比嘉愛未×三浦翔平インタビュー 映画『親のお金は誰のもの 法定相続人』「自分自身のことも、人のことも許せたときに本当の愛情が生まれる」（前編）
2023年10月6日（金）から公開される、映画『親のお金は誰のもの 法定相続人』。
本作は、認知症、知的障害、精神障害などによって、十分な判断能力が伴わない本人に代わって法的な契約行為を行う「成年後見制度」の問題をテーマに、「相続」と「家族」の物語を描きます。
舞台は、三重県の伊勢志摩。真珠の養殖を営む大亀家の母・満代が亡くなり、認知症の疑いのある父・仙太郎に、財産管理の弁護士で成年後見人である弁護士・城島龍之介が近づく。時価6億円の真珠を巡り、巨額な財産をめぐって巻き起こる大騒動とは。映画「利休にたずねよ」「天外者」でタッグを組んできた、監督・田中光敏さん、脚本・小松江里子さんという最強タッグが織りなす、命でつなぐ家族の物語。
ダブル主演を務めるのは、比嘉愛未さんと三浦翔平さん。比嘉さんは大亀家の三女・遥海を、三浦さんは成年後見人として大亀家と関わる弁護士・城島龍之介を演じます。自分の利益ばかり優先する城島と、そんな城島に対立する遥海。予想外の連続に「学び」「笑い」「涙する」ハートフル・エンターテイメントに乞うご期待。
今回THEAER GIRLでは、比嘉愛未さんと三浦翔平さんにインタビューを敢行。前編では、出演が決まったときの心境やお互いの印象、ロケ地となった三重県伊勢志摩の魅力などをうかがってきました。
別々の現場でともに戦ってきた。「最終着地点で繋がれた感覚」
――先ほど、比嘉さんが部屋に入られたときに「久しぶり！」という会話もありましたね。今回、映画の撮影を通して、お互いの印象はどう変わりましたか？
比嘉：実は一緒のシーンは少なかったんですよね。最初の出会いと、あとはところどころで。ただ、私の中で、役柄が持つ葛藤は一緒だと思っていたので、別々の現場でお互い戦っていたような、ある意味同志の気持ちでいました。
なので、最後のシーンは特にその気持ちが通じ合った瞬間があって。ともに戦ってきて、最終着地点で繋がれた感覚でした。現場で過ごした時間というよりは、その一つ一つが印象的だったイメージがあります。
三浦：最後のシーンで（遙海が）「あなたが弁護士になったの、お母さんのためでしょ？ 気づいてないの？」と言うんですけど、そこの芝居がとてもよくて。
比嘉：きれいなシーンだったね。
三浦：龍之介が泣くシーンではないんですけれど、あの台詞をきっかけに、龍之介の内から出るもの、自分の母と向き合うという、いいきっかけをくれる場面だったので、あのシーンはぐっと来ました。
信頼を寄せる小松さんと田中監督のタッグに「内容が決まっていなくてもやります！」
――あらためて、本作の出演が決まったときの心境を聞かせていただけますか？ また、本作のテーマは成年後見人制度。こちらの制度については、もともとご存知でしたか？
比嘉：脚本の小松江里子さんは、私のドラマデビュー作品でもある朝ドラ『どんど晴れ』でお世話になって、それから仲良くさせていただいていました。小松さんが、ぜひ私にと言ってくださったのがまずはうれしかったですね。
田中監督とご一緒するのは初めてでしたが、手がけた作品をずっと拝見していたので、そのお二人のタッグに私が参加できるんだと本当に光栄でした。足を引っ張らないように、より良い作品を作るための一員としてがんばらなきゃという思いでした。
成年後見人制度については知っていたのですが、正直まだ自分には関係がないことだと思っていました。まだ両親も若いほうですし、遺産相続のことも少し先の話だと思っていたので、あまりきちんと向き合っていなかったんです。財産を守る制度だと分かっていても、それによるさまざまな問題があることは映画をきっかけに知ることができました。なので、私みたいにまだよく知らない人たちにも、この作品を通じて知ってもらえるのではないかと思っています。
三浦：お話をいただいたときは、もう即答で「内容が決まってなくてもやります！」と言いましたね。
成年後見人制度については、実はまったく知らなかったです。でも、他人事ではないということをこの映画をきっかけに知れました。
独特の気品を感じられる海は、日本の中でも伊勢志摩ならではの魅力
――今回の作品の舞台は、三重県の伊勢志摩。この地ならではの魅力や、印象に残っているエピソードはありますか？
比嘉：ほとんど伊勢志摩でのロケでした。観ていただいたら分かりますけれども、なんといってもやっぱり景色の素晴らしさ！ 伊勢志摩にしかない独特の気品といいますか。品がありますよね。
海といえば海だけれど、島々が連なる英虞湾は、日本の中でも稀有で守るべき大事な場所だと思います。だからこそサミットの地に選ばれたり、伊勢神宮があったり、エネルギー的にも清らかなものを感じるよね？
三浦：その通りですね。
比嘉：行ってみるとさらに感じるのですが、映像でも伝わるくらい清らかさがあって。そんな場所だから、人もご飯も、すべてがよかったです。
1ヶ月も居られたので贅沢でしたね。もう一度行きたいくらい、本当に。楽しかった思い出しかないです。日本だけでなくて、世界中でもあの独特な清らかな空気感のある場所はないと思います。
三浦：本当にいい場所でしたね。なんといっても人の良さですよね。ほとんど伊勢志摩の方々のボランティアで成り立っているところがありました。毎日ケータリングのご飯もおいしいし。
比嘉：皆さんが手作りでね、朝から。
三浦：あんな現場初めてでしたよ。
比嘉：本当に。皆さんとても協力的だったよね。
三浦：街並みも綺麗でしたね。撮休にはお伊勢さんにも行けたし、あとなんだっけ。船でちょっと行くところに世界のセレブたちが集まるというホテルがあって……。
比嘉：あー！ なんだっけ。
三浦：アマネムだ！ そういうというところがあるんですって。そこだけ泊まれなかったのがちょっと残念です。
比嘉：撮影ですからね。休みで行ってもらっていいですか（笑）？
三浦：そこに行きたかった（笑）。
比嘉：本当それくらい素晴らしい場所だったね。家族で行けると、いいんじゃない？
三浦：でも場所に行くまでが……ちょっと遠い。
比嘉：名古屋から近鉄に乗り換えて、4時間くらいかかるんですよ。翔平くんは、撮影中大変そうだったよね？ そのとき生放送のレギュラー番組もあったから。
三浦：そうなんです。東京まで車で帰っていました。
比嘉：私は行きっぱなしだったんですけど、彼は大変そうだなと思って。
脱皮したての伊勢エビは新鮮なうちにしか食べられないそう
――おいしいものも食べられたとうかがいましたが、何か印象に残っている食べ物はありますか？
三浦：自分は行けなかったんですけど、（比嘉さんは）行かれたんでしたよね？
比嘉：そうそう。地元の漁師さんで、牡蠣（かき）養殖をされている方がおもてなししてくださって、採れたての牡蠣と伊勢エビ。特に伊勢エビは普通のエビフライを出すくらいの勢いでバンバン出してくださって（笑）。しかもまだ外側の殻が柔らかいうちの……。
三浦：脱皮したての、ね？
比嘉：そうなんです。脱皮したての伊勢エビを出してくださって、それはなかなか外に出回らないんですって。やっぱり新鮮さが重要なので、そこでしか食べられない。
地産地消を大事にされている方たちが多くて、皆さん職人としてのプライドを持っているから、一つ一つの食べ物が本当においしかったです。食べ過ぎちゃうくらい、ちょっと危険でしたね（笑）。だから毎日走ってましたもん。
三浦：あ、走ってた。そういえば言ってましたね。
比嘉：山に向かって30分くらい走ってました。
――健康的！
比嘉：だからストレスはゼロでしたよ。本当に。
――きっとこのコメント見て、伊勢志摩の方も喜んでいらっしゃるでしょうね。
比嘉：いやいや、本当にお世話になりっぱなしでした。
三浦：僕は撮影終わってすぐ東京に戻って、また撮影しに行って終わったら東京へというスケジュールだったので、みんながおいしいものを食べたという話を聞いて……。
比嘉：あれ。でもどこか行ってたよね？
三浦：ちょっと時間が空いたら、気になったお店にガーっと行って食べて。
比嘉：特別にちょっと（お店を）開けてもらって食べたりしてたよね（笑）？
三浦：はい。おすすめなもの食べましたよ、しっかり（笑）。ミュージカルをやってから撮影に入ったので、（映画の）衣装合わせから6キロくらい最初は落ちてたんです。でも撮影してしっかり体重戻って、東京に帰りましたから（笑）。
比嘉：6キロも（笑）！
取材・文：矢内あや
Photo：渡辺美知子
【比嘉愛未】
ヘアメイク：AYA スタイリスト：後藤仁子
【三浦翔平】
ヘアメイク：石川ユウキ スタイリスト：根岸豪
作品概要
『親のお金は誰のもの 法定相続人』
2023年10月6日(金) シネマート新宿、イオンシネマほか全国公開
【出演】
比嘉愛未 三浦翔平
浅利陽介 小手伸也 山﨑静代（南海キャンディーズ） 松岡依都美
田中要次 デヴィ夫人 内海崇(ミルクボーイ) DRAGONGATE
石野真子 三浦友和
【主題歌】ビッケブランカ「Bitter」 (avex trax)
【スタッフ】 監督：田中光敏 脚本：小松江里子
【配給】イオンエンターテイメント、ギグリーボックス
【公式HP】https://oyanookane-movie.com/
【公式SNS】
Twitter：https://twitter.com/oyakane_movie
Instagram：https://www.instagram.com/oyakane
(C)2022「法定相続人」製作委員会
