• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 前川優希の秘めたる熱意「悔しさを感じたからこそ、芝居の面白さに気づいた」【シアダン vol.02】(前編)

前川優希の秘めたる熱意「悔しさを感じたからこそ、芝居の面白さに気づいた」【シアダン vol.02】(前編)

INTERVIEW

「僕はそういう役者になりたい」尊敬している役者は身近なあの人

――では次の質問を。尊敬している役者さんはどなたか聞かせてください。

たくさんいるんですが……最近でいうと、相方の古谷 大和くんです(照笑)。いや、本当にすごいんですよ、あの人。僕が好きだな、尊敬できるなと思うのは、お芝居の捉え方というか“その作品で自分はどういうお芝居をするべきなのか”という考え方ができるところです。それができる人は、前に出ることもできるし、一歩引くこともできる。僕はそういう役者になりたいですし、大和くんの物事を見すえる目と頭は、すごくすてきでカッコいいなと思います。

――お互いの刺激になったり、励まし合えたりする同志のような役者さんは、どなたかいますか?

難しいな……。(しばらく考えて)僕は年上・年下に関わらず、すてきな考えを持っていたり、素晴らしいお芝居をする人はたくさんいると思ってるんです。そうやって年齢についてあまり意識していない分、同じ土俵に立っているっていう考え方もあまりしなくて。全員がいっしょに作品を作り上げる仲間でありライバル、みたいな感覚です。


――なるほど。とてもフラットな感覚を持っているんですね。そんな前川さんが、お芝居や役者という仕事をしていて、喜びを感じる瞬間はどんな時ですか?

自分の中の心が、すごく動いた時ですね。それは役としての感情であって、自分が意図したラインの上の、ある程度予想していたものではあるんですけど、いざ実際にお芝居をして、ほかの人たちに動かされたりする時に「あ、お芝居って楽しい!」って思いますね。

そして、お客さんの前に立つという喜びも大きいです。それは賞賛がどうこうというより、シンプルにお客さんを前にしてステージに立っている、そのことだけで感じられる喜びというか快感が、僕にはあって。それを最初に感じたのが、小学校の学芸会だったと思うんです。何というか……役として“ちがう自分”になって、その“ちがう自分”が自分と同じように心を動かしているということが、とても面白いことのように感じたんですよね……ちょっと上手く言葉にならないんですけど。僕自身はあまり感情の起伏が激しくないほうなので、役の思考や感情の動きを考えて、自分の中でパチっとハマった時は、すごく楽しいです。

アーティスト「TFG」メンバーとしての挑戦

――次は、若手俳優7名によるアーティストグループ「TFG」のメンバーとしての活動についても伺わせてください。7月17日にファースト・シングル『My dear Summer』でメジャーデビューをされましたが、活動が本格始動した今の思いはいかがですか?

だんだん現実味が出てきました。最初に話を聞いた時には「いや、本当に?」「無事に発売日を迎えられるのか?」と不安が大きくて。それはTFGがというより、僕が、なんですけど(苦笑)。ダンスや歌などパフォーマンスにも不安はありましたけど、いかんせん、演劇に面白みを感じてここまで来た人生だったので、アーティストという自覚が僕の中に生まれるのかなって。

でも、劇場ではなくライブハウスのステージに立って、初ライブやリリースイベントをさせていただくうちに「すごい! 僕、今リリースイベントをしている!」と、じわじわと自覚が生まれてきまして(笑)。それでいよいよ本格的に進んでいるんだなと、ひしひしと実感しているところです。

――新しいことへの挑戦になるわけですが、お披露目ライブではかなり緊張もあったのでしょうか?

「みんなに受け入れてもらえるのかな?」という不安はありましたし、それなりに緊張もしてましたけど。袖にいる瞬間まで「僕は一体、どういう気持ちでステージに出るんだろう?」という自分にもよく分からない気持ちを抱えて、ふわふわしていました。でもいざ出てみたら、めちゃめちゃ楽しかったです(笑)。

――ファンのみなさんが盛り上がっている姿を見ると、テンションも上がりそうですね。

そうなんですよね。これまでは応援してくださっている方々とあまり会えることがなかったんですけど、リリースイベントやライブと、ここ最近はみなさんに会える機会が増えまして。間近でTFGの活動を観てもらって、喜んでくれているのを僕らも目にしているので、自覚も生まれますし「あぁよかったな」って気持ちになります。やっぱりこういう活動に関しては喜んでもらえることが第一だと思うので。

――喜んでくれる人がいると、より頑張れますよね。今後のTFGの活動では、どんなことが楽しみですか?

役者とTFGの活動を二分するというよりは、お互いに還元しあえるような、前川優希個人としての活動の助けに双方がなっていったらいいなと思います。将来的にこれができたら最高だなと思うのは、僕やメンバーが出たドラマなり映画なりの主題歌を、TFGが歌うことですね。

嫌われるくらいの悪役を演じてみたい

――それでは、役者としてのお仕事で、今後やってみたいお仕事や役柄についても聞かせてください。

今までやったことがないので、悪役をやってみたいです。物語でも僕は悪役に惚れがちで、ニヒルな悪役も完全にダークな悪役も好きなんですよ。だから自分も挑戦してみたいし、もう、バキバキに人から恨まれる演技をやってみたい……(笑)。観た人に「うわ、なんか嫌いだわ」って思われるくらいのところまでやれたら正解というか、悪役としてあるべき姿だと思うんです。あとは、幅広く(さまざまな仕事や役柄を)やっていきたいですね。

――先ほど出演作の主題歌をTFGで歌いたいとのことでしたが、舞台にとどまらず映像にも挑戦していきたいと。

そうですね。これまでは90秒くらいまでの映像への出演が多かったので、もっと長尺のドラマや映画にも出てみたいです。舞台はもちろん楽しいんですが、一瞬一瞬で求められるカメラの前でのお芝居にも興味があって。全くちがうようで、同じ部分もあるというような、演技の奥深さを味わえたらいいなと思っています。

取材・文:古原孝子
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)
ヘアメイク:YUZUKI合同会社

インタビュー後編はコチラ

プロフィール

前川優希 (まえかわ・ゆうき)
1997年12月17日生まれ。
主な出演作にMANKAI STAGE『A3!』~SPRING 2019~皆木綴役、『最遊記歌劇伝―異聞―』道卓役、NHK大河ドラマ「西郷どん」市来宗介役など。新感覚アーティストグループTFGのメンバーとしても活動中。

出演情報

MANKAI STAGE『A3!』~SUMMER 2019~
東京公演(品川プリンスホテル ステラボール):2019年8月8日(木)~8月18日(日)
兵庫公演(AiiA 2.5 Theater Kobe):2019年8月23日(金)~9月1日(日)
愛知公演(名古屋市公会堂):2019年9月6日(金)〜9月8日(日)
新潟公演(長岡市立劇場 大ホール):2019年9月13日(金)~9月15日(日)
東京凱旋公演(品川プリンスホテル ステラボール):2019年9月19日(木)~9月29日(日)

前川優希さん動画コメント

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧