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眞島秀和×吉高由里子インタビュー『クランク・イン!』「舞台は役者をやっている上でいちばん純度の高い仕事」(前編)

INTERVIEW

――今作で眞島さんは映画監督、吉高さんは女優と、身近な職業やご自分の職業そのものの役を演じることになりますよね。そういった役柄を演じるのはやり易いのか、やりにくいのか、あるいはどんな職業でも同じような感覚なのかをお伺いしたいです。

眞島:いろんな映画監督を知っているので、演じるにあたってはきっと“あの人のこういう部分”とか“あの人のこういう言い方”とか、僕の中でも(自分が持つその方たちの印象を)おそらく引っ張ってくることになるので。それは楽しみだなと思います。

吉高:私は、芝居の中でまた芝居をする人の芝居をするっていう、ちょっとこんがらがりそうな感じの役どころではあるんですが(笑)。勝気な女優の人じゃなければいいなと。

――勝気じゃないほうがやりやすいですか?

吉高:いやぁ、それはそうですよ。気が強い役って体力を使うので(笑)。

――演じる上でのメンタル面で。なるほど。

吉高:そうそう、どこに着地していいか分からなくなりそうな感じがあるので。(人柄が)柔らかい人だったらいいなって思いますね。

――ちなみに、眞島さんの役は張り詰めた状態からさらに追い詰められていくような状況になるようですが、気持ちの作り方や共演者のみなさんとの距離感などは、どうされていこうと思っていますか?

眞島:まだ正直分からないです。ただ、ストーリーの流れとは関係なく、稽古場ではある程度追い詰められると思うので(笑)。それも役柄と上手くリンクして、何か深まっていけばいいなとは思っています。

この作品は「人間に生まれた醍醐味を経験する期間になりそう」

――先ほど眞島さんから「岩松さんの作品には人間の汚い部分が描かれている印象がある」というお話がありましたが。あらすじに目を通した感じでは、この作品もそういう流れになっていきそうな雰囲気がありますよね。

眞島:どうでしょうね。まぁ、どういう作品が上がってくるのであれ、岩松さんの演出を受けるということがすごく楽しみなので。稽古が始まるのが不安でもありますけど、楽しみでもあります。吉高さんがさっきおっしゃっていた「人間の揚げ足を取るような」って、本当にそうだなと。そういうことが言いたかった。

――そんな岩松さんの作品で演じる役者としての醍醐味は、どんなところにあると思われますか?

眞島:なんというか、すごく苦労するだろうなというところですね。たくさん苦労すると思うので、よく言えばそれが自分の中の財産になっていけばいいなって。そういうことの繰り返しなので、この仕事って。

――吉高さんはいかがでしょうか?

吉高:やっぱりいろんな人を見てきている方でしょうし。表面的なものじゃなくて、内面的なギャップだったり、裏表だったりなんかも考えながら、人の話や表情を見たりしている方なのかなと思ったりもして。自分はその岩松さんに、どんなふうに見られるのか。どういう言葉をかけられるのか。どう挑発されるのか……とか(笑)。怖いけど、人間に生まれた醍醐味として、そういう喜怒哀楽の感情や後ろめたさなど、いろいろ経験する期間になりそうだなと感じています。

出演者中で男性は一人「いろんな場面で助けてもらえたらありがたい」

――おふたりは今日が初対面ということですが、これから稽古に入っていくにあたって、お互いに伝えておきたいことはありますか?

眞島:岩松さんの稽古がどう進行していくのか、今の時点では分からないんですけども。なるべく長く、本を持っててほしいなって。

吉高:私ですか? えーっ!? 私は、思ったことが本当に口に出ちゃうタイプなんです。「イヤ」とかも。けど、悪気は全然ないのでほっといて大丈夫ですし、逆にちゃんと叱っていただけたら(笑)。

眞島:いやいや、こちらこそ。

――現場では初めましての方と稽古や撮影などをされることが多いのではと思いますが、新しく出会った人と新しい仕事をしていく際に、心掛けていることはありますか?

眞島:先入観といいますか、「こんな感じの人なのかな」というのをまずは一切持たないようにしようとは、いつも思っています。

吉高:そうですね。私もなるべくコミュニケーションをとって、どういう方かを知っていきたいなっていう気持ちが大きいです。

――ではフラットな気持ちで相手と向き合って、という感じなんですね。お互いに、稽古が始まったらこういう話がしたいといったものはありますか?

眞島:これ、未だに信じてはいないんですけど。出演者の中に男性が僕しかいないらしいんですよ。本当は誰か出てきてほしいなと思ってはいるんですけど。

吉高:あはは!

眞島:なので、吉高さんに限らず、いろんな場面で助けてもらえたらありがたいなぁという気持ちがありますね。

吉高:確かに、男性ひとりですよね(笑)。私は食べ物の話がけっこう好きなので、美味しいお店とかの話も聞きたいです。

眞島:分かりました(笑)。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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