佐奈宏紀×平野良インタビュー ミュージカル『あなたの初恋探します』 「韓国ミュージカルはストレートな表現で言葉通りに届けられる」(前編)
INTERVIEW
――今回平野さんは、20役以上をおひとりで演じる”マルチマン”となりますが、お稽古をしていて難しいなと思う部分はありますでしょうか。
平野:こんなことを言うと好感度が下がるかもしれないのですが、あまり苦労していないです(笑)。既に『ハンサム落語』でも、15~20分の落語のなかで10人以上の演じ分けをしていたので。全体的なバランスとして、どの人物をどのように登場させるかということを考える必要はありますが、演じ分けで本当に難しいのは1人3役くらいです。
昨年、真逆の2役を演じたのですが、そちらの方が難しいと感じましたね。1人2~3役となると、本当にその人の人生を歩んでいないと面白くなくなるんです。それが20人となると、20人全員の人生を生きなくてもネタとして演じられるというか。逆に生きた20人全員が出てきてしまうと、ごちゃごちゃして作品が面白くなくなってしまうので、少し浅めに20役を演じる方が、逆に苦労がないんです。
佐奈:そうは言っていますが、僕は平野さんから20人それぞれの人生を感じますよ! この人は孫がいるとか、妻も子供もいるけど今は1人になってしまったとか。それを深すぎないところで伝えられているのは、平野さんの実力だと思います。自然に出来ちゃってるんですよね。