演出家・荻田浩一×元吉庸泰対談インタビュー ミュージカル『EDGES ―エッジズ―』 個性の異なる2チームそれぞれの魅力とは(前編)
――ソングサイクルミュージカルと一般的なミュージカルでは、取り組み方はだいぶ違うものですか?
元吉:僕は大学や専門学校の講義のときに、よく“ミュージカルと音楽劇の違い”という話をしていて。ミュージカルは、入口があって出口があるとよく言うじゃないですか。だから、ミュージカルの入口と出口では、関係性や時間が経過して何かが変わったりするんです。音楽劇の音楽というのは、入口と出口がほぼ一緒で、「お祭りだ」って言ったら、“お祭りがここから始まる”みたいな。
そういう違いが大きくある中で、やっぱりミュージカルを銘打つからには、曲に入ってから終わるまでに、“何かが変わっていなければならない”ということは気を付けたいと思っています。というか、そもそもソングサイクルミュージカルって、もう少しテーマがあるんですけど、今回はそれがバラバラなので(笑)。
荻田:だからこそ、より一曲一曲がカラフルで、盛り合わせを食べた美味しさみたいに感じられるとは思いますよね。歌に特化してるって意味では、限られた稽古期間の中での割り振りを考えたときに、今回は、なるべく歌にその時間を費やすべきだと思ったんです。ただ、やっぱり歌うだけで、「声がいいね」とか「音程あってるね」というのもつまらないので、いかに歌い手が、その一曲の主として自分の物語を昇華させていくかということは、大事にしています。
僕の方はコンサート的にしましょうというのは、朗読劇みたいなイメージで、ある程度の動きを封じた上で、語るということに特化した方がいいんじゃないかと思っていて。でも、きっと皆さん役者なんで勝手に動いちゃうと思うんですけど(笑)。今回うちはハンドマイクでやりますし。
なので、手法は違うけど、似たようなことを感じてやっているんだろうなと思います。元吉さんとは割とご縁があるほうで、いろんな現場でご一緒したり、それこそ二人で朗読の公演をやったりもしたので、なんとなくこんなことを考えてるのかなって。多分二人とも同じように、音楽である、芝居である、コンサートである、でも演劇であるというところの整合性をどう図っていくか、それを何とか形にしようとしてるんじゃないかと思います。
取材・文:THEATER GIRL編集部
荻田浩一
元吉庸泰
公演概要
シーエイティプロデュース
ミュージカル『EDGES -エッジズ-』
作:ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール
会場:新国立劇場 中劇場
チームBLUE:12月3日(木)~6日(日)
演出:元吉庸泰
音楽監督:園田 涼
出演:太田基裕 矢田悠祐 増田有華 菜々香
演奏
ピアノ:松井トモコ
シンセサイザー:桑原まこ
パーカッション:野崎めぐみ/吉田開(12/3)
ギター:大月文太
チームRED:12月7日(月)~10日(木)
演出: 荻田浩一
音楽監督:奥村健介
出演:林 翔太 藤岡正明 実咲凜音 梅田彩佳
演奏
ピアノ:中原裕章
ギター:YUTAKA
ベース:瀬戸圭介
ドラム:李 令貴
料金:指定9,000円
U-22チケット4,500円(22歳以下対象・枚数限定)
※価格は税込み ※未就学児入場不可
プレイガイド:
【チケットスペース】
TEL:03-3234-9999(平日 10:00〜12:00/13:00〜15:00)
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【チケットぴあ】
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主催/企画・製作:シーエイティプロデュース