加藤和樹インタビュー ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』 「この世界で生きるジャックとアンダーソンを丁寧に作り上げたい」(前編)
――今、白井さんのお話がありましたが、演出に期待することや、実際に演出を受けられてみての印象はいかがですか。
二役演じるということで、二役分白井さんの愛が受けられるのが楽しみです(笑)。白井さんはいつも芝居に熱くて諦めない方なので、現段階ではまだまだ本領を発揮していないと思います。少しだけその片鱗は見えつつあるのですが、これからビシビシ芝居も作り上げていくのかなと。どこまで白井さんの本気が出るのだろう、そして自分たちがそれにどれだけ応えられるだろう、とワクワクしています。
いろんな現場をこなしていく中で「自然と切り替えスイッチができてきた」
――加藤さんは先日までミュージカル『マタ・ハリ』にも出演されていて、今年に入ってからもさまざまなミュージカルに出られていますが、役の切り替えはすんなりとできるのでしょうか? 何か意識されていることはありますか。
特に意識していることはないですかね。切り替えはわりとできるほうなので、前やっていた役を引きずることもあまりないです。それは多分、アーティストや役者、最近は声優もやりながらいろんな現場を代わる代わるやっていく中で、自然と切り替えスイッチができているのかなというのがあって。前やっていた作品の歌やセリフ、振り付けなど、次の現場でパッと忘れられる方もいらっしゃいますが、僕はわりとずっと覚えているタイプで……。でもそれが邪魔をすることはあまりないです。
――作品に入ると同時に、すっと切り替えられるような感覚ですか?
そうですね。ミュージカル『マタ・ハリ』の本番が始まってから、今回の台本が届いたのですが、作品をやっている中でも次の台本を読んだり、歌も覚えたりしなくてはいけなくて。ですが、僕はそういうのもあまり苦ではないです。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:山内洋枝(PROGRESS-M)
ヘアメイク/江夏智也(do:t)
スタイリスト/立山 功
衣裳
シャツ ¥203,500-、カットソー ¥28,600-、パンツ ¥96,800-、靴 ¥138,600-/全て YOHJI YAMAMOTO(ヨウジヤマモト プレスルーム 03-5463-1500)
ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』木村達成さんのインタビューはこちら
公演概要
ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』
<東京公演>
2021年9月9日(木)~29日(水)
日生劇場
<大阪公演>
2021年10月8日(金)~10日(日)
フェニーチェ堺 大ホール
キャスト:
ダニエル:木村達成・小野賢章(Wキャスト)
アンダーソン:加藤和樹・松下優也(Wキャスト)
ジャック:加藤和樹・堂珍嘉邦(Wキャスト)
グロリア:May’n
ポリー:エリアンナ
モンロー:田代万里生 他
スタッフ:
作曲:Vaso Patejdl
作詞:Eduard Krecmar
脚本:Ivan Hejna
演出:白井晃
公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/jacktheripper2021/
ストーリー
1888年ロンドン。
刑事のアンダーソン(加藤和樹・松下優也)は娼婦だけを狙う、“ジャック・ザ・リッパー”と呼ばれる殺人鬼(加藤和樹・堂珍嘉邦)を追っていた。残忍な犯行で解決の糸口も見えないため、マスコミを排除し非公開で捜査を進めようとする。 しかしロンドンタイムズ紙の記者、モンロー(田代万里生)はスクープ記事のネタを狙って アンダーソンに近づく。 モンローは、麻薬中毒者で金が必要なアンダーソンの弱みにつけこみ、情報提供の取引に応じさせてしまう。
4度目の殺人現場で、アンダーソンの前に男が現れ「犯人を知っている」と告白する。「そいつの名前はジャックだ」と。 彼は、7年振りにアメリカからロンドンにやってきた外科医ダニエル(木村達成・小野賢章)。 7年前、ダニエルと元娼婦のグロリア(May’n)はジャックと出会っていた。
犯行が重ねられ事件は混迷を極めていく一方。 アンダーソンはダニエルの告発に基づき、おとり捜査を計画するが、ロンドンタイムズ紙は “ジャック・ザ・リッパー”の殺人予告記事の号外を出してしまう。 そして、アンダーソンと彼のかつての恋人だったポリー(エリアンナ)までもが事件に巻き込まれる。
果たして、殺人鬼“ジャック・ザ・リッパー”の正体とは…?
そして、本当の目的とは…?