客席との距離が近い劇場なので、サイレント映画の世界にどっぷりとお客様を引き込んでいきたい」と語った。

壮は「言いたいことは皆さんが言ってくださったので(笑)、私は憧れのKERAさんの脚本で舞台に立てる喜びを噛みしめながら一生懸命頑張りたいと思います」と笑顔を見せた。

伝説のコメディアン、ロスコー・アーバックルを演じる金田は「喜劇と悲劇の間を彷徨う役ということで稽古では大変苦労しました。公演中に僕自体はどんどん痩せていってるので、最終日まで痩せないように頑張っていきたいと思っています」とコメントすると「それがシアタークリエ公演への意気込みですか?」と木村からツッコミが入り、共演者から笑いが起きる一幕も。

また、「毎日舞台に立つと客席にはお客様がいる・・・・・・そんな当たり前の事に日々感謝しています」と語るマギーの言葉には、共演者一同大きくうなづいていたのが印象的だった。

続いて「公演期間中に見えた共演者の意外な一面は?」という質問に、「暗い楽屋に居る遼生さんが少しだけ稲川淳二さんに見えて・・・・・・」と答えた金田に、「よしなさい!」と食い気味に小西がかぶせて、まるでコントのようなやり取りに。

そんな金田は、名古屋公演に訪ねて来た両親との“ほのぼのエピソード”を暴露され「一緒に写真撮らないのとか、小学生みたいないじり方をされました」と照れていた。

マギーは最終の通し稽古の時に椅子に座るシーンで桜井が後ろにイスがないのに気づかず豪快にひっくり返ったエピソードを披露し、「すごいSLAPSTICKS(喜劇)を見せてもらった。ステキでした」と語ると、木村も「みんな、あの出来事で心をつかまれました。ナイスコメディって(笑)」と続け、カンパニーの仲の良さが伝わって来た。

その桜井は、壮と一緒の楽屋で“女子トーク”に花を咲かせ、公演初日にケーキでプチクリスマスパーティーをした事を印象的な出来事として挙げ、壮も「玲香ちゃんは元アイドルグループのリーダーで私は元宝塚のトップスター。同じように女性ばかりの世界でやってきた共通点、それぞれ引っ張っていく立場で観た時の価値観の違いとかを話していて、それが面白いなと思いました。それと、ここではお話できないような深いことも・・・・・・どんな内容だったかはご想像にお任せします。ふふふっ」と二人顔を見合わせていた。

また、木村について金田が「達ちゃんはすごくふざけられるお茶目な後輩だけど真面目な部分もあって、誰よりもセリフの練習をしています」と褒めるのを聞いた小西は、「でも彼には真面目な部分と破天荒な部分があるんですよ。朝、だいたい赤ら顔でやってきて「昨日も家でハイボール26杯飲みました」とか言うんです(苦笑)。そんな両極端のやんちゃさがあって、それが役柄にも出ているかなと思います」とニヤリ。

いきなりの暴露に「僕が演じるビリーが請け負うダメージみたいなものが大きかった分、飲まないとやっていけないなと思ったんですよ(苦笑)。役を家に持って帰るとおかしくなっちゃいそうだったので、できるだけ稽古場で終わらせて、家では我に返ってプライベートの時間を作ろうと思って、そういう形になりました」と慌てる木村。その姿に、再び取材陣から笑いが起こった。

和やかな雰囲気が漂うカンパニーについて、マギーは「この座組を最初に見た時、それぞれの“畑”がバラバラで(笑)。でもここまでやってきて、いい意味でまとまっていないけれどバラバラであることでそれぞれがキラキラ輝いている気がします。KERAさん本人が書いた時に気が付かなかったけど、三浦さんの角度で演出されることで風合いの違った作品になっていますし、このキャストで演じることで全く新しいものになっていると思います。初演や再演を観た方にも、このKERA CROSS版を楽しみに見ていただける魅力ある作品になっていると思います」と自信をのぞかせる。

壮は「KERAさん独特のセリフ回しのリズムが、ここに来てこのチームならではのものが確立されてきている気がします。そのあたりもぜひ楽しんでいただきたいです」と見どころ語り、桜井も「サイレント・コメディーなので、作り手側はしっちゃかめっちゃかやりながら創っていってるんですけど、無駄なものが削ぎ落されたような洗練された演出とストーリーが押しつけがましくない作品になっていると思います。観る側に考える余地を持たせてくれるステキな作品です」とアピール。

小西は「実在した人物と想像上の人物、事実と虚構が入り混じっているというのがすごく面白い作品」と魅力を語り、金田も「登場人物が全員変なんですけど、これが喜劇を作ろうとしていた先にある人の強靭さなのかと思いました。正解はないけれど、人によってとらえ方が違う作品だと思うので、ぜひ(舞台を観ていただいた方と)意見交換会とかしてみたいですね」と笑顔を見せた。

最後に木村の「お客様からの拍手を浴びたいですが、こういう状況なので無理をなさらずに観に来ていただきたいという気持ちはキャストのみんなが思っていることです。ただ僕たち役者というのは、舞台の上、そしてカメラの前でしか生きられないようなものなので・・・・・・。コロナ禍の中でも、役にも通じるようなサイレント・コメディーを生きた僕たち、今コロナ禍で役者をやっている僕たちが生きた証というものをお客さまに感じとっていただきたいなと思うので、ぜひ劇場でお待ちしております!」という熱いメッセージで、会見は終了した。

KERA CROSS第四弾『SLAPSTICKS』は、2月17日まで日比谷シアタークリエにて上演。

文・撮影:近藤明子

ビリー・ハーロック役 木村達成さんインタビュー(前編)はこちら

ビリー・ハーロック役 木村達成さんインタビュー(後編)はこちら

KERA CROSS第四弾『SLAPSTICKS』シアター1010初日公演観劇レポートはこちら

公演概要

KERA CROSS第四弾『SLAPSTICKS』

作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:三浦直之(ロロ)

出演:
木村達成、桜井玲香、小西遼生
壮一帆、金田哲、元木聖也、黒沢ともよ、マギー
亀島一徳、篠崎大悟、島田桃子、望月綾乃、森本 華(以上、ロロ)
羽鳥翔太、柏木凱斗

公演日程:
東京・シアター1010
2021年12月25日(土)・26日(日)

大阪公演 サンケイホールブリーゼ
2022年1月8日(土)~1月10日(月)

福岡公演 博多座
2022年1月14日(金)~1月16日(日)

愛知公演 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
2022年1月28日(金)

日比谷・シアタークリエ
2022年2月3日(木)~17日(木)

公式サイト:https://www.tohostage.com/slapsticks/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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