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廣野凌大×山口乃々華インタビュー a new musical『ヴァグラント』 「ミュージカルの持つ“熱”と彩り豊かな時間を皆さんにお届けします!」(後編)

INTERVIEW

ロックバンド「ポルノグラフィティ」のギタリスト新藤晴一がプロデュース・原案・作曲・作詞を手がけるオリジナルミュージカル『ヴァグラント』が今年8月19日(土)から東京、9月15日(金)から大阪で上演されます。

脚本と演出は『FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』『魍魎の匣』『October Sky-遠い空の向こうに-』といったミュージカル作品で知られる板垣恭一氏が担当。

主演は『RENT』『キングアーサー』など話題作に数多く出演する平間壮一さんと舞台『鋼の錬金術師』エドワード役の熱演も記憶に新しい廣野凌大さん。ヒロインは『レ・ミゼラブル』30周年記念公演でコゼット役を演じNHK連続テレビ小説『エール』でドラマデビューを果たした小南満佑子さんとミュージカル『SPY×FAMILY』で演じたポーカーフェイスな女性諜報員、フィオナ・フロスト役が好評な山口乃々華さんがそれぞれダブルで務め、共演には水田航生さん、上口耕平さん、玉置成実さん、美弥るりかさん、平岡祐太さんら実力派キャスト陣が名を連ねます。

大正時代のとある炭鉱の街を舞台に、“マレビト”と呼ばれる芸能の民・佐之助(平間壮一/廣野凌大)と、街で生まれ育った幼馴染の政則(水田航生)、譲治(上口耕平)、トキ子(小南満佑子/山口乃々華)との出会いをきっかけに過去の事件が暴かれ、多くの坑夫たちを巻き込んだ騒動へと発展していく様を描く本作。

取材の直前には、『日比谷フェスティバル』(NESPRESSO presents Hibiya Festival 2023)のステージに平間、廣野、小南、山口、水田、美弥が登壇し劇中歌を披露。従来のミュージカル楽曲とは趣が異なるロック×和テイストあふれるサウンドに、道を歩く人々も思わず足を止めて興味津々でステージを見つめ、その熱いまなざしにキャストたちも手ごたえを感じていたようでした。

イベント出演直後、まだ興奮冷めやらぬ様子の廣野凌大さんと山口乃々華さんに後編では、実際に楽曲を歌唱した感想や共演者の方々の印象についてうかがいました。

インタビュー前編はこちら

Wキャストならではの、魅力を表現できたら……

――先ほどイベントのステージで披露した歌ですが、和のテイストの印象的な楽曲でした。実際に歌ってみていかがでしたか?

廣野 難しいけど、楽しい曲ですね。僕らがあの曲を歌う意味を考えたんですけど、コロナ禍が落ち着いても今もまだどこかで引きずっているところがある。でも江戸時代に流行した“ええじゃないか”(※江戸時代末期に民衆が「ええじゃないか」と連呼しながら集団で熱狂的に踊った騒動)のように、大衆がバカ騒ぎして「楽しければいいじゃん」みたいな考え方は、今までも多分これからも続く普遍的なものだと思うし、それがエンタメになったのが今の芸能だから、それを象徴するような歌だなと思いました。劇場でお酒は呑飲めないけれど、一緒に宴をやっているみたいな感覚で楽しく見ていただければいいなと思いながら歌いました。

山口 1曲目に歌った「祝い唄」は、本当に“お祭り”って感じの曲ですよね。今まで私が観たミュージカルの曲で、お客さんと一緒に盛り上がろうみたいな曲はあまりなかったので、すごく一体感が生まれそうで今から楽しみ! 逆に『月の裏側』という曲は、トキ子と正則(水田航生)と譲治(上口耕平)の幼馴染3人で歌う曲なのですが、「それぞれ見ているところは違えど同じ気持ち」みたいな心情が表現された曲になっています。譲治役の上口さんとはビジュアル撮影の時にご挨拶しただけでまだ一緒に歌ったことはないけれど、3人がそろった時には今日歌った感覚とはまた違った気持ちになるんだろうなと考えながら歌っていました。

――ほかの共演者についても印象を伺えますか?

廣野 僕、キャストの中では最年少なんですけど、皆さん本当に素敵なお兄さん・お姉さん方なんです。今日のイベントのためのリハーサルでも頼もしい背中を見せていただけたので、もうすぐ始まる稽古の中で早く皆さんに追いついて、あわよくば追い越したいなと思っています。皆さんから学びながら少しでも吸収して自分のものにして、一緒に素晴らしいステージを作っていきたいと、メラメラ闘志を燃やしながら頑張ります!

――廣野さんは、同じ“マレビト”を演じる美弥さんとのシーンが多くなりますか?

廣野 そうですね。美弥さんが演じる桃風と佐之助は子弟のような関係です。初対面の時の美弥さんはオーラがすごくて近づきがたいイメージでしたけど、お話してみるとすごく気さくで、素敵な「姉貴」。なので稽古では甘えまくろうと思ってます!

――山口さんはどうですか? 共演者の方々の印象は。

山口 全員初共演の方なので、最初は緊張でガチガチだったのですが、リハーサルの時にお話しをしたら皆さん面白くてとてもプロフェッショナルで、ふとした瞬間に人間味が垣間見えて「あぁ、チャーミングだな」って思いました。「この人たちのことを、もっともっと知りたいな」と思っています。もちろんお芝居も歌も素晴らしい方々なので、稽古が始まったらすぐ近くで勉強させていただこうと思っています。

――山口さんならではの現場での居方や共演者との距離の詰め方はありますか?

山口 私は、ちょっと足りていない部分が多いので、「可愛がってもらいたい」と思いながら甘えてしまっています(苦笑)。よくないですね。

廣野 そういう甘え上手なところはうらやましいな。僕は誰に対してもこんな感じだから、嫌いな人はとことん嫌いだと思うんです。僕の事が苦手ならそれでいいし、逆に好きでいてくれる人は大切にしたい。でも今まで僕を「嫌いだ!」っていう人にはあまり出会ったことがないんですよ。なんか好かれちゃうんですよね(笑)。

――ところで、今回の役はダブルキャストなので意識せずとも相手のことを気にしてしまうと思いますが、その点はいかがでしょう?

廣野 ちょうど1つ前の舞台『鋼の錬金術師』で演じた役がダブルキャストだったので、ある意味ダブルキャストに慣れているし、なれているからこそ「もっとこうしとけばよかったな」という前回の反省を持って挑んでいかなくてはと思っています。壮くん(平間壮一)に対してリスペクトしつつ、それぞれ魅力的な佐之助が演じられたらいいですし、舞台経験が豊富な壮くんのお芝居からは刺激を受けることも絶対に多いので、臆せずくらいついていきたいですね。

山口 私も、お芝居や歌などの技術面で小南さんからたくさん学ばせていただきながら、ちゃんと自分なりのトキ子を作り上げたうえで「私は私」で演じたいなと思っています。まだそんなに回数は会っていないのですが、小南さんとは年も近いですし、緊張せずにお話ができそうな優しい雰囲気の方ですし、なにより男前な魅力がある方だとスタッフさんからも伺っているので頼らせていただこうと思っています。

――最後に、お二人が思うミュージカルの魅力・楽しみ方を教えてください。

廣野 「ミュージカルでなぜ歌うかというと、それは僕らが演じる中であふれてしまった感情が歌になるからだ」と晴一さんがおっしゃっていたんですけど、これってすごいことですよね! ストレートプレイとかでは味わえない、ミュージカルならではの熱量みたいなものは僕もすごく好きで、『ヴァグラント』でもその“熱”をまとえるんじゃないかなと今からゾクゾクしています。この夏、一番熱い舞台にするので楽しみにしていてください! 

山口 私はミュージカルを観に行くと魔法にかかったみたいにその時間が彩り豊かになるところが大好きなんです。役者ひとりひとりが誠心誠意役と向き合い、作品の世界観を表現しているからこそ、その魔法が発動するんだと思うとワクワクします。自分もしっかりと観ている人に魔法をかけてあげられるように、『ヴァグラント』の世界をしっかりと作りあげていきたいと思います。ぜひ楽しみに劇場にお越しください。

取材・文:近藤明子
Photo:MANAMI

インタビュー前編はこちら

公演概要

a new musical『ヴァグラント』

【東京公演】2023年8月19日(土)~8月31日(木)明治座
【大阪公演】2023年9月15日(金)~9月18日(月・祝)新歌舞伎座

プロデュース・原案・作詞・作曲:新藤晴一(ポルノグラフィティ)
脚本・演出:板垣恭一

出演:平間壮一・廣野凌大(Wキャスト)/小南満佑子・山口乃々華(Wキャスト) 水田航生 上口耕平 玉置成実/平岡祐太 美弥るりか 他

公式HP https://vagrant.jp/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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