中村守里インタビュー「新しいタイプの役柄に挑戦している自分を見てほしい」
――8月に出演を控えている舞台『LOCK DOWN』は、「ウイルスに負けず、青春を手に入れようともがく演劇部の女子高生たち」の物語で、まさに今起きているコロナ禍の切実な状況がテーマです。
今だからこそできる舞台ですよね。ちゃんとやらないと失礼というか。台本を読んで「人生わからないな」って率直に感じました。最後に、想像していた展開とは逆の“どんでん返し”が起きるんです。それも含めてリアルだし、深いなぁと思いました。
今回の作品って、題材はちょっと重いんですけど、そんなに暗いって感じでもないんです。とくに私の演じる役は、普段あんまり深く考えないような能天気な子。今まで演じたことがないタイプなので、なかなか難しくて。周りにそういう子いないかなって観察したり、演出家の方にイメージを確認したりしながら稽古しているところです。
――実際に新型コロナウイルスの恐怖は現在進行形ですが、これまでと稽古の仕方も違っているのでしょうか?
シーンごとの共演者だけが集まって稽古をしています。稽古場に到着したら除菌をして、まめに換気する。稽古が終わったらすぐに帰るって感じです。本番では、マスクを外しているシーンもあるんですけど、稽古中はずっとマスクを着けています。私も共演者のみなさんも、気をつけながら稽古に励んでいますね。
新たな一面を出せるように頑張りたい
――稽古をされている中で、役がつかめてきた感覚はありますか?
私は主人公の妹役で、お母さんと3人で暮らしている設定なんですけど、稽古を続けているうちに、やっと家族っぽくなってきたかなって気はします。役が染みつくかなと思って、普段から「お姉ちゃん」「お母さん」って呼ぶようにしたら距離も近づいてきて(笑)。姉に対する思いとかも、だんだんつかめてきました。
演劇部のシーンがほとんどですけど、お姉ちゃんがいろいろとうまくいかずに家に帰ってきて、けっこう家族で話すところも出てくるんです。お姉ちゃんが病気だったりもして、お母さんは心配するんですけど、私は悲しい表情とかは見せない。心配はしてるけど、それがうまく表に出せない明るい子なんです。
それに加えて家族だからこその甘えもあったりするので、そのあたりの加減が難しいですね。
――役づくりをされる中で「ここを見て欲しい」というポイントがあれば伺えますか?
これまでは“儚い感じ”の役をやらせていただくことが多かったので、新しいタイプの役柄に挑戦している中村を見ていただけたらと思います。新たな一面を出せるように頑張りたいです。
共演者のみなさんは、演劇やミュージカルを経験されてきた方が多くて。セリフ覚えも早いから、誰と言うこともなく、「わ、すごい」って圧倒されます(笑)。みなさん、稽古初日で完璧にセリフも頭の中に入っていましたし。私も頑張んなきゃなって思いましたね。