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西川大貴インタビュー ミュージカル『雨が止まない世界なら』 「クロネコチャンネルがみんなの交流の場所になれたら」

INTERVIEW

――今回はソングサイクル形式ということで様々なシーンを切り取られていますが、実際に舞台化することに関しては、どのような構想を考えていらっしゃるのでしょうか?

舞台でやる場合は4人芝居なんです。今回は、ポエトリーリーディング用として一人で読む歌詞に変えていたりもするんですけど、実は、今聴いていただいてるナンバーの中にも、デュエットや全員で歌うナンバーもあるんですよ。4人の俳優が幅広く、様々な役を演じることになります。

ただ、今回は一曲だけなので、その曲、その役に声がピタッとハマる方をキャスティングしました。声が素敵で、声だけで物語を届けてくださる方。浅野和之さんや南沢奈央さんなど、ストレートプレイをメインにやっていらっしゃる方にもお願いしました。

――では、舞台版では、全く別のキャストの方が演じられる可能性もあるんですね。

そうですね。もちろん、今回参加してくださった方にも参加していただきたいと思っていますが。かと言って、既にキャスティングが決まっているということは一切なくて。この先、どう進んでいくのかはまだわからないですね。

――コメントでも、「今はまるで、みんな雨の中にいるような状況だと思います」とおっしゃっていましたが、今回、“雨”をテーマにした理由は?

言葉の通りで、雨が降っている状態が、このコロナ禍の状況と重なるというか……楽しいことをやっていても、どうしても気持ちがどんよりしてしまったり、劇場に行ったりすることに関しても、今は周りに気を使わないといけないじゃないですか。それが、雨の中にいるのと似ているなと感じていて。   

ただ、雨って綺麗なものでもあるので、煩わしさや切ない感じに浸るのも、僕は嫌いではないんです。なので捉え方によっては、今のこの状況でも自虐的に笑うことができたり、前向きに捉えることができたりするのではと思い、雨を題材に選びました。

――確かに、今のコロナ禍の状況は、雨が止まない状態と重なる部分はありますね。

今の状況を全てひっくるめて「雨」というか。しかもその雨は、見る人の立場や環境でも変わると思うんですよね。医療従事者の方にとっては、とんでもない豪雨だと思うし。今まで人生が上手くいってなかったけど、この機会にリセットしてやり直すんだ!という人にとっては、もしかしたら恵みの雨なのかもしれない。           

コロナ自体は絶対に良くないけど、この状況を「雨」と捉えると少し感じ方が変わるというか。あとは、“架空の雨”(ameという謎の液体)が降るというシチュエーションを設定しているので、リアルな世界なんだけど、どこかパラレルワールドっぽくもある。そういう風にとってもらえたら、少し距離を置いて感じることができるかなと思って。

昨年の自粛中に本を書き出したんですけど、この設定を思いつくまでに、半年ほど書くのをやめていたんです。豪雨被害や台風もあったりしましたし。だけど、“不思議な雨”というパラレルワールド的な要素を一つ加えたことで、自分の中で腑に落ちて、また書き進めることが出来たんです。 

――その設定が思い付くまでに半年ほど空白の時間があったんですね。

そうですね。コロナがどう着地するかも未だに見えないですし。その中で、この状況を書き残したいというか、ミュージカルとして昇華させたいというのがあって。昨年の4~6月頃なんてもう何がなんだかわからない状態で書いていたので行き詰まってしまって、一度寝かせて今年の1月頃からまた書き始めました。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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