植田圭輔×佐々木喜英インタビュー 舞台『文豪ストレイドッグス STORM BRINGER』「作品やキャラクターの良さを伝えたい気持ちは変わらない」(前編)
――本作は『太宰、中也、十五歳』の一年後のお話となりますが、植田さんの思う前作との変化や大事にしている部分がありましたら教えてください。
植田:前作から一年経っているということと、”羊”という組織の王から”ポートマフィア”という大きな組織の構成員の1人になったという部分が大きい変化だと思います。
仲間思いなところは言葉以上に行動で見えてくるものですが、仲間を思うことや誰かを嫌うことはとても人間らしい部分だと思うので、そこは変わらずに。今回は自分が人間か否かというところが作品の一番の肝で、人間だとか人間ではないとか言われながらも一番人間らしい行動をしていて、いい意味で中也のキャラクターはすごく矛盾していると思っています。今まではあまり意識していなかったのですが、今回は”漂う”ことを意識しています。
――原作を読んだ時に、そういったイメージで決めていたのでしょうか?
植田:決めていたというより、作品が中也を軸においているので。自分の考えをかためていくよりは、ほぼゼロの状態の方が現場も回りやすくて、自分自身も楽でいられるかなと思いました。
――佐々木さんは、役作りにおいて「作っては壊している」とおっしゃっていましたが、役作りで意識していることがありましたら教えていただけますでしょうか。
佐々木:とくに大事にしたいのは、中也に対しての“救済したい”という気持ちを強く表現していきたいです。
他の2.5次元作品では原作のイメージをすごく大事にしていて、声優さんの話し方を毎日聞いて役に落とし込んでいたのですが、今回はそれができないので。イチから作っていくのに「こういう話し方でいいかな、こういうトーンでスピード感で話していいかな」という疑問が常にあって、引き続き稽古期間で作り上げていくことになると思います。
――植田さんは今回座長となりますが、改めて本作で座長を務めるお気持ちはいかがでしょうか。
植田:別に特別なことをしなくても大丈夫な人たちしかいないので、なにもしないでおこうと思っています(笑)。
どちらかと言うと中也を軸にした物語なので、そちらに重きを置いて、自分のやることをやっていたら形になっていくんじゃないかなと思うので。演出の中屋敷さん率いるチーム”文ステ”はいろいろと理解している人も多いですし、信頼しているので、なにも言うことはないですね。僕は、僕自身のやることを、精一杯やっていこうと思っています。