平間壮一インタビュー Broadway Musical「IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ」「人間だなと思えるのがこの作品の好きなところ」
――すでに稽古中ということですが、いざ実際に取り組んでみて、作品についての新たな発見があったら聞かせていただけますか。
一度作品を観て「いいな」と思っていただけで、まさか自分が演じることになるなんて思っていなかったんですが。今日も通し稽古を見てきて、すごく複雑なんだなと思いました。もう、人間そのものが描かれているので。
例えば大学を辞めたとして、“戻りたくない”けど“戻りたい”みたいに、人間って矛盾する感情をどちらも持ち合わせてると思うんです。でもそれをドラマや舞台にする時に、わりとひとつだけにしがちで「私はこうなることが夢なんです」という感じに描かれることが多いんですけど。この作品では、どっちもあるからこその複雑さや深みをそれぞれのキャラクターから感じられて。「あぁ、人間だな」と思えるのがこの作品の好きなところなんだと気付きました。
――劇中の音楽もすてきですし、リアルな人間模様が描かれていますよね。
大学に戻るのか、戻らないのか――それだけのことにも、いろいろな思いや事情が絡み合うので。自分のやりたいことだけじゃすまないよね、世の中そうだよねっていう感じが、親近感がわくし、好きだなと思います。
Micro さんはとても真っ直ぐな人
――今回のウスナビ役はMicroさんとのWキャストとなります。これまでにもさまざまな作品にWキャストという形式で出演されていますが、Wキャストの魅力はどんな部分にあると思われますか?
今回はかなり特殊だと思います。Microさんは考えるよりも先に言葉と身体が付いてくるような方なので、打算がないというか「こうしたら、こう見えるよね」みたいな考えが全然感じられないんですよ。ただただ、目の前の人に投げかけられた言葉に、素直に返しているのを見ていて、真っ直ぐな人なんだなぁって感じてます。
――自然体で演技をされる方なんですね。
そのMicroさんが自分に言ってくださったのが「役者さんがウスナビをやるとこうなんだっていうのを理解するために、まずは平間くんのを完全にコピーさせてもらいます」というありがたい言葉で。自分は自分で、逆に素直さを取り入れられるように、今はお互い話し合いながら役を作っている感じです。