演出家・西田大輔インタビュー 舞台『憂国のモリアーティ』case 2 「物語の中にあるスピード感、新たなスケール感を楽しんでいただけたら」
INTERVIEW
――舞台版は、原作やミュージカル版とはエピソードの組み方が異なります。前作ではウィリアムとシャーロックが直接的に交わることはありませんでしたが、西田さんならではのこだわりがあったのでしょうか?
2人の出会いをcase 2に持ってこようという案は、最初の企画段階からあったんです。前作は、どういう時代背景の中で展開される物語なのかをきちんと描きたいというのがあって、一幕目をウィリアム 、二幕目をシャーロックの視点に分けたんです。そのうえで、次の一幕で2人の構造を見せようと。それを描いた先に、実はこの3つでストーリーがちゃんと進んでいるという流れをつくりたかった。
今作では、新たなウィリアム陣営の登場を見せようという意味で、切り裂きジャック事件は外せないっていうのもありますし、前回であえてアイリーン・アドラー編をやっているので、そういう意味でも次にやるのはこれしかないなって思いがありました。
――シリーズ化にあたって、最初から練られたものだったんですね! そのほか、前作とは違う見どころがあれば教えてください。
今作はシーンごとにすごく細かくつくっていて。4行のセリフの間に動くシーンを丸1日掛けてつくったりとか、そういうことをやって壮大さを演出しています。物語の中にあるスピード感、新たなスケール感みたいなものを楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。