彩乃かなみインタビュー ミュージカル「Now. Here. This.」「“自分の信念を大切に生きる”ことが、今作に繋がる気がする」
――今作での、ご自身の役柄の見どころについて聞かせていただけますか。
私の役は、父も母も忙しく働いていて、家庭的には恐らく裕福で。そういう意味では、生活に困ってはいないんですけど、愛が枯渇しているというか、何かが足りないと思っている子なんです。持って生まれた枯渇感なのかもしれないんですけど。愛に飢えている子供時代から、癒されないまま大人になってしまい、何かがすれ違っている違和感を持ち続けているんですけど、博物館をめぐる中で本当の自分を見つめ直していくという役柄です。
―― カンパニーの雰囲気はいかがですか?
わりと穏やかなイメージの方が多い気がするので、ゆったりほんわかしたお稽古場になるのではと思っています。今回、初めましての方もいらっしゃるんですけど、一人ひとりの役どころを深く見ていくと、誰かしらに共感できる部分があると思うんです。なので、個性豊かに色を変えていきたいなと思います。
――これから始まる稽古に期待することはありますか?
久しぶりのダブルキャストなので、作品を俯瞰して見られるのが楽しみですね。最近は、ずっとシングルキャストでやっていたので、客観的に捉えられますし、より可能性が広がりそうな気がしていて楽しみです。
――今作は、11月から年末にかけて上演されますが、年の締めくくりにこの作品を届けることについてはどうお感じですか?
改めて年の締めくくりなんだなって。本当にあっという間でびっくりします。気付いたらすぐに12月になってそうですけど(笑)。でも、こういった情勢の中でも舞台に立つことができて、年の瀬を迎えられることを思うと「幸せだな」と感じますね。どうか、お越しいただく方も安全に、無事に千秋楽が迎えられたらいいなと願うばかりです。
――今年は本当に時間の流れが早く感じますよね。
本当にそうですよね。でもきっと舞台に立ちながら、よりそれを感じるんでしょうね。恐らく公演をしているときは、年の瀬の感覚がない気はするんですけど。無事に完走するということを心掛けていきたいです。