• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 小越勇輝×太田基裕インタビュー『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2「劇中での二人の対話は大切なシーンになるはず」(前編)

小越勇輝×太田基裕インタビュー『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2「劇中での二人の対話は大切なシーンになるはず」(前編)

INTERVIEW

2024年3月16日(土)より『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2が開幕となり、東京、大阪を巡ります。

今作では、ハンター試験を終えた主人公・ゴン、キルア、クラピカ、レオリオが、世界最大のオークションが行われるヨークシンシティで再会を果たし、通称“クモ”と呼ばれる盗賊グループ・幻影旅団と対峙する、原作コミックでも指折りの人気である「ヨークシンシティ編」を中心に描かれます。

前作に続き、父に会うため、父と同じハンターとなり過酷な試練に立ち向かう主人公のゴンを大友至恩さん、ゴンの良き仲間となるキルア、クラピカ、レオリオを、それぞれ阿久津仁愛さん、小越勇輝さん、近藤頌利さんが務め、ゴンたちに異様な興味を示す奇術師・ヒソカは丘山晴己さんが演じられます。

そして、今作から新たに登場する幻影旅団の面々には、団員から絶対の信頼を得る幻影旅団団長・クロロ役に太田基裕さんが決定、実力派キャストが脇を固めます。

今回、THEATER GIRLのインタビューに登場していただくのは、クラピカ役・小越勇輝さんと、クロロ役・太田基裕さん。前編では、出演が決まった時の思いや、舞台化で期待を寄せているシーン、前作の稽古場の雰囲気などについてお話を伺いました!

インタビュー後編はこちら

久々の共演は「お互いの新しい表情を見られるのが楽しみ」

――『HUNTER×HUNTER』という熱狂的な支持を受ける作品の舞台化第二作目が決定となりました。小越さんはクラピカとして再び舞台に立ち、太田さんはクロロという熱いファン層を持った役柄に抜擢されるという運びとなりましたが、出演が決まった時の心境はいかがでしたか?

小越:嬉しかったです。観てくださったり、応援してくださったりしたみなさまがいたから前回の公演が成功したんだと思いますし、そのお陰で今作があると思うので。そういった意味で、こうして続編ができることも、自分がまたクラピカという役で舞台に立てることも、すごく嬉しいです。

しかも今回は「ヨークシンシティ編」が中心に描かれるということで、クラピカとしてもかなり大切なストーリーになってくる、そこを演じられるわけですし。前回もけっこうなプレッシャーはあったんですけど、実際に取り組んでいく中で「自分にしかクラピカはできないな」と思えるようになったんです。でも、今回また(背負うものが)重いので(苦笑)。「自分にできるのかな」という不安もまた新たに背負いながら、それでもとても楽しみですね。

太田:クラピカ役的には、やっぱり「ヨークシンシティ編」が一番演じたいエピソードなの?

小越:僕としてはそうですねぇ。

太田:確かに、ストーリー的にもフォーカスされているもんね。

小越:そうなんです。その先のストーリーでも出てきますし、(原作マンガは)まだ続いている途中ですけど、ひとつの大きな山ではありますね。

――太田さんはいかがでしたか?

太田:本当にかなりの反響を感じて、それだけ話題性のある作品なんだなと改めて実感しましたね。自分も楽しみです。小越くんとは久しぶりの共演でもあるので、こうしてまたいっしょにやれるのもすごく嬉しいし。以前は舞台『弱虫ペダル』でチームメイトとして共演していて、今回はまた違った立場で共演できることになって。また(小越さんの)新たな表情を見られると思いますし、自分自身も(新しい面を)出せるんじゃないかなと、そのあたりも楽しみですね。

もっと役に寄り添って「思いを、濃く深く、黒くしていきたい」

――今の太田さんの言葉にもあった通り、今作の共演ではクラピカとクロロとして、互いに追って追われる者同士となるわけですが、対峙する上での気持ちはいかがですか?

太田:もう、ここ(クラピカ)からここ(クロロ)への感情は、とにかくすごいわけじゃない?

小越:うん。

太田:だから怖いですね。すごく怖い目で見てくるんだろうなと思って。

小越:あはは!

太田:前にもそういう人を殺すような目をする瞬間を、見たことがあった気もするんですけど(笑)。その目が自分に向けられるのかと思うと、ちょっとドキドキしつつ、楽しみでもあります。

小越:役としてはそういう感じだとは思うので……(笑)。仲間の仇だという思いだったり、自分の中の恨みだったりが絡み合って、僕の想像を遥かに超えるくらい、彼(クラピカ)の中では気持ちが何周も回った上で今に至っていると思うんです。だからこれからもっともっと彼に寄り添って、クロロに対する思い、旅団に対する思いを、濃く深く、黒くしていきたいなと思っています。

――普段は冷静なクラピカが、旅団に関わる事柄については人が変わったようになるところに、執念の重みを感じますよね。

小越:そうなんですよね。周りがよく見えているっていうキャラクターですけど、そうではなくなる瞬間が今回は何度もあると思うので。多分、単独で行動していたらいろいろと崩壊している部分があったかもしれないと思うんです。ゴン、キルア、レオリオという仲間に出会って変わった部分もきっとあるし、(衝動的に動こうとしたところを)センリツに止めてもらったりする場面もあったりするし。仲間に対する思いや、周りの人に助けられながら感じたり気付いたりしたこと、それによる彼の成長も今作では描かれていると思うので、そういうところも大切にしたいですね。

自分と役の似ているところ、挙げるとするなら……?

――ご自分が演じられる役について、シンパシーを感じるところや、自分と似ているかもしれないと感じるところはありますか?

小越:うーん……。繊細さ。

太田:(笑)。

小越:あとは、冷静さや、周りをよく見るところっていうのは、似てるかなぁと思います。思ったことをすぐに口にしたり、どうこうしたりするんじゃなく、一度冷静に考えるというか。「これをこうしたら、どうなるだろう」って一歩下がって見ているようなところは、僕と近いように感じますね、

――太田さんはいかがですか? クロロは、ちょっと特異なキャラではありますけども。

太田:どこかしら共感したり、共鳴できる部分はあるんじゃないかなって、今はふわっと思っているという感じです。まだそこまで深掘りはできていないんですが、気になるなという感覚はあるので、どこかで繋がれるところがありそうだと、かなり興味は惹かれていますね。

――これから探っていこうかという段階なんですね(取材時)。クロロは、冷酷と言われる幻影旅団を率いている割には、人間味がある印象です。

太田:そうですね。しかも、(旅団員たちから)めちゃくちゃ信頼されているわけでしょう? それにはちゃんと理由があるはずだし、それだけの人数を束ねるだけの魅力もきっとあるはずなので。そういうところも感じながらやっていけたらと思います。

舞台化での注目シーンは「二人の対話」と「幻影旅団のアジト」

――稽古に入られるのはまだ先になるかとは思いますが(取材時)、台本も手元に届いているということで。“展開が熱い”と原作ファンの間でも人気の高いヨークシンシティ編が舞台化されるにあたって、楽しみにしているシーンはどんなところでしょうか?

小越:そう、熱いんですよ。どこだろうなぁ……。

太田:でも、クラピカからしたら多分、楽しみっていう言葉では表現できない感じなんじゃない?

小越:たしかに。でもやっぱり、クラピカとクロロが対面して会話をするくだりは、どうなるのかなって思います。実際にクロロと話をしたことで、クラピカの中に迷いが生じるというか。「こうであるはずだと自分で決め付けて、その復讐のために生きてきたはずだけれど、もしかしたら自分が思っていたようなことじゃないんじゃないか?」という思いが生まれてくるシーンなので、そこはかなり……楽しみにするのとは違うかもしれないですけど、大切になってくるのかなと思いますね。

太田:僕は、このメンバーが揃うというだけで、もう。早く同じ場所に身を置きたいなっていう感じです(笑)。

――旅団のアジトでメンバーが一堂に会するシーンを、早く目にしたい気持ちになりますよね。

太田:そう! どういう空気になるんでしょうね。それこそ村田 充さん(ノブナガ役)は不思議な雰囲気を持っている俳優さんなので。とても楽しみです。

小越:人数も多いですしね。その上、それぞれのキャラクターが立ち過ぎているから(笑)。

太田:そうそう。圧とかもあるだろうし。その辺りの空気感はすごく大事だと思うので、異物感のようなものも含め、不気味な感じが出せると面白いだろうなぁと思いますね。

稽古前の準備は「鎖」と「空気感」の具現化……!?

――役作りに向けて、今からやっておこうと考えていることは、何かありますか?

太田:(小越さんは)前回やってるから、だいぶそれで掴めてるんじゃない? もちろん、新たに模索しながらの部分もあるだろうけど。

小越:そうですねぇ。模索しながらも、(クラピカの右手にまとう)鎖を具現化できるように、何回も描くっていうところですかね。

(一瞬の間)

小越:あれ?

(一同:笑)

小越:原作にあるんですよ! 鎖を具現化するために、ずっと触っていたり、舐めたりするみたいなシーンが!(笑)……まぁ、舐めたりまでは多分しないんですけど。

太田:しないんかい!(笑)

小越:でも、役作りについてもそうなんですが、前作の頃から「次をやるとしたら、鎖はどういう扱いになるんだろうね?」みたいな話はよくしていたので。そういう意味では、いろいろと提案をしながら演出家の山崎(彬)さんと「じゃあ、こうして行こう」というお話ができるんじゃないかと思っています。今はすごい技術がいろいろありますけど、“演劇としてどう見せたら一番面白くなるのか”という面からも、たくさん模索したいですね。

――太田さんはいかがしょう?

太田:いやもう、(クロロの持つ)空気感ですかね。まずはそれを出せるようになってからだなという感じがするので。身に纏う雰囲気とか、世界観とか、いい不気味さが出せるといいなと思っています。

稽古場は「全員で作っている感じがすごくあった」

――小越さんは前作を経験されているわけですが、『HUNTER×HUNTER』THE STAGEの稽古場はどのような雰囲気でしたでしょうか?

小越:前作が初演だったので、みんなが手探りの状態でしたね。どうしたら良くなるのか、どうしたら面白くなるのかを、みんなで提案しながら、全員で作っている感じがすごくありました。演出家の山崎さんをはじめ、スタッフさんやキャスト、アンサンブルのみなさんまで含め、みんなが主力メンバーだという空気感の中で取り組んでいたので、かなりいい雰囲気だったんじゃないかと思います。

「終わっちゃうのが淋しいね」ってみんなで話すくらいに仲も良かったですし。今回については、同じ作品なのかというくらいに、空気感が全く変わりそうな気がしています。前回のカンパニーでは僕はけっこう年上のほうだったんですが。今回は多分、平均年齢がぐっと上がると思うので、そういった意味でも……。

太田:俺のこと言ってる?(笑)

小越:いや、違う違う!(笑)

太田:あはは。そっかそっか。前はそんな感じだったんだ。キャストの人数も全然多いのかな? 倍くらい?

小越:倍まではいかないけど、倍に近いくらい。

太田:和泉(宗兵)さん(ライト役)も今回が初めて?

小越:そうですね。だから、前とは全然空気感が違ってくるんだろうなと思うので。

太田:ゴン役の大友至恩くん、充さんに会ったらびっくりしちゃうんじゃないかな?(笑)雰囲気がすごくある方だから。

小越:面白い方だけど、最初はちょっとびっくりするかもしれないですよね(笑)。空気感が他の人とは全然違って、大人な感じだから。どうなっていくんでしょうね。全然ガラッと変わりそうな気もしますし、そこもまた楽しみです。

取材・文:古原孝子
Photo:梁瀬玉実

【小越勇輝】
ヘアメイク:小竹珠代 (TAMAYO KOTAKE)
スタイリスト:小田優士

衣裳:U-DOT

【太田基裕】
ヘアメイク:中元美佳(ete)
スタイリスト:小島竜太

インタビュー後編はこちら

公演概要

『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2

【期間・劇場】
東京公演:2024年3月16日(土)~3月31日(日) 天王洲 銀河劇場
大阪公演:2024年4月6日(土)~4月14日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【原作】 冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」より)
【脚本・演出】 山崎 彬
【音楽】 坂部 剛

【キャスト】
ゴン:大友至恩
キルア:阿久津仁愛
クラピカ:小越勇輝
レオリオ:近藤頌利

ノブナガ:村田 充
フェイタン:平松來馬
マチ:秋野祐香
フィンクス:田鶴翔吾
シャルナーク:織部典成
シズク:佐當友莉亜
パクノダ:鳳翔 大
ウボォーギン:伊勢大貴

シルバ:北村圭吾
ゼノ:椎名鯛造

センリツ:岩田弘子
ネオン:櫻井佑音
ライト:和泉宗兵

ヒソカ:丘山晴己

クロロ:太田基裕

高岩芯泰 辻本将平 原池 優 藤田浩太朗 古田伊吹
山崎里彩 岡村拓真 河野凌太 小池堆賀 島田隆誠
平井浩基 山上和輝 山﨑竜之介

【主催】『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2製作委員会
【チケット料金】11,000円(全席指定/税込)
【一般発売日】2024年2月18日(日)AM10:00~

【公式サイト】https://hunter-stage.jp
【公式 X】@hunter_stage
【公式 Instagram】@hunter_the_stage
【公式 YouTube】https://youtube.com/@hunter_stage

©P98-24・『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 2製作委員会

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧