竹内雄大インタビュー　ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン「新青学(せいがく)を好きになってもらいたい」（前編）

2025.01.18

INTERVIEW

2025年1月11日（土）より日本青年館ホールを皮切りに、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン青学(せいがく)vs比嘉が上演されます。

2003年の始動から2.5次元ミュージカルの金字塔として、今もなお進化を続けるミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)。テニミュ4thシーズンの6作目となる今作では、中学生テニストーナメントの関東大会を勝ち抜いた青学(せいがく)が、沖縄のダークホース・比嘉に挑む、全国大会の緒戦が描かれます。

新青学(せいがく)、比嘉のキャストには、11月に行われた新キャストお披露目会で本公演に先駆けて観客の前にお目見えした19名に加え、比嘉のテニス部顧問、早乙女晴美がテニミュに初登場。さらに、不動峰・六角・立海のキャスト12名と、テニミュボーイズ2名が加わり、真冬の寒さを吹き飛ばすような熱い公演が届けられます。

THEATER GIRLは、新キャストとして本作から主人公越前リョーマ役を務める竹内雄大さんにインタビュー。前編では、初の舞台出演となる本作へ出演する心境や越前リョーマの役作り、稽古場の雰囲気までたっぷりとお聞きしました。

インタビュー後編はこちら

うれしいと同時に不安も積み重なってきた

――本作が初の舞台出演になりますが、出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか。

越前リョーマを演じることが決まった時はうれしかったのですが、それと同時に不安も積み重なってきました。稽古が始まってからも戸惑うことはありますが、たくさん新しいことも勉強させていただいているので、今はいい経験ができているなと感じています。周りの方たちもすごく優しくて助けられてばかりです。僕もしっかりと勉強して、これからお互いにどんどん高め合えたらと思います。

――本作では、主人公の越前リョーマ役を演じられますがどのような印象をお持ちですか。

リョーマくんは小柄ながらも堂々としていて、どんな相手が来ても物怖じしないんです。今回対戦校となる比嘉の田仁志くんに対しても、本当なら体格差があるので怯えるはずなのに逆に挑発したりもして。そういう生意気なところがすごく可愛いですし、普段、青学(せいがく)のメンバーと絡んでいるときの愛され後輩という感じも可愛いなと思います。

――ご自身と通ずる部分はあったりしますか。

性格面ではあまり似ていないですね。ただ、僕は「茶太郎」という猫を飼っていて、リョーマくんも猫を飼っているので、そこは共通点です。茶太郎は、元々は野良猫だったんですけど、家に入ってきてご飯をあげたりするうちに家猫になりました。

――いい共通点がありましたね。現在、稽古中とのことですが（取材時）、どのように役に取り組んでいらっしゃいますか。

原作を読み込んで、「このときリョーマくんは何を思っているのだろう」と、毎日考えています。考える度に新しい発見があって。僕もまだ役者経験が豊富ではないので、あまり役作りに慣れていないのですが、楽しみながらやれています。

――稽古で役作りを重ねるうちに、心情の変化みたいなものはありましたか。

やっぱり最初は不安でずっと緊張していたのですが、スタッフやキャストの皆さんがとても温かくて。いろいろと教えてくれたり、背中で語ってくださる方もいるので、すごく刺激をもらえて充実した稽古を送っています。

青学(せいがく)メンバーとの絡みにも注目してほしい

――本作ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン青学(せいがく)vs比嘉の中で、竹内さん的見どころを挙げるとしたらどんな部分でしょうか。

やっぱりリョーマくんと比嘉の田仁志くんの試合ですね。体格差があって相当怖いはずなのにリョーマくんがどうやって試合に臨むのか、それをどう表現するのかが楽しみです。

それから、試合のときに他の青学(せいがく)メンバーがどうやってリョーマくんを励ましているのか、そういう青学(せいがく)メンバーとの絡みにも注目してほしいと思います。

――稽古を重ねて、青学(せいがく)メンバーとの絆も深まってきていますか。

そうですね。特に試合中のベンチワークはテニミュならではだと思うので、「ここはこうやって声を掛けた方がいいね」と話し合って、全員がいいものを作っていこうという気持ちを持っているので、いいメンバーたちだなと思います。

青学(せいがく)も対戦校と時々絡んでいるところがあるので注目してほしいですね、役者同士で「ここで絡もうよ」と相談することもありますし、そういうのを見ると役に溶け込んでいるなと感じます。

――竹内さんご自身は、テニミュのどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか。

やっぱり“迫力”を感じるパフォーマンスですね。僕も観劇させていただいたときに、飲み込まれそうなほど圧巻でした。僕たちもそういった伝統を崩さずに取り入れて、僕たちなりの比嘉公演を作っていきたいなと思います。

皆さん優しい先輩方ばかり

――先ほど青学(せいがく)メンバーとのお話もありましたが、他の出演者の方々も含めて稽古場の雰囲気はいかがでしょうか。

お披露目会の時は青学(せいがく)と比嘉だけだったのですが、青学(せいがく)は最初人見知りが多くて。逆に比嘉はめちゃくちゃ賑やかだったので、比嘉に励まされながら僕たちもどんどん仲良くなっていきました。

比嘉のメンバーとはいい関係性を保ったまま本公演の稽古が始まって。本公演では六角や立海、不動峰の橘さんなど、他の出演者の方々も同時に合流になって、今まで自分が舞台で観ていた皆さんと同じ舞台に立てることがうれしかったです。すごく貴重な経験ですし、そうやってどんどん先輩キャストの方たちとも比嘉や青学(せいがく)のメンバーと同じくらい仲良くなりたいです。皆さん優しい先輩方ばかりなので。

――比嘉の皆さんがムードメーカー的な存在なんですね。

不知火知弥役の（高岩）芯泰くんがとくに面白くて見ていて勉強になります。そう来るんだっていうことがたくさんあって面白すぎるんです（笑）。

――今、稽古を重ねていて特に課題だと感じていることはありますか。

僕たちは全国大会から演じることになるので、関東大会までのリョーマくんの経験を踏まえて、どうやって成長していったのかが一目でわかるような公演にしたいと思っています。そのためにも以前のストーリーも読み込んで、リョーマくんの気持ちの変化をしっかりと見て、今のリョーマくんに結びつけようと、ずっと試行錯誤しています。

それから田仁志くんとの試合のときに、舞台だと（生身の人間が演じるので）リョーマくんの小柄さや田仁志くんの大きさが原作ほど伝わらない部分があるので、リョーマくんの軽やかさをどうやって出すのか、田仁志くんの力強さをどうやってリョーマくんが受け止めるのか、そういったことを意識して稽古に励んでいるところです。