西川大貴インタビューミュージカル『雨が止まない世界なら』「クロネコチャンネルがみんなの交流の場所になれたら」

2021.06.05

INTERVIEW

――西川さんは、俳優、アーティスト、演出家、YouTubeなど、幅広い活動をされていますが、そのようなマルチな活動をする理由について聞かせてください。

これは受け取る方によってはわがままに感じるかもしれないんですが、自分が心からワクワクできるような仕事で一年間のスケジュールを埋め続けることが目標なんです。かといって、今の仕事がワクワクしない訳ではないんですけど（笑）。数年前までは、大きな現場や、人気のある仕事で一年を埋めることを目指すべきという考えに固執して、メンタルや状況を苦しくしてしまい疲れてしまった経験があったんです。

なので、ワクワクし続ける方法として、クリエイティブなことをやったり、「今回はアーティスト活動、今回は俳優、今回は脚本、今回は演出」と自ら環境を変えたりして、ワクワクする心を保っていくというか。逆にいうと、辛抱強くないというか、たぶん一つの事だけに向き合い続ける耐久性がないんですよね。自分に刺激を与え続けるという意味で、いろんな仕事をやっているというのもあります。

まだ、自分は求めてもらえる立場にいるとは思っていないので、そういう価値を自ら作り出していかなくてはという思いもあります。クロネコチームの力も借りて、今は新たな西川の商品価値を生み出していっている所でもあると思うんですけど。

――それだけ多彩な活動をされていると、かなりハードスケジュールだと思うのですが、どうやって時間を捻出されているんですか？

色々と語った割に、実は意外とサボってますよ（笑）。でも、クリエイター活動にはダラダラしたりボーっとしていたりする時間がすごく大事だと思っていて。さっきの「雨のアイデアが腑に落ちた」という話もそうなんですが、僕は、ずっとクリエイティブなことをし続けるのではなく、少し空白の時間を作らないと、なかなかアイデアが出てこないんですよね。困ってます(笑)。

このクロネコチャンネルを持続的にやれているのは、クロネコチームがいるお陰だと思っています。自分だけがずっと動いている訳ではなく、クロネコチームが動いてくれている間に、次のアイデアを捻出できているので、続けていられるんだと思います。

――チームとしてやっているからこそ、長く続けられているんですね。

そうでないと、なかなか難しいですね。それこそ僕はめちゃくちゃエネルギーに溢れた人だと思われているのかもしれないけど、実はすぐにガソリンがなくなっちゃうタイプなので。なんなら、『（愛おしき）ボクの時代』のトライアウト公演が終わってガス欠状態が１年位続きましたからね（笑）。脚本なんて意地でも書かないと思ってましたし、プロジェクトを進めることがなかなか難しい中で、「脚本書かないの？　作品やらないの？」と言われて。「無理！」みたいな（笑）。そんな状態でしたけど、『雨が止まない世界なら』に関しては自然と書く事が出来たんですよね。ソングサイクルだから書けたというのもあるかもしれませんが。

――では、最後にクロネコチャンネルを楽しみにしている方に向けて、改めてメッセージをお願いします。

俳優が発信をしていくことが当たり前になっていったらいいなと思いますし、僕の発信の場でもあるんですが、「西川大貴チャンネル」にしていない理由としては、俳優、クリエイター、プロデューサー、スタッフの意見が交流する場にクロネコチャンネルがなっていけたらというのが一番大きくて。作品を発表する場にもなるし、今後も「ミュージカル」という一つのものを通して、そういった交流の場にどんどんなっていけばいいなと思っています。

それから、コメントもどんどん書いてもらえたら嬉しいなと思っていて。アートや作品って正解がないので、「私はこう思いました」と自分の意見を書きづらいと思うんですよね。でも、コメントをもらうことで、「こういう風に作品を観る人がいるんだ」とか、僕らもそれを見て「こういう風に作品を捉えてくれているんだ」というのがわかるので、視聴者の方の意見でもっと賑わう場所になってほしい。皆さんがコメントしづらいんだろうなというのが、今の僕らの課題なので、今後はもっとコメントをしやすい環境にしていきたいなと思っています。良かったら一言でもいいので気軽に書いてもらえたら嬉しいです。

取材・文：桑原梨沙（THEATER GIRL編集部）
撮影：くさかべまき

ミュージカル『(愛おしき) ボクの時代』西川大貴さんインタビューはコチラ