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佐奈宏紀×君沢ユウキインタビュー『Paradox Live on Stage』 「圧倒的なクオリティーでぶち抜きたい」(後編)

INTERVIEW

――「Paradox Live」は4チームのステージバトルが見どころですが、過去を振り返って「あの時は闘ったな」と痛感するエピソードがあれば教えてください。

佐奈:僕は中高一貫の学校に通ってたんですけど、中2の時にラグビー部の子からちょっと意地悪されてたんですよ。iPod touchを盗まれたりっていろいろやられて。それで「何かで見返したい」と思って、高校からラグビー部に入ったんです。

ただ一緒になって練習しているうちに、そんなに悪いヤツじゃないってことが発覚するんです。昔は意地悪されてたけど、それは中学生のあり余った体力を発散してただけでした。それで、あの時に盗まれたiPod touchを取り戻そうと思ったんですけど、トラウマもあったしその子は腕力もあるからやっぱり声掛けるのが怖い。それでも頑張って自分から「ねぇ、あの時iPod touch盗んだよね?」って切り出したんです。

そしたら、「盗った」って事実を認めてくれて。僕としてはそれだけでスッキリしたから、「じゃあちょっと返せる?」ってラフな感じで聞いたら、そいつがモゴモゴしながら「売っちゃった」って(笑)。でも、素直に全部話してくれたことで僕も許せたし、そこから仲良くなれた。今でもみんなで集まってご飯を食べたりする仲です。そう考えると、あの時に過去の自分と闘って本当に良かったなって思いますね。

君沢:それはすごいな、闘ったねぇ! 僕は「悪漢奴等」の武子(直輝)くんと共通点ができた話なんですけど、ある役者さんが体調不良で公演に出られないってことがあったんですよ。もう明日が本番って時に、僕のところに「明日の大阪公演いけるか?」って電話が掛かってきて。当時はその作品をあまり知らなかったし、しかも高校生役で「え、それ俺じゃないでしょ」と思いつつ、ひとまず話を聞いたんです。

もともと、そういう局面で舞台を救える先輩になりたいって願望はあったんですよ。ある舞台で、宮沢りえさんが急遽代役を務めて3日で仕上げたってことがあったじゃないですか。俺の場合は1日だけど、これやれたらちょっと格好いいなと思って。ただ、台詞もめっちゃあるし、「うわ、マジかよ」って気持ちとないまぜの状態で代役を引き受けたんです。

そこから寝ずに、大阪までの移動中もずっと台本を覚えて。現場に着いたらすぐ場当たり稽古で、そのまま本番でした。そこで代役を務めたってだけじゃなくて、成功させなきゃダサいじゃないですか。だから、もうそれは必死で。舞台からはけるたびに台本を見返して、なんとか無事本番を終えることができました。

しかも、その日は僕の誕生日だったんです。とんでもないプレゼントもらったなって(笑)。その後、同じ役を武子くんがやることになったんですよね。ともあれ、あそこで勇気を出して良かったなと。強制的ではありますけど(笑)、すごく成長させてもらいました。

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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