柿澤勇人インタビュー 『ハルシオン・デイズ2020』 「見終わった頃には「生きなきゃ」ってポジティブな気持ちが湧き上がる」
――今作は、南沢奈央さん、須藤蓮さん、石井一孝さんとの4人芝居になります。すでに稽古が始まっていますが、現場の雰囲気やみなさんのチームワークはいかがですか?
まだ稽古して間もないので、チームワークはこれからですね。4人芝居だし、一人でもセリフを飛ばしたり欠けたりしたら、そこでテンポが崩れちゃう。それは回数を重ねるしかないと思います。この1カ月で、どれだけ量をやれるかでしょうね。
とはいえ、みなさん本当に個性がバラバラで面白いですよ(笑)。これまでの活動のフィールドも違うし、性格も誰一人としてかぶらない。
南沢さんは絵に描いたようなマジメさを持ってますね。つい最近、立ち稽古した時も、奈央ちゃんは声をブルブル震わせながらセリフをしゃべっていたんです。「なんでそんなに緊張してるの?」って聞いたら、「……私、もともと緊張しいなんです」って。それぐらいマジメな方なんですよ。
須藤くんは、今回が2度目の舞台。「僕、なにもできないんです。なんでも言ってください! なんでも教えてください!」って気持ちいいぐらい開き直ってる子なんですよ(笑)。ただ、映像の芝居もしてるし、自分で映画を撮ったりもしてるから、芝居すること自体は好きなんだろうと思います。
とはいえ、映像と舞台ってちょっと違ったりする部分もあるので。それを今、鴻上さんからいろいろと教わってるんだと思います。彼は今、24歳。僕も22~23歳の時に劇団四季を辞めて、演出家の蜷川(幸雄)さんからボッコボコにされたのを思い出しましたね(笑)。
――厳しい演出家として知られている蜷川さんですが、まさかそこまでとは(笑)。須藤さんは、今それを経験されていると?
鴻上さんが同じことをしてるわけではなくて、言葉や動き一つひとつを丁寧に教えてもらってるなというか。そんな須藤くんを見て、「わー、頑張れ!」とも思うし、自分自身もそのダメ出しを聞いて学ぶことも多い。「いい風を吹かしてくれるといいな」って感じで見ています。
石井一孝さんは“ド天然”で、台本持って芝居してるのにセリフが出てこない(笑)。「そこに書いてあるでしょ?」みたいな。たぶん、すごく考えに考えてやる人。一つのセリフや芝居を、本当にちゃんと自分が腑に落ちて明確にしないと動けないってタイプなんだと思います。