ウエンツ瑛士インタビュー 『てなもんや三文オペラ』「舞台はひとりじゃないことをいちばん感じられる場所」（前編）

――ビジュアル撮影時のこともお伺いさせてください。ビジュアルと本番衣裳が同じではないこともよくありますが、撮影時にはどんなイメージで臨まれていましたか？

「ポスターと作品で、だいたい衣裳って変わるからねぇ」「そうですよねぇ」って言いながらやってました（笑）。それで「じゃあ、やりたいことやりまーす！」って、いろんなことをやってみた感じです。使われているカットは、その中でもわりとキャラクター性が見えない写真で。撮っている時にはむしろ（“娼婦”ジェニー役の）福井さんくらいな写真を撮るのかなと思って、枚数としてはそちらのほうが多かったんですよ。それで実際のポスターを見て、（そちらが使われていないということは）そういうことではないんだなって思ったんです。まだどんな感じに始まるのかは分からないですけどね。

――では、撮影時には特に指示はなかったんですね。

そうですね。ただ、『ブラッド・ブラザーズ』では僕だけ全く汚しがない役をやっているので、汚された喜びはありました。

――汚しがあった喜び、ですか（笑）。

他は全員かなり汚しがあるのに僕だけ何もないので、みんなが休憩中に「あぁ、もう始まるのに間に合わない！」とかやってる横で、僕はずーっと「やることないなぁ」って（笑）。だから汚しがあるのが嬉しいですね。あと、僕がこういうビジュアルを見る時に好きなのが、共演者のみなさんの表情を見ることなんです。まだ実際には（父・ピーチャム役の渡辺いっけいさんと、母・シーリア役の根岸季衣さんに）お会いしていないので、「あ、お父さんとお母さん、こういう感じか」とか（笑）。

森ノ宮に戻る時には「帰ってきた！」という気持ちになれたら

――先ほど関西弁についてのお話がありましたが、今回の舞台となるのは、大阪の中でもまさに森ノ宮ピロティホールがある森ノ宮周辺ですよね。これまでになにか、大阪での思い出深いエピソードがあったら聞かせてください。

大阪……どうでしょうね。自分は散歩が好きなので、ただただひたすら1〜2時間歩いて回ったりというのは、どこに行ってもよくやりますね。地方公演で行っていた福岡の久留米でも、マスクをしたままずーっと歩き回ってたんですよ。それだけでも土地の空気感だったりが分かるので、また今回もやりたいです。あとはやっぱり、今まで大阪は公演をしにいく旅公演の場所っていう感覚だったんですけど、この作品をやることで少し本拠地になって、そこから「東京へ公演に行っている」くらいの気持ちで東京公演をスタートできたらいいなと。で、森ノ宮ピロティホールに戻る時には「帰ったきた！　ただいま！」くらいになれたらベストかなと思います。

取材・文：古原孝子
Photo：野村雄治

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公演概要

パルコ・プロデュース2022　『てなもんや三文オペラ』

作・演出：鄭義信
原作：ベルトルト・ブレヒト
音楽：クルト・ヴァイル
音楽監督：久米大作

出演：
生田斗真 ウエンツ瑛士　福田転球　福井晶一　平田敦子
荒谷清水　上瀧昇一郎　駒木根隆介　

妹尾正文　五味良介　岸本啓孝　羽鳥翔太　大澤信児　中西良介　近藤貴郁　神野幹暁

根岸季衣　渡辺いっけい

演奏＝朴勝哲

スタッフ：美術：池田ともゆき　照明：増田隆芳　音響：井上正弘　衣裳：半田悦子　ヘアメイク：宮内宏明　振付：広崎うらん　歌唱指導：西野誠　稽古ピアノ：國井雅美　擬闘：栗原直樹　方言指導：山本篤　演出進行：松倉良子　舞台監督：藤本典江　
宣伝美術：榎本太郎　宣伝写真：森崎恵美子　宣伝衣裳：森保夫　宣伝ヘアメイク：大宝みゆき

＜東京公演＞
2022年6月8日(水)～30日(木)
PARCO劇場（渋谷PARCO ８F）
https://stage.parco.jp/

＜宮城公演＞
2022年7月4日(月)～5日(火)
東京エレクトロンホール宮城（宮城県民会館）

＜福岡公演＞
2022年7月9日(土)～11日(月)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール

＜大阪公演＞
2022年7月16日(土)～24日(日)
森ノ宮ピロティホール

＜新潟公演＞
2022年7月30日(土)～31日(日)
新潟テルサ

＜長野公演＞
2022年8月6日(土)～7日(日)
サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール

企画・製作：株式会社パルコ

公式サイト：https://stage.parco.jp/