藤原祐規×大河元気インタビュー『RAMPO in the DARK』「朗読劇は普通の舞台以上に想像力を使う見せ物」（前編）

2022.06.21

INTERVIEW

2022年6月22日より東京・神田明神ホールにてリーディングシアターVol.3「RAMPO in the DARK」が上演されます。

本作は、江戸川乱歩の耽美的な世界をリーディングとして上演する作品の第三弾。今回は「疑惑」「陰獣」の2作品が、23名の豪華出演者によって上演されます。

THEATER GIRLは、藤原祐規さんと大河元気さんにインタビュー。前編では、本作への出演が決まったときのお気持ちやお二人が感じる「朗読劇の魅力」についてお話をうかがいました。

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前回以上にパワーアップしたものが出せるようにしたい

――藤原さんも大河さんも、以前本作に出演されていましたが、改めて今回出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか？

藤原：まずはありがたいことだなと思いました。僕が出た第一弾は短編を3本やったんですけど、細かい掛け合いというよりは、長台詞が多かったので、すごく難しい印象があって。今回どうなるのかは、まだ台本を拝見していないのでわからないのですが（取材時）、やはり難度の高いものになるのではと思ったので、ちょっと身の引き締まる思いでしたね。

大河：以前、第二弾に出させていただいて、今回第三弾に呼んでいただいたので、第二弾で上手いことやれたのかなと（笑）。でも、きっと呼んでいただけたことに、なにか意味があると思うので、前回以上にパワーアップしたものが出せるようにしたいなと思います。

ダークな世界観をギリギリ攻めていけるのが「RAMPO in the DARK」

――今回、江戸川乱歩の作品を朗読劇というスタイルで届けることになりますが、どのように表現したいと考えていらっしゃいますか？

藤原：まずは、原作を読んだときに心が動いたポイントというのを外さずに、僕自身が感じたことを伝えたいなと思っていますし、客席で観たときに感じた感動も的確に伝えたいなと思いますね。

それから、今回僕が初日で、小林ゆうちゃんと代永翼くんとやるんですけど、なにやら小林ゆうちゃんが前回すごかったという噂を聞きまして……めちゃくちゃ怖かったと。でも、現場でご一緒したときも「その切り口なんだ！」と感じさせてくれる女優さんだったので、楽しみでもありますが、やっぱり怖いですね（苦笑）。

――キャストの組み合わせによって雰囲気や世界観が変わりそうですし、そのような部分も見どころになりそうですね。

藤原：そうですね。キャストを見てるだけでも全然違うんだろうなという感じなので。だからお客さんにしてみたら、3回観たら3回ともまったく違うものが観られると思うのでお得な作品だと思います。

大河：元々、江戸川乱歩の作品は読んでいたので、あのダークな世界観をどこまで出していいんだろうと思いました。やろうと思えばどこまででもできるけど、やりすぎると上演できなくなってしまうので。そういったギリギリを攻めていけるのが、この「RAMPO in the DARK」だなと。もう少し柔らかい内容のものが多い中、かなりダークな世界観で、タイトルにもダークという言葉を入れているので、そこは観に来てくださる皆様もある程度覚悟していただけているとは思うので、「やったるぞ」という気持ちで舞台に上がろうと思います。

――お客様はダークな世界観を覚悟して来てくださいという感じでしょうか。

大河：アンケートに「怖かったので二度と来ません」と書かれるくらいのものにしたいと思います（笑）。

藤原：第四弾から大変だね（笑）。

大河：でも絶対に来てしまう、癖になる何かがこの「RAMPO in the DARK」という作品にはあると思うので、そこをしっかり出せるように頑張ります。

朗読劇は「普通の舞台以上に想像力を使う見せ物」

――今回は世界観のある朗読劇になっていますが、お二人が感じる「朗読劇の魅力」について聞かせてください。

藤原：やっぱり朗読劇は動きがない分、すごくお客様の聴覚に頼った観劇の仕方になると思うんです。なので、普通の舞台以上に想像力を使う見せ物だと思います。そういった意味では、ちゃんとイメージをさせることができれば、広がり方が無限だなと思うんですよね。

例えば、僕はよくゲームをするんですけど、ゲームの話で言うと、小さい頃にやっていたゲームってボイスとかは全然入っていないので、自分の頭の中で再生してたんですよね。でも今は、声優さんがすごく完璧な声をつけてくれるので、物語としての完成度はすごく上がってると思うんですけど、逆にあまり想像しなくなったというか。それっていいことでもあり、ちょっと悪いことでもあるなと感じていて。

だからそういった意味では、僕たちが朗読することで、頭の中でどんどん想像してもらって、イメージを広げてもらう、そういうものになったら素敵だなと思います。

大河：朗読劇を観る側ではなく、演じる側の立場だけで言うと、朗読劇ってものすごく恐ろしいもので、ただ本を読むだけでも成立してしまうので。それこそ、どこまでの完成度になるかは、演出だったりセットだったりもそうですけど、けっこう役者の力が試されるところだと思うんです。しかもマルチキャストだと、多い人で2回、人によっては1回しかやらない、となるとかなり集中力のある1本勝負になりますし。こんなにヒリつくことはそうないので、演じる側からするとすごく嬉しいことですけど怖いですね。

――ちなみに、他日程の組み合わせやキャストの方をちょっと意識されたりすることもあるのでしょうか？

大河：あります？

藤原：何も考えないですね。

大河：逆に、本当にプロの声優さんたちが揃っているので、同じことをやろうとも思わないし、ならないだろうなとも思っていて。違うものを作っているくらいのイメージではありますね。観たら影響されちゃいそうなので、本当にマイペースでいきたいと思っています。

取材・文：THEATER GIRL編集部

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