生駒里奈、池田純矢インタビュー「-4D-imetor」「想像以上に面白く、見たことのない作品になっています」(後編)
――今作は、奇術×謎解き×演劇が融合した“アトラクション・エンターテインメント”という点もみどころですよね。コロナ禍の自粛ムードの中で、気持ちが凝り固まったりモヤモヤした思いを抱きながらも、スカッとした気持ちを味わえる作品になるのではと期待をしているのですが、おすすめのスカッとポイントはありますか?
池田:物語の中にいろいろなギミックが溶け込んでいるんですけど。イリュージョンにしても、アクションにしても、物語の中にあるべくしてあるんですね。そういう部分についてはすごく自信を持っています。マジックショーや、ヒーローショーをしたいわけではなく、ただこの『-4D-imetor』という物語を表現したいがために、そういったギミックを使っているんです。この物語というジェットコースターに乗っていただけたら、終盤にはストーリーのギミックであっと驚いた上で、心晴れやかになれるラストシーンを見届けてもらえると思うので、ぜひそれを楽しんでいただきたいですね。
生駒:本当にその通りなんです。お芝居を観ていてスカッとするし、アクションを観ていてもスカッとするし、心が動く瞬間がたくさんあるなと思って。凝り固まっている心があるとしたら、ほぐそうと思わずに、ただ観ているだけで自然にほぐれていくんじゃないかなと思います。私たちもそんな作品にしたいなという思いです。
エンターテインメントには”楽しい”があればそれでいい
――池田さんは主演として舞台に立つだけでなく、作・演出も手掛けられますが、今作を通して伝えたいことはどんなことでしょうか?
池田:これねぇ……難しいなと思うんですよ。何かメッセージがあるというと、(観る側が)身構えてしまう部分もあるので。
――あぁ……そうですよね。
池田:「エン*ゲキ」シリーズを作った理念としては「演劇とはエンターテインメントであること」なんです。そこで、エンターテインメントってなんぞやって思うんですけど、僕にとってのエンターテインメントって、“楽しい”があればそれでいいと思っていて。その裏に何があるのか、どういうメッセージが込められていて、どういう思いで作った作品なのか……もちろん、そこを楽しんでいただく性質の作品もあると思うんですけど。大前提として僕が考えるのは、そういう部分は作り手側が考えればいいことで、受け取る側のお客様にはただただ楽しんでいただければそれでいい、と。
だから「こういうメッセージを込めました」とは……あ、言いたくないわけじゃないですよ! たくさんあるし、それはふんだんに作品に詰め込んでお届けするんですけど。でも一番はやっぱり、お客さんにただ楽しんでいただく。その2時間が、その人の人生にとっての潤いである、ただそれだけでいいんじゃないかなと思ってるんですよ。
――いやもう、頷くばかりです……。
池田:その上で、あえて言うのなら。……うーん。自分自身とはなんぞや、生きる意味とはなんぞや。なんかそういった「人生ってなんなんだろう?」という悩みや苦しみに、“少し”寄り添える作品にはなるんじゃないかなと思います。
――ありがとうございます。そして観に来られる方には、それを汲み取ろうと頑張らずに、気楽に観てほしい、といった感じでしょうか。
池田:頑張らなくて全然大丈夫です。「あぁ、面白かったね! さ、かーえろ!」でいいと、本当にそう思ってます。