原田優一×太田基裕インタビュー ミュージカル『ダブル・トラブル』「お客様が入ってやっと、この作品の醍醐味が分かった」(後編)
――舞台のストーリーにちなみまして、もしお二人が、作曲家、作詞家だとしたらどんな音楽を作りたいですか?
原田:今回使用されている曲は、ラップだったり、現代的な音楽だったり、いろんなジャンルがあるんですよ。
太田:そうですね。
原田:でも途中で、壮大なバラードが触りだけ入ってくる場面があって。それを丸々1曲作りたいかな。アリアのように歌い上げる感じで。「重いよ」って言われちゃうかもしれませんが(笑)。
太田:えー、僕はなんだろうな……。(少し考えて)ちょっと頭がおかしくなりそうな曲を作ってみたいです(笑)。
原田:それは、歌ありで?
太田:いや、歌なしで。インストゥルメンタルとして作りたいです。作詞というよりは作曲の方ですね。いろんな楽器をごちゃまぜにして、ちょっとカオスな感じにしてみたいです。
原田:えー、意外! シンプルで綺麗な音色が流れて……とか言いそうなのに(笑)。
太田:それはそれで、もちろん好きなんですよ! でも混沌とした中に、シンプルな綺麗なメロディーが入っている感じも面白そうだなと。いろいろな発見ができそうじゃないですか?
原田:欲張りさんってことですね(笑)。
太田:そのとおりです(笑)。
舞台のときは「脳内バタバタ」、テンパっているのがバレちゃう(笑)
――今回のミュージカルは、舞台上でも裏でもまさに「ドタバタ」という言葉がぴったりだと思いますが、ご自身が最近「ドタバタしたな」という出来事は何かありましたか?
原田:いやー、人生そのものがドタバタだったかな。生きているだけで、ドタバタなんですよ。
でも最近、自然と朝起きられるようになって。20代〜30代前半くらいまでは、朝かなりバタバタしていたのに、最近は目覚まし時計が鳴る前に起きちゃうんです。
よく稽古場に来る前に、コーヒーをゆっくり飲んでいる方がいるんですが、前はそういうのが到底理解できなかったんですが、今は落ち着く時間がないとやっていけなくて。だからなるべくドタバタしないように気をつけています。
太田:僕はそれこそ小心者だから、前もって準備しないと落ち着かないタイプなんです。仕事がある日は、家を出る何時間か前に起きて、コーヒーで一息ついて……。あと、絶対僕は朝お風呂入ります。
原田:じゃあ、あまりドタバタしないタイプ?
太田:でも人に制限されると、ドタバタするタイプかも。舞台だと、この期日までにこれをしなきゃいけないっていう決まりがあるじゃないですか。そういうのがあると。やっぱりちょっとドタバタしちゃう。
原田:それはどの作品でもそうなの?
太田:そうかもしれないですね。ざわざわと落ち着かない感じになってしまいます。脳内ドタバタしながら、僕の場合はしっかりとそれを表現しちゃうので。テンパっているのがバレちゃう(笑)。
「幅広い方に楽しんでいただける作品」いろいろなものが詰まっている総決算
――最後に、本作への意気込みをお願いします。
原田:太田基裕と共に、二人で作る二人ミュージカルと言ったら、もう『ダブル・トラブル』というくらい、自分の経歴の中でも代表作なんですよ。
なので、これができたら、もう怖いものはないといいますか。いろいろなものが詰まっているので、その時々の集大成としてこれをやれたら嬉しいなと思っている作品です。今回も、今までの原田を全部詰め込んでやりたいなと思っています。今できることをやる。22夏(ナトゥ)の総決算……。
太田:ナトゥ(笑)。
原田:2022年まで私がやってきたものの総決算に繋がればいいなと思っています。
太田:僕自身もこの作品が初めての二人ミュージカルへの出演だったんです。原田さんと一緒に、今回こうやって一年ぶりという早い流れで再演ができたことも嬉しく思います。原田さんもおっしゃっていましたが、今の僕ができる精一杯のボビーが演じられるように頑張っていきたいです。
この作品は本当に幅広い方に楽しんでいただける作品だと思うんです。コメディで、気軽に笑って楽しんでいただける作品なので、いろんな方に観ていただきたいし、舞台を観たことがない方でも入り込める分かりやすいストーリーになっていると思います。あと、音楽も耳心地の良い楽曲ばかりで、気難しいところは一つもないので、ぜひお気楽に劇場に来ていただけたら嬉しいです。
取材・文;矢内あや
Photo:くさかべまき
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公演概要
ミュージカル『ダブル・トラブル』~2022 夏 Season C~
脚本・作詞・作曲:ボブ・ウォルトン&ジム・ウォルトン 翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:ウォーリー木下 音楽監督:落合崇史/大塚茜 振付:TETSUHARU タップ振付:本間憲一
出演:林翔太 寺西拓人/原田優一 太田基裕
会場:自由劇場
日程:9月5日(月)~9月13日(火)
企画・製作:シーエイティプロデュース
公演サイト:https://www.musical-wtrouble.jp/
公演Twitter:@wtroublejp