荒牧慶彦、瀬戸祐介、糸川耀士郎インタビュー 舞台『憂国のモリアーティ』case 2 「今の空間を支配する機微みたいなものを伝えたい」
――今作では、「切り裂きジャック」事件の真相解明に動きますが、それぞれ出会ったときと印象が変わった部分、最初はわからなかったけど共演を重ねるうちに解明できた部分はありますか?
荒牧:耀士郎は人見知りなんですよ。ただ最初こそ距離がありましたけど、仲良くなってからは一気にコイツ可愛いなって(笑)。セティは何かある?
瀬戸:先輩の足もと見出したなとか、調子乗ったことくらいかなぁ(笑)。
糸川:乗ってない、乗ってないです!(笑)僕、ぜんぜん変わらない昔から。だから、何年経ってもずっとイジられるし。
瀬戸:まっきーは「こんなこともできるんだ」「マジ器用だな」っていうのが増してるかもしれない。いろんな役とかを見る中で、どんどんそう感じるようになりましたね。
荒牧:僕はセティが「こんなに人から好かれるタイプなんだ」って最初はわからなかったですね。セティって顔が広くて、ほかの現場で共演する人もみんなセティのこと知ってるし、めっちゃ好かれてるんですよ。もともと初対面の頃からすごいいい人だなと思ったんですけど、それがより確信に変わったというか。やっぱり兄貴肌だなぁって。
瀬戸:(ミネラルウォーターを飲みながら)水が美味いですね~!(笑)
――褒められてご満悦ですね(笑)。糸川さんはお二人に対して、印象が変わった部分はありますか?
糸川:まっきーさんはクールな役柄ってこともあったんでしょうけど、こんなに親しみやすい方だとは思わなかったですね。それこそ前作のときは、ご飯とかもまだ行けたときだったので、「3人でご飯いこうよ」って時間を作ってくださったりもしましたし。最初のイメージとはそこが違ったなっていう。
セティさんは、最初めっちゃ怖い人だと思ってたんですよ。けっこう僕と歳が離れてるし、クールで怖い人なのかなって。けど、話してみたらぜんぜんそんなことなくて、今ではもう、セティさんのことをイジれるくらい仲良くさせてもらっています。お二人ともすごく仲良くしてくださるし頼れる方々です。
やっぱりうちのウィリアム兄さんは最強
――お話を伺っていても、すごくいい関係性だと思います。最後に、今作への意気込みをお願いします。
荒牧:前回の舞台もあり、ミュージカルもあり、今回でもさらにたくさんの人に好きになってもらいたい。本当に原作の「憂国のモリアーティ」は単行本も一気読みしちゃうぐらい面白いんです。一巻から話が進むにつれて、「MI6」ができてジェームズ・ボンドが出てきて、「ジャック・ザ・リッパー事件」が起きてっていう。本当に話に没頭してしまう作品なので、その魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいですね。今回、初めて観に来る方々もたくさんいらっしゃると思うんですけど、僕ら各々のキャラクターが原作の世界観をより掘り下げて魅力を伝えていけたらなと思います。ぜひ楽しみにしていてください。
瀬戸:前回は僕たち3兄弟の関係性が詳しく描かれましたけど、今回はウィリアムとシャーロック・ホームズの出会い、2人がどう好敵手になっていくかっていうところにスポットが当たっています。新しい仲間も増えて物語がすごく盛り上がるところだし、何よりも今回のセットは圧巻です。あるときはイギリスの橋になり、あるときは列車になり……と、かなりダイナミックに楽しんでもらえると思います。なかなか2.5次元ってジャンルでは使われない、「このセット勝てるぞ」と思える舞台なので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
糸川:前回の舞台後にアニメが放送されたこともありますし、たぶんこの作品を好きになった方がさらに増えてると思うんです。そういう方々が観ても、面白いと感じるものをお届けしたい。「憂国のモリアーティ」の面白さはもちろんなんですけど、「演劇になるとこういう面白さがあるんだ」「あのシーンはこうなるんだ」みたいな。西田さんが演出する舞台の面白さを感じていただければ嬉しいです。それと、やっぱりうちのウィリアム兄さんは最強なんで。ウィリアム対シャーロックの熱い戦いを、ぜひ劇場でご覧いただければと思います。
演出家・西田大輔さん 舞台『憂国のモリアーティ』case 2インタビューはコチラ
取材・文:鈴木旭
Photo:青木早霞(PROGRESS-M)
公演概要
舞台『憂国のモリアーティ』case 2
【日程・会場】
2021年7月23日~8月1日(7月26日は休演)
新国立劇場 中劇場
*Streaming+にて、
7月23日(金・祝)に定点映像、
7月31日(土)、8月1日(日)にスイッチング映像のライブ配信あり
詳細は公式サイトへ
【キャスト】
ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ 荒牧慶彦
アルバート・ジェームズ・モリアーティ 瀬戸祐介
ルイス・ジェームズ・モリアーティ 糸川耀士郎
セバスチャン・モラン 郷本直也
フレッド・ポーロック 設楽銀河
ジョン・H・ワトソン 松井勇歩
ミス・ハドソン 野本ほたる
ジェームズ・ボンド 立道梨緒奈
ジャック・レンフィールド 萩野 崇
ジョージ・レストレード 村田洋二郎
シャーロック・ホームズ 北村 諒
他
【スタッフ】
原作: 構成/竹内良輔 漫画/三好 輝
『憂国のモリアーティ』(集英社「ジャンプSQ.」連載)
脚本・演出:西田大輔
主催: 舞台「憂国のモリアーティ」製作委員会
【公式HP】http://officeendless.com/sp/moriarty-st/
©竹内良輔・三好 輝/集英社 ©舞台「憂国のモリアーティ」製作委員会
あらすじ
19世紀末イギリス。階級制度に蝕まれた社会を変えるために、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、その兄弟とともに“犯罪卿”となった。悪によって悪を裁き、貴族の悪行を世に喧伝しながら、自らも犯罪卿として社会における巨悪となっていく。そしてウィリアムは、自身の計画に必要不可欠な存在として、悪を暴く探偵シャーロック・ホームズを選んだ。
ウィリアムはシャーロックにさらなる事件を仕掛け、その実力を試していく。一方、シャーロックは事件を難なく解決するも、その裏にいる犯罪卿の正体を掴めず焦燥を募らせていく。
ボンドという新たな仲間を得たモリアーティ陣営。そこにウィリアムたちの恩師でもあるジャックがやってくる。アフガン戦争では「切り裂きジャック」の通り名で恐れられたジャックだが、その名を騙る連続娼婦殺人事件が起きているという。ウィリアムたちはその真相解明に動き出す。