上田堪大は歩みを止めず進化する「切磋琢磨できる仲間がいるほど芝居は面白い」【シアダン vol.06】(前編)
みんなが変わって、自分も変わる
――ではお芝居に話を戻しまして。これまでのキャリアの中で特に骨が折れたことや、これを乗り越えたから成長できたと思うことについて聞かせてください。
ここ1、2年で、良くも悪くも変われたなという思いは、自分の中でありますね。うーん……(舞台『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』鬼龍紅郎役の)卒業もあったし。あとは、完全に自信をなくしたこともありました……。そんな中で、プライベートから仕事場まで、周りにいてくれる人の大切さや、ファンの方々の支えがすごく大きいことを心底感じた、という意味では成長したのかなって。具体的に何が成長できたのかっていうと、まだ分からないんですけど。
――何か大きなできごとがあったというより、いろいろなことの積み重ねで変化があった感覚なんですね。
ですね、積み重ねのほうが大きいと思います。とにかく「丸くなったな」って言われますよ(笑)。後輩の中にはあえて厳しくしている子とかもいるんですけど、そういう子たちにも優しくなったというか、「堪大くん、丸くなりましたね」って言われて。笑っちゃいますよね(笑)。
元から先輩風を吹かしたいわけでも、吹かしているわけでもないし、よりフランクに話せるほうがいいかなって。僕が歳を重ねているだけ後輩たちも大人になっているので、言葉にしない部分も察してくれますし、そういう意味でも変わったのかもしれないです。
――上田さんも、周りの方も、みなさんが変わったんですね。
うん、そうですね。みんなが変わって、自分が変わってないっていうのが、一番良くないので。
――心に重く響く言葉です。それでは続いて、役者をしていて喜びを感じるのはどんな時ですか?
これはもう、カーテンコールでお客さんの拍手と笑顔を見られた時ですね。作品によっては、笑顔じゃなくて涙だったりもしますけど。終わった後に、スタッフや関係者など作品に携わっている全てのみなさんの代表として僕たちが板の上に立って、観ていただいた方にお礼を言う――カーテンコールって大切な時間だなって思います。その時に拍手や笑顔や、それぞれの方が感じたものがすごく伝わってくるので、それを感じられるのが喜びですし、本当にやってて良かったなぁって思います。