雛形あきこインタビュー ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』 「今回のヘディは少しお姉さんらしい雰囲気になりそうな予感」(後編)
――雛形さんにとって、前回が初のミュージカル出演ということで何か苦戦したことはありましたか?
お稽古で初めて歌うときに苦戦したのを覚えています。マスクをしたままみんなと顔を合わせて、アクリル板がある状態で座って本読みしたときに「このまま歌うのか……」と思ったときのプレッシャーたるや凄まじいものでした。まだ動いていたらなんとなく自然とできそうですが、その状況で歌わなくてはいけなかったのでかなり緊張しましたね。しかも席が多くて、社長も少し遠いという(笑)。不安を感じながらのスタートではありました。
――稽古を重ねるうちに徐々に慣れてきた感じでしょうか?
はい、みんなとても優しかったので、徐々に慣れていきました。 舞台の経験はあるので本読みはもちろん何回も経験しているのですが、その中に歌が入ってくると「そりゃそうだよね。今歌うよね……」と思いながら、自分の番が来るまでドキドキしていました。やっていくうちにキャラクターができあがってくるので多少慣れてきますが、最初の本読みが本当に一番怖かったです。
自分で考えたことを挑戦できる環境、真剣に聞いてくれる現場
――だんだんと慣れてきた中で、手応えを感じた瞬間はありましたか?
キャラクターが際立っている人が多いので、やっていくうちにどんどん自分も「ここまで出していいんだ」というのをお稽古の段階でできたので、手応えといいますか、挑戦できる環境だったのがよかったです。それは稽古場の雰囲気のおかげかなと。
「勝手にやったら怒られるのかな?」と感じるときもたまにあるじゃないですか? でもそういうのは一切なくて、まず自分で動いてみてもいい現場だったので、そこは自由にやらせてもらいました。「こうやってみたい」という意見も自分から言っていい空気でしたので。
――自分なりに考えたことを実践できる稽古場だったのですね。
そうですね。自分の考えを皆さんが真剣に聞いてくれるのもありがたかったです。
――皆さん認めあっていらっしゃる現場だったのですね。
どのキャラクターも悪そうに見えて愛されるようなキャラクターが多いので、それもあって余計にその人と「さらに面白く絡みたい」とか、「もっと楽しくやれそうだな」とか、より考えながらできたのがとても楽しかったです。