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小関裕太×木村達成インタビュー ミュージカル『四月は君の嘘』「この作品が、観る人の孤独や苦悩を癒せるものになれたら」(前編)

INTERVIEW

――曲についてもお話を伺いたいのですが、最初に曲を渡されて聴いた時の印象と、実際に歌ってみて難易度の高さに苦戦した点などありましたら・・・・・・。

小関:聴いた瞬間「すごくキャッチーな曲だな」と思いました。いろんな方から「“ワイルドホーン節”っていうのがあるんだよ」なんて話を聞いていたので、それも感じつつ・・・・・・。例えば「僕にピアノが聞こえないなら If I Can’t Hear The Music」っていう曲は、楽譜をいただいてその場ですぐ覚えちゃうくらいすんなり身体に入ってくる感じがありました。

あと、2019年の12月に出演した「FNS歌謡祭」のミュージカル特集の日に『四月は君の嘘』のキャストで出演させていただいて歌ったんですけど、その後に出演したトーク番組でご一緒したミュージカル界の先輩が「FNS歌謡祭で観たよ」って目の前で歌ってくださったんです。「え? 1年以上前の番組なのに覚えてるんですか?」ってビックリしました。そのくらい覚えやすくて「歌いたくなる」パワーが詰まっている曲だと感じましたね。

――キャッチーではありますが、パワーの必要な曲ですよね。それが“ワイルドホーン節”なのですが(笑)。

小関:そうですね。キーがすごく高い! 今回、有馬くんが“苦悩”する物語なので、常に苦悩して心の内を叫んでいるみたいな曲もあります。声を張り上げて、張り上げて、張り上げて・・・・・・最後、張り上げて終わるみたいな(笑)。本格的な稽古はこれから始まるんですけど、バナナをめちゃくちゃ食べようと思います(笑)。

木村:僕も曲を聴いた瞬間は「キャッチー」「楽しそう」と思ったけど、実際に歌ってみたら「地獄」だった(苦笑)。

一同、爆笑!

木村:まぁ「地獄」は言い過ぎですが(苦笑)、「こんなの無理!」って正直思いましたね。だって、ブレスが全然とれないんだもん。

小関:あぁ~(大きくうなずく)。

木村:とにかく、一筋縄ではいかない楽曲ばかりだなって思いましたね。僕が歌う「映画みたいに Just Like A Movie」っていう曲は、最初にいただいた楽曲から編曲のジェイソン・ハウランドさんがすごく手を加えて、バケモンみたいな曲へと変貌を遂げていて対応するのに精いっぱいです(笑)。いざ改めて歌うってなった時に「どこまで歌えるのかな?」と思いますし、稽古が目と鼻の先まで近づいている今、恐怖と楽しみの感情で頭がゴチャゴチャになっています(苦笑)。

――木村さんはコメント映像で「絶対に世に出なくちゃいけない作品だ」とおっしゃっていましたが、その理由は?

木村:僕、こんなにアグレッシブになって歌って楽しかったのは、学生時代に合唱コンクールで歌った時以来の感覚だったんです。みんなで歌ってひとつになれた――。もちろん物語の中では公生ひとりで歌う瞬間もあるんですけど、みんなで歌っている時間が楽し過ぎて。なかなかこの歳になると、そんな気持ちを味わうことってないじゃないですか。だからリーディング・ワークショップ(※実際に俳優たちが歌い、演じながら、脚本や音楽を練り上げていく創作方法)を経て「絶対に世に出さなきゃいけない!」と強く思ったし、何よりアニメや漫画は世界に通用する日本の文化じゃないですか。

だからこそ海外のクリエイターの方々も力を貸してくれるんだと思いますし、この作品が日本だけにとどまらず世界に羽ばたいていけたらいいなという気持ちで「絶対に世に出さなければいけない」と言いました。

――みんなで歌うのが楽し過ぎたって素敵ですね。木村さん、歌うのがお好きなんですね。

木村:いやいや(苦笑)。前までは、それこそ公生のように「僕なんかが・・・・・・」じゃないですけど、ソロ曲を任されて歌うことに対しての恥ずかしさや抵抗がありました。歌の上手い人なんていくらでもいるし「僕ならではの表現は“これ”なんだ」っていう確信をまだ持てていなかったし。でも、そんな僕に勇気を与えてくれるメンバーがいて、共演者として、役として常に背中を押してくれるような感覚を覚えてからは「楽しんで全力で歌えるかもしれない」と思えたんです。たとえ舞台上には自分一人しかいなくても、常に誰かが寄り添っていてくれている――。そんな感覚を持てました。

取材・文:近藤明子
Photo:くさかべまき

インタビュー後編はこちら

公演概要

ミュージカル『四月は君の嘘』

2022年5月7日(土)~ 5月29日(日)
日生劇場

キャスト:
有馬公生:小関裕太/木村達成(Wキャスト)
宮園かをり:生田絵梨花
澤部椿: 唯月ふうか
渡亮太: 水田航生/寺西拓人(Wキャスト)
かをりの母:未来優希 かをりの父:原慎一郎
審査員:ひのあらた 審査員:三木麻衣子
井川絵見:元榮菜摘 相座武士:ユーリック武蔵 三池俊也:中村 翼
飯塚萌木 石井千賀 片岡芽衣 柴田実奈 杉浦奎介 須田拓未 高瀬雄史 千歳ふみ
角田萌夏 露詰茉悠 中野太一 松村桜李 山﨑感音 山野靖博 吉井乃歌 吉岡花絵

原作:新川直司(講談社「月刊少年マガジン」) 
脚本:坂口理子
作詞・作曲:フランク・ワイルドホーン 
作詞:トレイシー・ミラー/カーリー・ロビン・グリーン 
編曲:ジェイソン・ハウランド
訳詞・演出:上田一豪
音楽監督・指揮:塩田明弘 
音楽監督補:小澤時史 
振付:藤林美沙 
演奏場面振付:長谷川 寧
美術:伊藤雅子 
照明:吉枝康幸 
音響:山本浩一 
衣裳:十川ヒロコ  
ヘアメイク:岡田智江(スタジオAD)
歌唱指導:やまぐちあきこ 
稽古ピアノ:中野裕子/石倉江里子 
指揮:田尻真高 
オーケストラ:東宝ミュージック/ダット・ミュージック
舞台監督:廣田進
演出助手:石川和音
制作:中村真由美
制作助手:加藤恵梨花
アシスタントプロデューサー:清水光砂
プロデューサー:服部優希・白石朋子・田中利尚(東宝)/飯田聖子・岡本真由子・青木僚平(フジテレビジョン)

製作:東宝/フジテレビジョン

一般前売開始:2022年3月5日(土)

チケットお問合せ:
TEL:03-3201-7777 東宝テレザーブ

公式ホームページ: https://www.tohostage.com/kimiuso/

2022年6~7月 全国ツアー公演あり
※詳細は公式ホームページをご覧ください。

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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